鴨着く島

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今こそ大阪都実現を!

2023-04-18 20:54:39 | 日本の時事風景
大阪発の地域政党日本維新の会が支持する知事と首長が議席を伸ばした。

統一地方選挙の前半戦が終わり、近畿では大阪府知事、大阪市長に加えて奈良県知事にも維新の会の推薦者が当選したのだ。

保守系の強かった奈良が維新の会の基盤になる一歩を印したことになり、この動きは注目に値する。

その一方で自民党政府は維新の会が強く主張して来た統合型リゾート施設(IR)の整備計画を正式に容認した。

もっと早くに認定できたのに政府の容認がこの時期にずれたのは、統一地方選前に認定すると、維新の会の票を伸ばしてしまうので遅らせたとも言われている。

もっともらしい選挙対策と言えるが、認定発表を先延ばしにしたことによっても選挙結果は維新の会の候補者の圧勝で、維新の会の支持層は盤石だったことを証明した。

IR構想はもともとは安倍政権によるインバウンド対応の観光立国の目玉で、訪日客の中でも富裕層の集客を目指したもので、国内数か所の候補地を募集したところ大阪が大阪府と大阪市合同で名乗りを上げていた。

大阪では2025年に控えた万博があり、さらにその5年後の2030年頃と考えられているIR開業が加わったことになる。

カジノを中心に据えたIRに対して世間の評価は割れている。事実、今度の大坂知事選・市長選における出口調査では賛成52%に対して反対は45%と拮抗している。

やはりカジノというギャンブル性の高い娯楽への依存症かれこれを心配する人々が多いのだろう。

たまさか訪れる観光客の戯れというレベルなのか、もっとハードルの低い国民的な娯楽になるのか、これから論議が始まるわけだが、IR建設の主体がアメリカのしかるべき事業体というのがやや引っ掛かる点だ。

ユニバーサルスタジオジャパンや東京ディズニ―シーのギャンブル版というわけだが、アメリカ様好きの日本人には違和感がないのかもしれない。

ところで私は大阪維新の会が今度の選挙でさらに支持を伸ばしたことで、もう一度「大阪都構想」について府民・市民の声を聴きたいと考えている。

大阪都構想は大阪府と大阪市の二重行政をやめること、例えば同じ地域内に府立大学と市立大学があるが、府立と市立を合併して単一の大学にして税金の無駄遣いを解消し、もっと市民本位の暮らしに税金を使って行こうという考えである(その他、府と市で同じような施設が数多くある)。

府と市が合併することによって大阪都が生まれると、それだけではなく実はもっと大きな動きが喚起されると思うのだ。それは東京一極集中を少しでも解消する方向性、つまり「分都」の大きな受け皿になる可能性が見えることである。

つい先日、国の行政機関としては初めての省庁丸ごと移転が行われた。文化庁が京都に移転したのである。所属する職員は600人程度と大きな機関ではないが、京都はかつて日本文化の淵源地であり、期待が持てる移転である。

大阪都には経済産業省や中小企業庁など経済関連の省庁が似合う。

大阪維新の会はこれまでに二回、大阪都構想の是非を大阪市民に問うたが、どちらも僅差で否決されている。しかし今度こそは「三度目の正直」、大阪都構想をもう一度市民に投げかけて欲しいものだ。