昨日は久し振りの晴天…、でも気温は低かったので手足が冷たい!朝から近くにある〝梶返天満宮〟の注連縄作りを、仲間と見に行ったんですが、それはここでは置いておいて、一昨日の今年最後の「きらら俳句教室」のことを先に書きましょう。
今年度は9月がコロナ禍のために中止になりましたので、今回が第8回目。いつもは第3土曜日が、12月だけは教室が他の行事とダブって、第1土曜日に変更になったんです。そのため来られない方がいらっしゃって、出席は11名。おまけに司会担当のレンジャーIさんも用があって欠席だと。それで急遽レンジャーのWさんがピンチヒッターです。
いつも通り9時30分から30分ほど俳句の話…今回は陽暦と陰暦のことなどを。特に新年の季語は昔の風習などから季語になっているものが多いので、こんがらがって迷う人が結構いますものね。
10時から外へ出て吟行。先月から2週間しか経っていませんので、余り変ったものは…ああ、パンダ鴨といわれている〝ミコアイサ〟が来ているということでしたが…?遠すぎて分りませんでした。他には…珍しい言葉を教えて貰いました。「食痕」(しょくこん)と言うんだそうですが、鳥が猛禽に食べられその羽が散らばって残っている様子。これはカモメの羽で、食べたのはハヤブサかなんかだろうと。ホント、羽以外のものはみんな食べたんですね。何も残っていませんでした。自然の営みでは仕方の無いことだと分っていても、そういうのを実際に見るのはイヤです。時々「野生の王国」などで、ライオンなどが大きなシカなどを追いかけて食べるところなど…見たくない!そんな時はすぐにチャンネルを替えるんですよ。
もう一つ、滅多にお目にかかれない鳥が…〝ヤツガシラ〟です。芋の〝八頭〟は秋の季語ですが、鳥のヤツガシラは季語になっていません。結構大きな鳥で約26㎝、日本へは迷鳥として稀に見られます。最近は長野県などで繁殖もしているとか。このきらら浜へは前日から来ているそうです。近づくとすぐに飛び立ちますので…写真はスマホでは無理!実は私は随分前に北海道でこのヤツガシラに出会い堪能しましたのでビックリはしませんでしたが…。初めて見ると感動しますよ。まさに奇遇、ラッキー!写真は野鳥図鑑よりお借りしました。下の文章はきらら浜〝観察速報〟より。
昨日の雨がまた寒気を連れてきました。今日は風が冷たくて寒かったですね。そんな折、ビッグニュースが。昨日、園内でヤツガシラを撮影した来館者がおり、その時は飛んだということだったので、すぐにいなくなったのかと思っていたのですが、今日も確認されました。しかも一日中です。
ヤツガシラは主に日本海沿いや日本海の離島を通過し、瀬戸内側で確認されることはほとんどありません。ということでヤツガシラというだけで超珍しいのに、この時期となると、超がいくつ付くでしょうか。20m四方もないような狭い芝生の部分にいたことも驚きです。そんな狭い場所でもかなり気に入ったのでしょう。飛んでもすぐに戻ってきて、せっせと地面から餌の昆虫?をほじくり出していました。さていつまでいるでしょうか。ちなみに園内では2006年4月以来、15年8か月ぶり2回目です。(2021.12.4)
数日前から淡水池にミコアイサが飛来していて、これでレギュラー組のカモは揃いました。飛来数が少なかったり、飛来頻度が低かったりする種はいますが、とりあえず例年通りです。残すはツクシガモのみ。飛来するなら来月以降でしょう。
淡水池のミコアイサは、これまでメスタイプのみでしたが、今日は明らかなオスが1羽交じっていました。…(中略)…過去の記録13羽を更新するでしょうか。(2021.11.25)
これ何だと思いますか?木の実がたくさん…鳥の糞なら大き過ぎる!猿かしら?親指ぐらいの太さでした。レンジャーのWさんに聞くと、カラスが食べ過ぎて吐き出したものだろうと。ヘエッ!猫は草など食べてよく吐きますけど、鳥もそうなんですかね。知らなかった。
こういう天気のよい日には湖のあちらこちらにたくさんの鴨たちが気持ちよさそうに…こういう水に浮いたまま眠るのを〝浮寝鳥〟(うきねどり)といって、冬の季語なんですよ。水に浮かんでいるだけなら〝水鳥〟でいいでしょう。真鴨や小鴨などの個体名でも鳰(かいつぶり)でも冬の季語ですが、よく見かけるのに大鷭(ばん)がいます。これは夏ですので要注意。鷺も鷺だけでは季語になりませんが、〝白鷺〟〝青鷺〟になると夏の季語です。だから鳥を詠むときは必ず歳時記で確かめて用いましょう。実際そこに居るからでは季語にならない場合や季節が違う場合なども多々ありますからね。
最後の2枚は〝ハマヒサカキ〟の花と実。この実は昨年の実で、花と実が同時に見られる珍しい植物なんです。下のはレンジャーWさんの〝観察速報〟より。
こういう風の強い日には、現在開花中の花の香りが漂ってきます。この時期に咲く花は少なく、グミ(ナワシログミとマルバグミ)とハマヒサカキくらいですが、どれも香りが非常に強く、しかも個性的です。その香りは、グミ類が甘く、ハマヒサカキがガスのような、一般的には「臭い」と感じられ、正反対なのがおもしろいところ。強烈な個性ゆえ、どちらも苦手だと感じる方もいるかもしれません。ただ昆虫には大人気で、常にアブやハエ、ハチが訪れています。強烈な香りは彼らを引き寄せるために不可欠なのでしょう。人間には少々刺激が強いこの香り、初冬ならではの香りとして楽しんでみてください。(2021.12.1)
さて、11時から句会…今日の最高点句は〈冬晴や遠き山並冴えるなり〉でした。ここで、ちょっとおさらい!作句の基本的なポイントの一つは…と聞くと、〝必要のない限り季重ねをしない〟と。そう、みんな分っているんです。ところがやはり初心者、知ってる季語が少ないので知らずに季重ねをしてしまうんですね。
ハイ、この句もそう…。〈冴えるなり〉の〈冴ゆ〉が冬の季語、〝寒さが極まって透明感あるいは澄明感が醸し出された状態〟をいうんです。確かにこの日は寒かったし、晴れていて遠くの山が綺麗に見えていましたけどね。しかし、〈冬晴〉の季語だけで山並みがくっきり見えるのは十分に伝わります。「冴ゆ」というのは、この日よりももっと気温が低く身を切られるような寒さ、それでいてキレイに晴れ渡っているときに使うものなんです。ここは下五を何か山並みの具体的な描写に替えましょう。
というわけで、今年最後のきらら俳句教室も無事12時過ぎに終りました。ご苦労様でした!
いつもは午後から宇部馬酔木の句会があり忙しいのですが、今回はありませんので、のんびりと道の駅〝きららあじす〟で買物などをして帰りました。
重ねてのコメント…お返事が遅くなってゴメンなさいね。
<折る鶴の色の冴えたり霜の朝>…
この句は冴えが季語として使ってないし、霜があるからその分季重ね感は弱いです。しかし、霜の朝を除けても、ひしひしとした冷たさが伝わってくるでしょう。だからこれを季語にして、何か状況を伝えた方がいいということ。例えば〈見舞明日〉などしたら、病気のための千羽鶴かなと…また後少しと夜頑張って折っている姿も見えてきませんか?
水鳥…そちらでは見かけない?そんなことは無いと思いますが。
池や沼、湖、川などにも冬は水鳥の季節でしょう。白鳥などは限られますがカモ類はいろいろで…鳰も鴛鴦も水鳥ですよ。
白鷺や青鷺などは繁殖期が季語になっていますので夏。青鷺は留鳥で年中見ますが、白鷺は、大鷺、中鷺が夏鳥で小鷺が留鳥です。冬にも白鷺を見かけるでしょうが、それは殆ど小鷺です。だから鷺を詠むときは〈鷺〉だけで使えば季語になりませんので、穭田OKですよ。
<水鳥のかうべあつまる無口かな>…
なぜ無口?浮寝なら当然。水鳥が何をしているのかが分らないと…。一度近くを探して見てきましょう。〝百聞は一見に如かず〟ですよ。
久女の感想…いろいろありますが、まあ書き出すと長くなりますので…ただ一言、ウンが悪かった!
<久女忌や令和はどんな眺めかと>…
この句いいですね。久女忌は1月21日ですね。お墓に行ってみたら…。近くではないですか?それぐらい情熱があれば俳句の神さまが知恵を授けてくれますよ。アハハ…(^0^)
<秋麗や久女汀女の水竿発つ>…
本を読んでない人には、これさっぱりワカラン!読んでいても…覚えていませんもの。
水竿は〈水棹〉のこと?竿は竹竿のことで、棹は櫂とか棹さすの意味を持ちますよ。これは独り善がりですね。
ガンバレ!、信州人!(^^)!
お返事遅くなってゴメンなさい!
図鑑でしか見たことのない鳥を実際目にすると…ワオ~ですよ、感動、感動!知らない人はフウ~ンでしょうが…
「新しき西施の像や波の花」…
さすが日本海側の人ですね。
こちらの人たちは、「波の花」が分っていませんから季語と思わないんですよ。せいぜい白い波頭程度を想像して…
芭蕉の象潟や西施は知っていますが、行ったことがないので…海の傍だったんですか?勘違いしていました。潟があるからそう思えばいいのに…何となく嘗ては海だったところというように思い込んでいたんですね。(^0^)
この句はみたまま「真つ白き西施の像や」とした方がいいと思います。新しきでは説明だけで像が見えてきませんもの。そうすると「波の花」も白いのでボケますよね。だとすると「冬怒濤」ぐらいで、日本海の荒々しさを出した方がいいかも。
西施の像で象潟を連想するでしょうし、「波の花」に焦点を当てずに大きな海原を背景にした方が、それも荒れ狂う…とすると西施の波乱の人生も想像されると…まあ、こんな具合ですね。
またつぶやいてね。待ってま~す!
<秋麗や久女汀女の水竿発つ>
ちと酔って混乱、まことにすみません。
今回も勉強になるお話でした。
〈冴ゆ〉、単独で冬の季語とは・・・ショックでした。
というのも新聞に投稿した句が
<折る鶴の色の冴えたり霜の朝>
色が鮮やかである、という意味で使ったのですが、これは瞬ボツです。
また頑張ります。
水鳥、あまり見かけないのですが、いや、見ようという気がなければ=見かけないですね。
〝白鷺〟が”穭田”を歩いているのを読もうとおもったら、あれ、夏の季語とは。
穭田は晩秋でした。
水鳥、鴨ですが自分の印象だと、地味に浮いてる鳥です。
<水鳥のかうべあつまる無口かな>
花衣、読了しております、報告、遅れました。
戦前の女流俳人、久女は優れた瑞々しい感性を持ちながら、晩年が意外でした。
御主人、もっと協力してやれよとまずは平凡な感想。
虚子との関係、男社会からの誹謗中傷、家庭と作句の両立は涙ぐましいものがありました。
今こそ生きて読んで欲しかったなあ。
<久女忌や令和はどんな眺めかと>
一番好きなシーン、中村汀女との舟遊びです。
開放された気持ちが伝わってきて、その場にいたような文章でした。
<秋麗や汀女かな女の水竿発つ>
酔ってまいりましたので・・・平日は多少酔わないと句は読めないのです。
ヤツガシラ・縞模様がきれいですね。珍しいです。
目立つので、猛禽類にねらわれそうですが。
<冬晴や遠き山並冴えるなり>
景観が目に浮かぶ きれいな句と思いました。
そうですか。季重なりなんですね。
きょうのつぶやき
「新しき西施の像や波の花」
岩場には、波の花が少し残ってました。
象潟道の駅で昼食を取り。時間があったので海辺を探索
真っ白い西施(せいし)像が佇んでました。
松尾芭蕉が詠んだ
<象潟や雨に西施が合歓の花> 元々、西施像は、象潟の干満寺にあります。
ご存知でしょうが、西施は、中国の楊貴妃など4大美人の一人だそうです。