今日、鹿児島県出水市内の養鶏場で今季5例目の鳥インフルエンザによる感染が確認されたという。
ツルの越冬地として「ラムサール条約」にも登録された鹿児島県出水市の荒崎湿地帯(干拓地に生まれた広大な冬の水田地域)には、毎年10月中旬以降さみだれ式にシベリアからのツル(主にナベヅル)が飛来する。
その数はもう何年も1万羽を超え、ナベヅルでは世界の生息数の8割以上が冬の間、この出水市荒崎にやって来て3月の春一番の吹く頃にシベリアに帰って行く。
種の絶滅を危惧する観点から、ナベヅルの越冬地を分散しようという取り組みがあり、山口県の周南町などでも越冬させようとしているが思ったほどの成果は上げられていない。
だが、最大の越冬地である荒崎では別の危惧がある。それは飛来するナベヅルやマナヅルがもたらす「鳥インフルエンザ」だ。
今年は例年になく主としてナベヅルへの感染が多く、11月の始めの頃にすでに何羽かのナベヅルが死んだが、鳥インフルエンザにかかっていたという。
その危惧すべき状況が現実のものとなって現れたのが11月半ばに、ある養鶏場(採卵養鶏)のニワトリが死んだり弱ったりしているのが見つかったことで、病原の遺伝子検査の結果、鳥インフルエンザによる死亡と確認され、直ちにその養鶏場の採卵鶏はすべて「殺処分」となった。
その後も感染が止まず、最初の養鶏場から3キロ圏内で、今日で実に5例目となった。
これら5軒の養鶏場で殺処分されたニワトリの数は合計で70万羽に達したており、おそらく採卵養鶏では県下でも最大規模の出水市全体で、約4分の1に相当するというから驚く。近年稀にみる被害である。
鳥インフルエンザに感染して死んだナベヅルも例年なら、100羽程度だが、今年は1000羽に迫る勢いだそうで、新型コロナ感染防止に出されたような「緊急事態宣言」が必要な事態だろう。
養鶏場の場合たった10羽の感染で数万羽がすべて処分されるのだが、荒崎のツルにそれを適用するわけにはいかない。それでなくても保護の対象だからだ。
ツルにはカモ類から感染するという説が強いが、そうであってもカモだけを規制したり、処分するということも不可能だ。カモトリ権兵衛が何人いても足りないに違いない。
廃鶏にした養鶏業者への保障はなされるのだろうが、頭の痛いことである。
出水のツル観察(展望)所が装いを新たにしたと聞くが、案内する方も訪れる方も養鶏業者の苦衷を察しながら観察をしなければなるまい。
ツルの越冬地として「ラムサール条約」にも登録された鹿児島県出水市の荒崎湿地帯(干拓地に生まれた広大な冬の水田地域)には、毎年10月中旬以降さみだれ式にシベリアからのツル(主にナベヅル)が飛来する。
その数はもう何年も1万羽を超え、ナベヅルでは世界の生息数の8割以上が冬の間、この出水市荒崎にやって来て3月の春一番の吹く頃にシベリアに帰って行く。
種の絶滅を危惧する観点から、ナベヅルの越冬地を分散しようという取り組みがあり、山口県の周南町などでも越冬させようとしているが思ったほどの成果は上げられていない。
だが、最大の越冬地である荒崎では別の危惧がある。それは飛来するナベヅルやマナヅルがもたらす「鳥インフルエンザ」だ。
今年は例年になく主としてナベヅルへの感染が多く、11月の始めの頃にすでに何羽かのナベヅルが死んだが、鳥インフルエンザにかかっていたという。
その危惧すべき状況が現実のものとなって現れたのが11月半ばに、ある養鶏場(採卵養鶏)のニワトリが死んだり弱ったりしているのが見つかったことで、病原の遺伝子検査の結果、鳥インフルエンザによる死亡と確認され、直ちにその養鶏場の採卵鶏はすべて「殺処分」となった。
その後も感染が止まず、最初の養鶏場から3キロ圏内で、今日で実に5例目となった。
これら5軒の養鶏場で殺処分されたニワトリの数は合計で70万羽に達したており、おそらく採卵養鶏では県下でも最大規模の出水市全体で、約4分の1に相当するというから驚く。近年稀にみる被害である。
鳥インフルエンザに感染して死んだナベヅルも例年なら、100羽程度だが、今年は1000羽に迫る勢いだそうで、新型コロナ感染防止に出されたような「緊急事態宣言」が必要な事態だろう。
養鶏場の場合たった10羽の感染で数万羽がすべて処分されるのだが、荒崎のツルにそれを適用するわけにはいかない。それでなくても保護の対象だからだ。
ツルにはカモ類から感染するという説が強いが、そうであってもカモだけを規制したり、処分するということも不可能だ。カモトリ権兵衛が何人いても足りないに違いない。
廃鶏にした養鶏業者への保障はなされるのだろうが、頭の痛いことである。
出水のツル観察(展望)所が装いを新たにしたと聞くが、案内する方も訪れる方も養鶏業者の苦衷を察しながら観察をしなければなるまい。