さて、そのTaurus XLってどんなもんよ?と。
「Taurus XL」はオービタル・サイエンシーズ(Orbital Sciences)社が運用してい全段固体ロケット方式という非常に珍しい方式の固体ロケット。メインエンジンにはスペースシャトルの固体ロケットブースターの生産メーカーとなるATKランチ・システムズ・グループ(旧チオコール)が生産を行っているICBM「ピースキーパー」の1段目を使用。2~4段目は自社のPegasusロケット用の固体ロケットブースターを使用している。
ロケットは構成により4桁の識別名称が付けられており、今回失敗したものは「Taurus XL 3110」というもの。最初の3は第一段の推力を増加させたXL仕様。次の1はフェアリングサイズが63インチ、以後は3段目以降のモーターの種別を表わしている。
4段目の衛星フェアリング(画像下参照)はかなりの重量があるため、衛星フェアリングが切り離されると、衛星を積んだ4段目部分は自重が軽くなった分だけ加速が付き「ジャンプ」した状態となる。
しかし、今回の打上げでは衛星フェアリングの分離ができなかったため、4段目の衛星フェアリングはジャンプすることができず、重量過多の状態で弾道コースを描いて太平洋上に落下した模様だ。
この衛星フェアリングはカーボンファイバー製で、分離ボルト(Explosive Bolt)を使って左右が固定されており、地上から信号が送られると分離ボルトが爆発を起こすことで連結部分が分離し左右に外れる形となる。フェアリングの分離は、既に空気抵抗はほとんどない宇宙で実施されること、また、分離ボルトは機構的に単純で、信頼性は高いということもあり、信号が送られたのにも関わらず、爆発が起きなかったことは考え難く、状況から判断して、ロケット内での分離信号の処理に問題が発生したという可能性が高そうだ。
事故原因の調査は主に、打上げに際して地上に送られてきたテレメトリーデータを解析することで進められることになるが、衛星フェアリングの分離失敗という予想外の事故の発生に、宇宙先進国であるはずの米国の威信は大きく傷つくものとなっている。
日本で同種な事故が起きたとすれば、恐らく、墜落した衛星フェアリングの回収を試みることになるだろうが、今回、衛星フェアリングは南極に近い南太平洋上に落下した模様で、気象条件等から考えて、回収は難しそうだ。
宇宙空間も海底も、人類にとっては困難な環境である。
原因究明するなら、回収という行為は絶対的に必要だ。
気象条件等から考えてというか、技術的にもムリなのか?
「Taurus XL」はオービタル・サイエンシーズ(Orbital Sciences)社が運用してい全段固体ロケット方式という非常に珍しい方式の固体ロケット。メインエンジンにはスペースシャトルの固体ロケットブースターの生産メーカーとなるATKランチ・システムズ・グループ(旧チオコール)が生産を行っているICBM「ピースキーパー」の1段目を使用。2~4段目は自社のPegasusロケット用の固体ロケットブースターを使用している。
ロケットは構成により4桁の識別名称が付けられており、今回失敗したものは「Taurus XL 3110」というもの。最初の3は第一段の推力を増加させたXL仕様。次の1はフェアリングサイズが63インチ、以後は3段目以降のモーターの種別を表わしている。
4段目の衛星フェアリング(画像下参照)はかなりの重量があるため、衛星フェアリングが切り離されると、衛星を積んだ4段目部分は自重が軽くなった分だけ加速が付き「ジャンプ」した状態となる。
しかし、今回の打上げでは衛星フェアリングの分離ができなかったため、4段目の衛星フェアリングはジャンプすることができず、重量過多の状態で弾道コースを描いて太平洋上に落下した模様だ。
この衛星フェアリングはカーボンファイバー製で、分離ボルト(Explosive Bolt)を使って左右が固定されており、地上から信号が送られると分離ボルトが爆発を起こすことで連結部分が分離し左右に外れる形となる。フェアリングの分離は、既に空気抵抗はほとんどない宇宙で実施されること、また、分離ボルトは機構的に単純で、信頼性は高いということもあり、信号が送られたのにも関わらず、爆発が起きなかったことは考え難く、状況から判断して、ロケット内での分離信号の処理に問題が発生したという可能性が高そうだ。
事故原因の調査は主に、打上げに際して地上に送られてきたテレメトリーデータを解析することで進められることになるが、衛星フェアリングの分離失敗という予想外の事故の発生に、宇宙先進国であるはずの米国の威信は大きく傷つくものとなっている。
日本で同種な事故が起きたとすれば、恐らく、墜落した衛星フェアリングの回収を試みることになるだろうが、今回、衛星フェアリングは南極に近い南太平洋上に落下した模様で、気象条件等から考えて、回収は難しそうだ。
宇宙空間も海底も、人類にとっては困難な環境である。
原因究明するなら、回収という行為は絶対的に必要だ。
気象条件等から考えてというか、技術的にもムリなのか?