行くよ!今度はきっと行くよって
親父の奴、ほんとにいつに行くんだよ
このままではオオカミ爺になってしまう。
エルタス謹製ウェスタンシステム全景
中音ホーンはWE製から変更になっていました。
じゃ、親父、説明を頼むよ。
猿ヶ京の赤兵衛で2年、苗場プリンスホテルで1年、新潟市立美術館で1年半。幾多の変遷を経て、故郷に戻ってきました。
ここは元赤兵衛店主藤原さんが22歳の時、バイタボックスのコーナーホーンを入れるために作ったものだと言う。
と言うか、こう言うものを作りたいと親に無心したらしいのだ。
理解がある親を持って幸せ
と言うか、道楽息子を持った親はさぞ大変だと思う。
SP側から見たリスニングポジション
面積は25畳位、天井高は一般の住宅より高い。10m位離れたところには道があり、車も通るが、音はほとんど入ってこない。
建物の遮音性を考えているのだろう。二重窓になっている。その窓からは小さな公園が見えました。
家具は赤兵衛時代から見慣れたもの。だから、初めてお邪魔したにもかかわらず、違和感がありません。
フォノイコライザー、プリアンプ、SP励磁電源、パワーアンプ
トランスドライブパワーアンプ(モノラル仕様)×2台
以前見たときはWE300B(あるいはA)だったと思ったが、今はJAN・・・・WE・・・に変わっていました。
この球は300B(A)より古い球で、出力は1Wだそうです。
技術的なことも訊きたかったのですが、藤原さんはそう言ったことは一向に興味はないようです。エルタスお任せなのです。
なお、JANはジャンクのこと。今は古物品、故障品の代名詞になっていますが、本来は軍放出品が語源だそうです。
軍規格品の球と言うことのようです。
今度、PICOに行ったら、軍用通信機の中を覗いてみます。多分、WEのパーツがごっそり入っていることでしょう。
デジカメのフラッシュを焚きましたら、SPから大きな「バシッ」と言う音がしました。
パワーアンプの球が拾っているらしいのです。
明かりは間接照明。全て白熱球でした。蛍光灯はノイズ源になる可能性があります。
左側 EMT927(初期型) 右下 RCA業務用プレイヤー
今回の訪問の目的の一つがこのRCA業務用プレイヤーを見ることでした。
内部を見せてもらいました。
RCAプレイヤーの内部1
ターンテーブルの下にはもう一つターンテーブルがあります。慣性質量を増やし、回転を滑らかにするためと思われます。
この軸の下に可変回転モーターを直付けすれば、ダイレクトドライブ・プレイヤーになります。
RCAプレイヤーの内部2
縦軸に90度に交差する横軸があり、両軸の交差部にギアが内蔵されているはずですが、直接見ることはできません。
横軸にはモーターが直付けされています。ギア比を変え、回転数を落とし、縦軸に伝えているものと想像されます。
ですから、ギアドライブプレイヤーと言うべきものなのです。
このプレーヤーは完全オリジナルではありません。オリジナルのままでは、回転の制御が完全にはできない。また、ゴロが大きく、実際の使用には問題があることが分かり、改良を加えたようです。
左側に見えるコンデンサー?、回転調整用つまみ?は後付されたものです。
駆動用モーター
ゴロの原因の一つはモーターの劣化。いろいろ工夫したようでしたが、結局、オリジナルモーターは諦め、新たに別のモーターを加えることになりました。
オリジナルモーターの軸に平行に新モーターを付け加え、ベルトで、オリジナルのモーター軸を回しているのです。
オリジナル性は極力残しながらも、改良を加えると言うのがエルタス流のようです。いろいろ試した結果、結局4年?の月日が必要だったのです。
それでも、完全にゴロ音がなくなってはいません。
現在のプレイヤーはモーターからの振動から逃れるための工夫を汲々としているのですが、
今から思うと、当時はかなりおおざっぱなことをしていたようです。
ボックス内部に貼り付けてあった銘紙
このプレイヤーの形式が分かりました。
レコード円盤台 形式 70-A て、訳せば良いのだろうか。
WE?製アーム&エルタス製モノカートリッジ
?を加えたのは元々、このアームは現在J型アームになっていますが、オリジナルはストレートアームだったのです。ステレオ再生を意識して、変更したようです。
インサイドフォースキャンセラーも何もない。当時、針圧は10g以上だった。今は8g位掛けているようです。これだけ掛ければインサイドフォースキャンセラーは入らないかもしれません。専用カートリッジなら、針圧調整もいらないかもしれません。
でも、針圧の調整は出来ます。どうするかと言うと、アームの上に丸い金属片が見えますが、これを前後に移動するのです。原始的と言えば原始的ですが、十分なのでしょう。
ゴロ音を拾いそう、アームの追従性は良くなさそう て不安に思うのは私だけではないでしょう。
それは杞憂に終わるのですが・・・・
余談ですが、レコードの音が悪くなった理由にはいくつかあるそうです。モノラルがステレオになったこと。アームがガッチリした角形から軽量アームになったこと。
SP
今まで、広い場所に置かれていましたが、限られた空間(とは言っても私から見れば贅沢な空間)に移ってきましたので、変更がありました。
12開口の巨大なマルチセルラーホーンから、10開口のマルチセルラーホーンに変わりました。
低音ボックスは一度、二回りほど小さなものに変えられましたが、やはり不満が生じ、元に戻したそうです。本来、両翼にバッフル板が付くはずなのですが、スペース上は流石に無理だったようです。
ツイターはホーンの上に載せられていました。理由を訊きましたところ、「音のスピードが速いから奥に」と言ってました。
ウーファー、中音ドライバー、ツイターの振動板の位置はほぼ揃っていると思います。(赤兵衛のWEシステム その後の画像 http://pub.ne.jp/kamekutobu/?entry_id=177289#more )と比べて下さい。
バッフルがなくなり、低域不足を心配しましたが、そんなことはありませんでした。コーナーに置かれているため、ホーン効果もあるのかもしれません。
さて、肝心の音の印象ですが 、言葉で説明することができません。
限られた時間の中、十分と言えませんが、ジャズ、ボーカルを中心に聴かせて頂きました。
今度お邪魔するときは、是非、夜、バーボンを携えて行きたいと考えてます。
親父、ご苦労さん!
SACDプレイヤー持参したみたいだけど、持ち出さなくて良かった。
少しは空気が読めるようになったようだ。
*再掲
埼玉県越谷市恩間新田402
℡ 090-2536-2986 藤原 健
愛好者の訪問を心待ちしています。
予約制なので、予め電話して下さい。
お代はお一人2,000円(コーヒー付き)
お出掛けの際には、是非、愛用のレコード、CDをご持参下さい。