超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

FDAが皮膚局所麻酔薬の危険性を警告

2009年02月08日 00時09分15秒 | Weblog
米国食品医薬品局(FDA)は消費者および医療従事者に対し、処方薬・市販(OTC)薬ともに皮膚に塗布する局所麻酔薬の不適切な使用により、生命にかかわるリスクが生じるとの警告を発した。

 該当する麻酔薬は、皮膚表面に近い神経末端の感覚を鈍らせる作用のあるリドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、プリロカインなどの麻酔成分を含有するもので、クリーム、軟膏およびゲル剤がある。不適切な方法で使用すると、薬剤が血流に取り込まれ、不整脈、痙攣(けいれん)、呼吸困難、昏睡さらには死亡などの反応を引き起こす可能性があるという。

 FDAによると、女性がマンモグラム(乳房X線像)検査で局所麻酔薬を使用する場合は、まず医師に相談する必要があるという。また、特に皮膚に炎症や損傷があるときは皮膚の広い範囲への使用を避け、薬剤を塗った部位を包帯で覆ったり、温めたりしないよう勧めている。皮膚の温度が上がると、血流に入る麻酔の量が増え、その作用が予測できないという。FDAは複数の「有害事象報告」のほか、レーザー脱毛の前に局所麻酔薬を使用した女性の死亡例2件の報告を受けているという。

 すでに2007年2月にも局所麻酔薬について公衆衛生警告を発しているFDAは、消費者に対し、痛みを緩和する成分を有効な範囲で最小限に抑えた局所麻酔薬の使用を勧めるとともに、医療従事者に対しては、可能であれば別の方法を検討するように勧告している。

テレビゲームがトラウマ体験のフラッシュバックを軽減

2009年02月08日 00時08分40秒 | Weblog
衝撃的な出来事の後に起こるフラッシュバックの予防に、テレビ(ビデオ)ゲームが役立つことが新しい研究で示され、オンライン科学誌「PLoS ONE」に1月7日掲載された。この知見が心的外傷後ストレス障害(PTSD)の独特の治療介入につながる可能性がある。

 英オックスフォード大学の予備研究によると、健康な被験者に衝撃的な場面を含む映像を見せた後に、テトリス(さまざまな形のカラフルなブロックを隙間なくはめ込んでいくゲーム)をしてもらった結果、ゲームをしなかった被験者に比べ、その後1週間に生じるフラッシュバックの回数が少ないことがわかったという。フラッシュバック(※編集部注=強い心的外傷[トラウマ]を受けた後に、その出来事を突然鮮明に思い出したり、夢に見たりする現象)はPTSDの重要な症状の一つ。現在、フラッシュバックに対する治療はPTSDの診断後のみ行われている。

 研究を率いた同大学のEmily Holmes氏は、フラッシュバックはPTSD患者のトラウマ体験の生の感覚像で、患者の記憶の中で過度に描写されており、これを減じる方法を探したと述べている。ただし、「今回の研究は純粋な科学実験であり、この結果が治療の可能性に結びつくのはまだ先のこと」だという。

 研究グループによると、トラウマ的体験の直後に「テトリス」のカラフルなブロックを認識して動かすというプロセスによって、脳内でゲームの映像とトラウマ的映像との競合が生じる可能性があるという。「テトリスは、感覚情報に使用される脳の容量を奪うことによって効果を発すると思われる。トラウマ体験後の一定の時間に感覚的記憶が定着するのを妨げ、後のフラッシュバックの回数を減らすのではないか」と同氏は説明している。

 一方で、その出来事が起きた(叙述的な)状況や、起こったことの意味については、ゲームをしてもそのまま記憶が残るという。「特定のタイプの記憶の定着に影響を与える6時間ほどの時間帯があることがわかっている」と、研究に参加したCatherine Deeprose氏は述べている。今回の研究では、体験を理解する能力を消すことなく、フラッシュバック的な記憶だけを減じることができることが示された。研究グループは今後、この知見をもとに、発症前にPTSDの症状を和らげる方法の開発を計画している。

チェックリストで外科手術後の合併症が減少、生存率が向上

2009年02月08日 00時08分10秒 | Weblog
手術室で簡単なチェックリストを用いることにより、外科手術による合併症が減少し、生存率が上がることが報告された。世界では年間2億3,000万件(米国内では6,000万件)もの大きな手術が実施されており、米国人は生涯に平均9回の外科的処置を受けていることからも、「外科手術の安全性はいまや大きな公衆衛生問題となっている」と、研究を率いた米ハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部准教授のAtul Gawande博士は述べている。

 Gawande氏らは、手術の安全性を高めるため、航空機のパイロットが離着陸時に用いるのと同様な、声に出して読み上げる1ページのチェックリストを開発した。このリストは、「タイムアウト(timeouts)」と呼ばれる時間帯(麻酔開始前、最初の切開の前、患者を手術室から搬出する前)に、手術室の全スタッフに患者の重要な情報を確実に伝えるように作られたもの。最初の切開の前に必ず抗生物質を投与すること、手術室の全スタッフが互いの名前を知っていること、予想される失血量や手術の所要時間についてチームが簡単な説明を受けていることなどを確認する項目がある。

 チェックリストの有効性を検証するため、Gawande氏らは患者7,688人(チェックリスト使用前3,733人、使用開始後3,955人)のデータを集めた。1年間の研究の結果、チェックリストの使用により、手術による主な合併症の発生率は11%から7%へと3分の1以上減少。さらに、死亡率は1.5%から0.8%へと40%以上減少することがわかったという。

 このチェックリストはシアトル、トロント(カナダ)、ロンドン(英国)、オークランド(ニュージーランド)、アンマン(ヨルダン)、ニューデリー(インド)、マニラ(フィリピン)およびイファカラ(タンザニア)で使用され、ほぼ同程度の死亡および合併症の減少が認められた。現在、米国ではワシントン、ノースカロライナ、南カリフォルニア、インディアナおよびニューヨークの5州の病院協会でこのリストが採用されており、英国、フィリピン、アイルランドおよびヨルダンでも全国的に採用される予定だという。

 手術部位の左右の間違いなどの手術ミスについて、メディケア(米国の高齢者医療保険)が払い戻しの対象外とするとの見解を示したことから、米国では外科手術に「タイムアウト」の導入が義務付けられたという。「当初は少し子どもじみているように思われたが、今では広く受け入れられるようになった。航空機のパイロットにもチェックリストがあるように、このリストが避けられるミスを減らすのに有用であることに疑問はない」と同氏は述べている。

フラミンガムスコアでは生涯にわたる心血管疾患リスクを予測できない

2009年02月08日 00時07分16秒 | Weblog
広く利用されているフラミンガムリスクスコアに基づいて10年間の心臓発作または脳卒中のリスクが低いと判定された50歳以下の集団であっても、その半数は生涯的なリスクは高い可能性があるという。フラミンガムスコアは、マサチューセッツ州フラミンガム地区で実施された数十年にわたる研究(フラミンガム心臓研究Framingham Heart Study)に基づくもので、年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、喫煙状況および降圧薬の使用という7つのファクター(因子)から、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントリスクを評価するもの。

 米医学誌「Circulation(循環器)」オンライン版に1月12日に掲載された今回の研究では、約4,000人の被験者(いずれも50歳以下)のうち90%が、フラミンガムスコアにより心血管疾患の10年リスクが低いと分類された。しかし、年齢以外の因子を慎重に検討した結果、10年間のリスクは低いとされた人でも生涯にわたるリスクについては、高い群と低い群に分かれることが判明した。

 研究を行った米テキサス大学サウスウエスタン・メディカルセンター(ダラス)助教授Jarrett D.Berry博士によると、コレステロール値や血圧などの古くから用いられる危険因子(リスクファクター)の差は、短期リスクではあまり違いがみられないが、長期リスクには極めて重要なものであったという。

 研究グループは次に、被験者の動脈の画像検査により評価の裏付けを行った。その結果、生涯リスクが高いと評価された群は、冠動脈のカルシウム蓄積量が多く、頸動脈の肥厚が有意に大きいことが判明。「生涯リスクの高い群はアテローム性動脈硬化症の重症度および進行度が高かった」とBerry氏は述べている。

 米医学誌「American Journal of Roentgenology(X線学)」1月号に掲載された研究では、米エール大学(コネチカット州)臨床助教授のKevin M.Johnson博士らが、フラミンガムスコアでは冠動脈性心疾患の既往のない集団の心血管リスクを正確に予測できないことを明らかにした。この研究では、プラークによる動脈閉塞の可能性をみるのに、血管のCT検査が用いられた。Johnson氏は、フラミンガムスコアの考え方に、CTスキャンなどによる新しいリスク評価法をどう組み込んでいくかが課題と指摘している。

 さらに別の研究では、フラミンガムスコアの基準に入らない85歳以上の集団について検討している。オランダ、ライデンLeiden大学メディカルセンターの研究グループによると、女性215人、男性87人を5年間追跡した結果、108人が死亡したが、フラミンガムスコアによる予測では偶然以上の的中率は認められなかったという。