◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/12月21日~31日

2021-12-23 11:00:29 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
代表:高橋正子・管理:高橋信之
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今日の秀句/12月21日~31日

2021-12-23 10:59:32 | Weblog
12月31日(1句)

★大歳の庭真っ白や雪景色/桑本栄太郎
大歳の雪は、雪国はともかく、珍しいのではないだろうか。庭を真っ白に覆う雪に、年があらたまる思いが強まる。(髙橋正子)

12月30日(1句)

★竹林の竹節白々寒波来る/桑本栄太郎
寒波が来ると、辺りが寒さで冴えて、竹林の竹の節が、粉を吹いたように白くなる。いかにも冷たく寒むそうな景色。(高橋正子)

12月29日(2句)

★枯芒刈りて赤城の目路ひろげ/小口泰與
枯芒も枯れが進むと、呆けてうるさげになる。それを刈り取ると赤城山までの視界が開ける。寒さのなかにも、気持ちがすっきりと晴れやかになる。(高橋正子)

★大掃除鏡きれいに拭きあげる/多田有花
大掃除で鏡まできれいに拭きあげる。鏡に映った部屋が一度に明るくなって、新年がすぐそこまで来た感じだ。(髙橋正子)

12月28日(1句)

★紺碧の今朝の赤城や雪囲/小口泰與
今朝紺碧となった赤城山と、雪囲の取り合せがいい。「今朝」と言う時間が新鮮。雪囲もされたばかりだろう。(高橋正子)

12月27日(2句)

★初雪や日暮れとともに降り出しぬ/廣田 洋一
じっくり味わうと、句の良さが伝わってくる。日暮れになって冷えてくると、雨として降るはずが、初雪となって降り始めた。夜の帳が広がるにつれ初雪がおそるおそる降るようで、情趣深い。(髙橋正子)

★寒風の中に響ける子らの声/多田有花
寒風は寒く冷たいだけでなく、空気を冴え返らせて、元気に遊ぶ子どもたちの甲高い声をよく響かせる。寒風独特の響きが聞こえる。(髙橋正子)

12月26日(1句)

★陽を受けて眠れる山の穏やかに/多田有花
陽を受けると山も人のように、穏やかに眠る。山という巨人が穏やかに眠っているようでもある。(髙橋正子)

2月25日(1句)

★冬至の日猫より伸びる長き影/川名ますみ
一年で影が一番長い日の冬至。いつも身の周りにいる猫から長い影が生まれていることに気づいた。しなやかな肢体の影が長くて影絵の猫のように面白い。(髙橋正子)

12月24日(1句)

★多宝塔へ桜冬芽の枝のばす/多田有花
多宝塔と桜の取り合せは、寺の確かな景色。多宝塔に桜の冬芽をつけた枝が伸びているのも冬ということ。桜が咲けば爛漫の花と多宝塔という構図で楽しめる。(高橋正子)

12月23日(1句)

★盛り土の沈むを待ちて冬ざるる/廣田洋一
盛り土をしたばかりのときは、土といえどもその色は盛り上がり方も生々しい。その土も日にちが経ち落ち着いて沈んでくる。そうなると急に「冬ざれ」が強まって来る。難しいところをよく観察して詠まれている。(高橋正子)

12月22日(1句)

★鉄橋を貨物列車がゆく冬至/多田有花
鉄橋を貨物列車が渡ってゆくのは、冬至にかぎったことではない。けれど冬至であることで、鉄橋を渡る貨物列車の風景に一抹の感慨が湧く。(高橋正子)

12月21日(1句)

★町並みのうえに低かり冬満月/多田有花
町並みのうえに冬の満月は、昇ったばかり。低い位置から町の暮らしを照らしている。昭和レトロな雰囲気もあって、なつかしさを覚える句。(髙橋正子)

コメント (9)
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12月21日~31日

2021-12-23 10:49:49 | Weblog
12月31日(4名)

廣田 洋一
呑み会の約束一つ年を越す★★★
スポーツジムの予約を入れて年越せり★★★
若き鷹飼追いひて鳴きにけり

小口泰與
届きたる酒を一献大晦日★★★
年越しや机辺の堆書数多なり★★★
年の夜や二年参りの星の数★★★★

多田有花
風の音朝より激し大晦日★★★
行く年に逝きたる人を思いけり★★★
大晦日家に籠ると但馬っ子★★★★
 (但馬は兵庫県の日本海側です)

桑本栄太郎
年用意終えて安堵の歌番組★★★
大歳の庭真っ白や雪景色★★★★
大歳の雪は、雪国はともかく、珍しいのではないだろうか。庭を真っ白に覆う雪に、年があらたまる思いが強まる。(髙橋正子)
年の夜や歌の番組延々と★★★

12月30日(4名)

小口泰與
黙想の森の枯木や雨の夜★★★★
小晦日妻は華髪を染めにける★★★
年用意風韻かける跡見せず★★★

廣田 洋一
セーターの穴をかがりて年惜しむ★★★
煮凝りをあたためなおしみをほぐす★★★
台所を磨き上げたり年送る★★★★

多田有花
小晦日古き土鍋に暇を出す★★★
捨てるものさらに捨てたり小晦日★★★
目標と抱負を記す小晦日★★★

桑本栄太郎
竹林の節白々と寒波来る(原句)
「竹林の節」は表現が不正確では、と思います。(高橋正子)
竹林の竹節白々寒波来る★★★★(正子添削)
寒波が来ると、辺りが寒さで冴えて、竹林の竹の節が、粉を吹いたように白くなる。いかにも冷たく寒むそうな景色。(高橋正子)

不意に翔つ羽音こきこき寒鴉★★★
風無くばあっけんからんと枯尾花★★★

12月29日(4名)

小口泰與
枯芒刈りて赤城の目路ひろげ★★★★
枯芒も枯れが進むと、呆けてうるさげになる。それを刈り取ると赤城山までの視界が開ける。寒さのなかにも、気持ちがすっきりと晴れやかになる。(高橋正子)

木守や流る彩雲浅間へと★★★
姦しき雀の性や寒の水★★★

廣田 洋一
金閣寺雪を冠りて静まれり★★★★
声かけて挨拶のみの仕事納★★★
古暦最後の予定残りをり★★★

多田有花
豪雪の写真友より届きけり★★★
寒波来て毛布一枚夜具に足す★★★

大掃除鏡きれいに拭きあげる★★★★
大掃除で鏡まできれいに拭きあげる。鏡に映った部屋が一度に明るくなって、新年がすぐそこまで来た感じだ。(髙橋正子)

桑本栄太郎
投句さえ忘れて居りぬ年用意★★★
数へ日の寸暇を惜しみ歩きけり★★★
歳晩の畑に人影だれも見ず★★★★

12月28日(3名)

小口泰與
紺碧の今朝の赤城や雪囲★★★★
今朝紺碧となった赤城山と、雪囲の取り合せがいい。「今朝」と言う時間が新鮮。雪囲もされたばかりだろう。(高橋正子)

大沼の木立霧氷や朝日差す★★★
矍鑠と眉雪をほこる毛皮かな★★★

廣田 洋一
ランニングマシン徐々に止まりて年送る★★★
新しきこと一つして年用意★★★★
思ひつきり手足伸ばして年惜しむ★★★

多田有花
冬林檎すっぱり割れば蜜たっぷり★★★
数え日に済ませる用事の二つ三つ★★★
数え日にすること整理と計画と★★★

12月27日(4名)

小口泰與
狼の声の如くや虎落笛★★★
蒼空へでんと構えし雪浅間★★★★
城跡の秀つ枝下枝の枯葉かな★★★

廣田 洋一
数へ日の一日を予約理髪店★★★
初雪や日暮れとともに降り出しぬ★★★★
じっくり味わうと、句の良さが伝わってくる。日暮れになって冷えてくると、雨として降るはずが、初雪となって降り始めた。夜の帳が広がるにつれ初雪がおそるおそる降るようで、情趣深い。(髙橋正子)

産神に参拝終へて松飾り★★★★

多田有花
懐かしき音楽流し年の内★★★
年末寒波空真っ青に晴れて★★★
寒風の中に響ける子らの声★★★★
寒風は寒く冷たいだけでなく、空気を冴え返らせて、元気に遊ぶ子どもたちの甲高い声をよく響かせる。寒風独特の響きが聞こえる。(髙橋正子)

桑本栄太郎
深々と音なき夜や雪が降る★★★★
凍朝の水色空や日差し来る★★★
ふるさとのテレビニュースや寒波来る★★★

12月26日(5名)

廣田 洋一
数へ日やなすべきことに指を折る★★★
数へ日に有志の集ふクラス会★★★
駐車場の一画占める飾売り(原句)
「切れ」をいれて、添削しました。(髙橋正子)
駐車場の一画を占め飾売り★★★★

小口泰與
木守や風と敵対砦門★★★
数え日やコッペパんを頬張りて★★★
歳晩や庭の植木へ向かいける(原句)
歳晩や庭の植木に真向かえり★★★★(正子添削)

多田有花
陽を受けて眠れる山の穏やかに★★★★
陽を受けると山も人のように、穏やかに眠る。山という巨人が穏やかに眠っているようでもある。(髙橋正子)

風強けれど光明るしクリスマス★★★
万年筆自分に贈るクリスマス★★★

桑本栄太郎
山茶花の生垣みだれ咲きにけり★★★
風花の蒼き空より晴れ来たり★★★★
一仕事終えたようなり賀状書く★★★

川名ますみ
薬局にクリスマスケーキ提げたひと★★★
線香と雑炊の湯気まじわりぬ★★★
年の瀬の夕映えミルクティーのいろ★★★★

12月25日(5名)

廣田 洋一
賑やかにチャーハン食べるクリスマス★★★
乾杯はノンアルコール聖夜かな★★★
俳句教室全て終わりて年惜しむ★★★

多田有花
歳晩の準備せわしき神呪寺★★★
見上げれば丸き山頂冬の空★★★★
十二月花いっぱいのティールーム★★★

小口泰與
離れにて吾は転寝や年用意★★★
行く年や県知事賞の知らせ無く★★★
歳晩や利根の川底石数多★★★★

川名ますみ
冬至の日猫より生ゆる長き影(原句)
「生ゆる」に工夫がありますが、「写生」に重点を置くのがいいと思います。
冬至の日猫より伸びる長き影★★★★(正子添削)
一年で影が一番長い日の冬至。いつも身の周りにいる猫から長い影が生まれていることに気づいた。しなやかな肢体の影が長くて影絵の猫のように面白い。(髙橋正子)

花いっぱい編まれショールのかろやかに★★★★
医師の声ショールの端をつまみ聞く★★★

桑本栄太郎
合歓の実の莢の乾ぶる冬日かな★★★
野良猫の日差しに眠る枯芙蓉★★★★
歩き行く程に集うやしぐれ雲★★★

12月24日(4名)

廣田 洋一
書き込みを一つ残して暦果つ★★★
守護札と並びて懸る暦果つ★★★
休耕の畑広がり山眠る★★★

小口泰與
御仏の螺髪の乱れ枯落葉★★★
近道の渇きし火山灰や北颪★★★
余燼溢れし吾の髪膚寒卵★★★

多田有花
石像の両手差しあぐ冬青空★★★
裸木の広く囲みし三角点★★★
多宝塔へ桜冬芽の枝のばす★★★★
多宝塔と桜の取り合せは、寺の確かな景色。多宝塔に桜の冬芽をつけた枝が伸びているのも冬ということ。桜が咲けば爛漫の花と多宝塔という構図で楽しめる。(高橋正子)

桑本栄太郎
山眠る嶺より里へ送電線★★★
山茶花の生垣高く里の家★★★
あご髭の白く伸びたりイブの夜★★★
 
12月23日(4名)

小口泰與
蒼天へ聳つ妙義鷹一つ★★★
遠き祖(おや)訪ね諏訪へと桜鍋★★★
暗渠へ枯葉や雨の水の音★★★★

廣田洋一
盛り土の沈むを待ちて冬ざるる★★★★
盛り土をしたばかりのときは、土といえどもその色は盛り上がり方も生々しい。その土も日にちが経ち落ち着いて沈んでくる。そうなると急に「冬ざれ」が強まって来る。難しいところをよく観察して詠まれている。(高橋正子)

空き地にて風のまにまに枯尾花★★★
枯芙蓉蕾の姿をそのままに★★★

多田有花
柚子の香の溢るる湯舟に浸かりおり★★★
大阪湾遠く冬陽に光りおり★★★
梅田のビル群後ろは冬の生駒山★★★

桑本栄太郎
冬日さす煙たなびく野面かな★★★
冬耕の畝間に水や午後の日に(原句)
冬耕の畝間の水や午後の日に★★★(正子添削)
山里の甍きらめく冬日燦★★★

12月22日(4名)

廣田 洋一
頂きし柚子を浮かべて冬至風呂★★★
燦燦と朝日降りたる冬至かな★★★★
道の端ぽつぽつ紅き冬薔薇★★★

小口泰與
碧天や噴煙のたつ雪浅間★★★★
満天の星や冬ばら風の中★★★
空風や赤城と榛名対峙せる★★★

多田有花
鉄橋を貨物列車がゆく冬至★★★★
鉄橋を貨物列車が渡ってゆくのは、冬至にかぎったことではない。けれど冬至であることで、鉄橋を渡る貨物列車の風景に一抹の感慨が湧く。(高橋正子)

湯たんぽを足で探りて眠りにつく★★★
正午前わずかに冬至の日差しあり★★★

桑本栄太郎
田舎より冬至南瓜の届きけり★★★
着ぶくれて樽のようなり朝歩き★★★
乙訓の風の田面や北おろし★★★

12月21日(4名)

小口泰與
日向ぼこ迦陵頻伽は夢の中★★★
雀らは樋の塒や木の葉雨★★★
丸めたる新聞持つや冬の蠅★★★

廣田 洋一
仏前にケーキ供へてクリスマス★★★
昼は並木夜は電飾聖夜かな★★★
冬凪や消波ブロック静まりぬ★★★

桑本栄太郎
小春日の園児ら手つなぎ散歩かな★★★
顔見世や掛け声ひびく大向う★★★
峰の端に宵の明星石鼎忌★★★

多田有花
冬満月町並みのうえに低し(原句)
町並みのうえに低かり冬満月★★★★(正子添削)
町並みのうえに冬の満月は、昇ったばかり。低い位置から町の暮らしを照らしている。昭和レトロな雰囲気もあって、なつかしさを覚える句。(髙橋正子)

シクラメン冬陽浴びつつ店先に★★★
山茶花を背景にしてはいポーズ★★★
コメント (3)
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自由な投句箱/12月11日~20日

2021-12-12 16:42:37 | Weblog
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今日の秀句/12月11日~20日

2021-12-11 14:22:02 | Weblog
12月20日(1句)

★冬凪や渚に貝を拾ひけり/廣田洋一
冬凪の渚には、風は冷たいものの明るい日差しがとどき、貝を拾いたくなる。この所作に素敵な静けさがあっていい。上品で穏やかな静けさに心休まる句。(高橋正子)

12月19日(1句)

★燦々と背ナに冬日や朝餉摂る/桑本栄太郎
朝餉の時間、ちょうど背ナに冬日が当たって、暖かい。日の当たる背ナは、暮らしてきた歳月がそのまま表れて見える。(高橋正子)

12月18日(1句)

★寒波来て入日いっそう輝けり/多田有花
寒波の厳しさが入日を磨くように、いっそう輝かせる。厳しい寒さが空気を鋭利にさせたようだ。(高橋正子) 

12月17日(1句)

★木の伐り株白し寒波来る/桑本栄太郎
大木ならば、切株も大きく白さも鮮やかだろう。切株の白の鮮烈さに、生々しささえ見える。寒波が来て、いっそう切株の白さば目立つ。(髙橋正子)

12月16日
該当句無し

12月15日(1句)

★星冴ゆる真夜の報せや叔父逝去/桑本栄太郎
星が冴える夜は、冷え込みがまし、家うちに居ながら、感覚がさえる。そんなときの身内の訃報はある意味納得し、ある意味受入がたく、思い出がふつと湧く。人の死と切り離せない星の冴える夜である(髙橋正子)

12月14日(1句)

★駅出れば星の迎へる十二月/廣田洋一
日もいよいよ短くなり、寒さがつのり、空気が澄んでくる十二月。駅を出るとたくさんの星が空にきらめき、出向かえてくれるようである。(髙橋正子)

12月13日(1句)

★間の朱き冬芽のひたすらに/小口泰與
庭の木々を見上げると、眼間には朱い冬芽がたくさん育っている。その姿は「ひたすら」とさえ思える。そう思うのは優しさ。(髙橋正子)

12月12日(1句)

★凍草や湖は紫紺を極めける/小口泰與
湖のほとりは凍草が覆っている。湖も紫紺の色を極め、静寂がやがてこころのなかに、華やかさに変わっていく、美的なセンスのある句だ。(髙橋正子)

12月11日(1句)

★落葉松の錆びのようなる積む落葉/桑本栄太郎
落葉松は金色の黄葉から錆び色の落葉へと変わっていく。錆びを落としていくように地面に深々と降り積もる。芽吹くときも、黄葉のときも、名のとおり落葉となるときも、人の一生のごとく趣ある変化を見せて来る。(髙橋正子)
コメント (7)
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