4月1日の「エイプリルフール」に因んで、このブログで「プーチン暗殺される」というタイトルで書いたのだが、同じ頃、ロシア国内の旧都サンクトペテルブルグで本当に暗殺事件が発生した。
暗殺されたのはプーチン大統領ではないが、プーチンのウクライナ侵攻を支持するブログを発信していた著名なブロガーが、とあるカフェにおいて26歳の女性が置いて行ったという胸像に仕掛けられていた爆発物が爆発し、数十人のけが人が出たが、そのブロガーは即死したというのだ。
明らかに某ブロガーを狙った暗殺だが、ロシア当局は単なる殺害事件ではなく下手人の女性を「テロ行為」容疑に切り替えて捜査しているらしい。「テロ」となると政府及び政府要人を狙った政治的事案になり、その背景を暴くべく国家の総力を挙げての探索が可能になる。
この女性は単なる爆発物の「運び屋」だったとも言われているが、そうなると明らかに背景には黒幕が存在し、それが誰なのかあるいは組織なのかが焦点になる。
ロシア当局はまずはウクライナ筋を言挙げしている。当然そう来るだろうとは誰しもが思うことだ。
もちろんウクライナはそれを否定した。これも当然だろう。ウクライナに対する侵攻に直接関わったわけではない民間人を暗殺する必要は全くない。
もしウクライナが暗殺を仕掛けるとしたら、狙うのはプーチンか国防省長官のショイグだろう。「侵攻の首謀者」だからだ。
ウクライナではないとするとロシア国内の反プーチン派、つまりロシアの反体制派(人権派)の可能性が取り沙汰される。その代表が一時国外に出た折に毒殺を仕掛けられたナワリヌイという人である。
しかしやはり、一民間人を標的にするだろうか――というと首を傾げざるを得ない。
その一方で、実はロシア政府そのものが裏で糸を引いたという説も出ている。
というのはこの事件があったカフェはロシアの軍事会社ワグネルの指揮者プリゴジンの経営する店だったことと、最近のロシアの軍事状況が劣勢であることにやきもきしたプリゴジンや殺害されたブロガーが、ロシア当局に対して非常に批判的になって来ていたことが指摘されているのだ。
ロシア政府としては軍事作戦や遂行に対して余りにもうるさい奴らは排除したい。そこで何も知らない若き女性を使って・・・、というわけだが、真相やいかに。
ロシア国内はきな臭くなって来た。プーチンもそろそろ自分の身の安全を第一に考えなければならなくなるだろう。
(追 記)
4月6日付の朝刊に、ブロガー暗殺事件について「国民共和軍を名乗る反プーチン政権を掲げるパルチザン団体が、4月4日に通信アプリで犯行声明を発表した」と書かれている。
プーチンの起こしたウクライナ侵攻を強く支持していたブロガーは、確かにプーチン政権派であるから、反プーチン派の殺害の対象になっておかしくない。したがってこの犯行声明はかなり信ぴょう性が高いと言える。
また「外国の情報機関等の組織の支援は受けていない」とも言及している。
ただこの犯行声明では、爆発物を仕掛けられた胸像をカフェに持参した実行犯と思しき若い女性については「左派やフェミニズム運動の有名人だ」と指摘しながら、実行犯として利用しただけで彼女に罪はないとまでは言っていないのがいささか腑に落ちない点だ。
いずれにしても、ロシア国内でロシア人同士が反目し合う血生臭い状況が迫ってきたことを象徴する事件であることは間違いないだろう。
暗殺されたのはプーチン大統領ではないが、プーチンのウクライナ侵攻を支持するブログを発信していた著名なブロガーが、とあるカフェにおいて26歳の女性が置いて行ったという胸像に仕掛けられていた爆発物が爆発し、数十人のけが人が出たが、そのブロガーは即死したというのだ。
明らかに某ブロガーを狙った暗殺だが、ロシア当局は単なる殺害事件ではなく下手人の女性を「テロ行為」容疑に切り替えて捜査しているらしい。「テロ」となると政府及び政府要人を狙った政治的事案になり、その背景を暴くべく国家の総力を挙げての探索が可能になる。
この女性は単なる爆発物の「運び屋」だったとも言われているが、そうなると明らかに背景には黒幕が存在し、それが誰なのかあるいは組織なのかが焦点になる。
ロシア当局はまずはウクライナ筋を言挙げしている。当然そう来るだろうとは誰しもが思うことだ。
もちろんウクライナはそれを否定した。これも当然だろう。ウクライナに対する侵攻に直接関わったわけではない民間人を暗殺する必要は全くない。
もしウクライナが暗殺を仕掛けるとしたら、狙うのはプーチンか国防省長官のショイグだろう。「侵攻の首謀者」だからだ。
ウクライナではないとするとロシア国内の反プーチン派、つまりロシアの反体制派(人権派)の可能性が取り沙汰される。その代表が一時国外に出た折に毒殺を仕掛けられたナワリヌイという人である。
しかしやはり、一民間人を標的にするだろうか――というと首を傾げざるを得ない。
その一方で、実はロシア政府そのものが裏で糸を引いたという説も出ている。
というのはこの事件があったカフェはロシアの軍事会社ワグネルの指揮者プリゴジンの経営する店だったことと、最近のロシアの軍事状況が劣勢であることにやきもきしたプリゴジンや殺害されたブロガーが、ロシア当局に対して非常に批判的になって来ていたことが指摘されているのだ。
ロシア政府としては軍事作戦や遂行に対して余りにもうるさい奴らは排除したい。そこで何も知らない若き女性を使って・・・、というわけだが、真相やいかに。
ロシア国内はきな臭くなって来た。プーチンもそろそろ自分の身の安全を第一に考えなければならなくなるだろう。
(追 記)
4月6日付の朝刊に、ブロガー暗殺事件について「国民共和軍を名乗る反プーチン政権を掲げるパルチザン団体が、4月4日に通信アプリで犯行声明を発表した」と書かれている。
プーチンの起こしたウクライナ侵攻を強く支持していたブロガーは、確かにプーチン政権派であるから、反プーチン派の殺害の対象になっておかしくない。したがってこの犯行声明はかなり信ぴょう性が高いと言える。
また「外国の情報機関等の組織の支援は受けていない」とも言及している。
ただこの犯行声明では、爆発物を仕掛けられた胸像をカフェに持参した実行犯と思しき若い女性については「左派やフェミニズム運動の有名人だ」と指摘しながら、実行犯として利用しただけで彼女に罪はないとまでは言っていないのがいささか腑に落ちない点だ。
いずれにしても、ロシア国内でロシア人同士が反目し合う血生臭い状況が迫ってきたことを象徴する事件であることは間違いないだろう。