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黄帝内経素問 擧痛論篇 第三十九 第三節 語句の意味

2014-06-19 07:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 擧痛論篇 第三十九

第三節

 帝曰。所謂言而可知者也。視而可見柰何。

 岐伯曰。五藏六府、固盡有部。視其五色、黄赤爲熱、白爲寒、青黒爲痛。此所謂視而可見者也。

 帝曰。捫而可得柰何。

 岐伯曰。視其主病之脈。堅而血、及陷下者、皆可捫而得也。

 

語句の意味

四診=ししん。漢方の診察法で、望診・聞診・問診・接(切)診の総称。新・東洋医学辞書13

四診=ししん。漢方の四つの診察法で、望・聞・問・切診の総称。望はすなわち視診である。聞は聞診で、患者の声を聞いたり、喘鳴をきいたりする他に、体臭、口臭、その他排便物の臭気をかぐことも聞診である。問診は患者の訴えをきくことである。切診は医師が手を患者に接触して診察する方法で、脈をみたり、腹診をしたり、経絡や経穴を探ったりすることである。

 

言而可知者也

言いて知るべきなり

言うことを聞いて知る、つまり問診して。

問診⇒問。

問=もん。問診のこと。四診の一つである。病人が主として病状を訴えるのと同時に、病人あるいはその付き添い人に対して、患者の病んでいる部所・発病の時間・原因・経過・既応治療・既応症・生活習慣・飲食嗜好、及びその人の思想・家庭・生活・経験など疾病と関係のある情況について目的をもって聞きだすことであり、病状と病歴を全面的に理解するのに重要な方法である。そのうちでも十問が重要となる。⇒十問(じゅうもん)。<素問三部九候論>「必ずその病の始る所と今のまさに病む所とを審らかにし、しかる後にその脈に従って切すべし。」<疏五過論>「凡そ病を診せんと欲する者は、必ず飲食居処を問うべし。」<景岳全書>「一に寒熱を問い、二に汗を問い、三に頭身を問い、四に便を問い、五に飲食と問い、六に胸を問い、七に聾を問い、八に渇を問いて、ともにまさに弁ずべし。九に旧病を問い、十に因を問う。」

問診=四診の1つで、証判定に必要な情報を聞き出す診察法。新・東洋医学辞書13

 

視而可見柰何

視て見るべきはいかにするや

視て知る、つまり望診して

望診=四診の1つで視覚による診察法。新・東洋医学辞書13

望診=ぼうしん。四診の一つ。視診ともいう。病人の神色(顔面や体表にあらわれる精気・真色)・動態・体表各部・舌質舌苔・大小便やその他の分泌物などを観察して、疾病の弁証資料を得る方法で、一般には神色と舌診、小児においては指紋(示指の手のひら面、母指側に出る絡脈。小児は脈がとりにくいので指紋を判断の補助とする)を最も重視する。

 

固=コ。カタめる。かたくする。かたく守る。警備する。固守。たしかにする。カタまる。かたくなる。カタい。じょうぶ。しっかりしている。地勢がけわしく、要害である。がんこ。カタく。きっと。必ず。カタめ。要害。防備。守備。〔日〕約束・ちかい。カタまり。かたまること。かたまったもの。モトより。もちろん。かねてから。つねづね。もともと。元来。つねに。

 

部=部=ブ。ホ。区分したもの。部分。部わけ。同じ書物の一そろい。役所・会社・の事務分担の一組。今の省にあたるシナの役所、吏・戸・礼・兵・刑・工の六(リク)部。漢籍の四大分類である経・史・子・集の一。軍隊の一組。分ける。分かれる。すべる。統轄する。支配。

 

五色=青・赤・黄・白・黒の5色。新・東洋医学辞書13

五色=ごしょく。青・黄・赤・白・黒の五種類の顔色をさす。五行学説によれば、これらは次のように帰納される。青は木に属し肝に属す。黄は土に属し脾に属す。赤は火に属し心に属す。白は金に属し肺に属す。黒は水に属し腎に属する。<素問脈要精微論>「それ精明の五色は気の華なり。」<素問脈要精微論>「五色の精微象を見わすはその寿久しからざる也。」

五色主病=ごしょくはやまいをつかさどる。青・赤・黄・白・黒の五種の病色の主るところの病証をいう。1)五臓は五色に配当される。すなわち、青色は肝病を主り、赤色は心病を主り、黄色は脾病を主り、白色は肺病を主り、黒色は腎病を主る。これらはいずれも一般的な情況での病色であり、総称して五色主病という。2)五色によって疾病の性質をわける。すなわち、青色は風・寒・痛・驚などを主る。赤色は熱(虚熱と実熱を含む)を主る。黄色は湿を主る。白色は血虚、寒を主る。黒色は痛・労傷・血瘀などを主る。

 

 

視其主病之脈

其の病を主るの脈を視る

切=せつ。

①切脈の簡称。すなわち、脈を按ずること。<素問三部九候論>「切して之に従う。」

②おさえること。<素問調経論>「必ず切して出づ。」<素問骨空論>「欠盆骨上を切して堅痛すること筋の如き者は之に灸す。」

③劇烈なさま。<霊枢邪気蔵府病形>「腸中切痛す。」

④急速なるさま。<医方集解>「まさに」大いに気血を升浮し、切に命門の下脱を補うなり。

⑤切片にきざむこと。<傷寒論太陽病下>「附子瀉心湯方・・・右四味、三味を切り・・・。」

切診=四診の1つ、病人のからだ(脈、腹など)に触れて行う診断法、接診ともいう。新・東洋医学辞書13

切診=せっしん。四診の一つ。脈診と触診とに分けられるが、いずれも指先の触覚で病人の一定の部位を触れたり押さえたりする検査の方法である。脈診は病人の腕関節の橈骨動脈の搏動する所にとる。触診は病人の皮膚・胸・腹・病痛のある部位に触れたり、押さえたりして局部の冷熱・軟便・圧痛、また塊があるかどうか、そしてその他の異常を測り知ることである。

 

堅=堅勁な脈象。鍼灸医学大系五蔵生成篇第十 p1129

堅=かたく締まって充実していることである。稲は春生夏長秋収冬藏の四時の気を得、天地陰陽の和によって出来た穀物であるから、其の実は完全なものであり、その薪は堅実なものであるとの意であろう。鍼灸医学大系湯液醪醴篇第十四 p1221

堅=来る脈が堅実である。鍼灸医学大系平人気象論篇第十八 p1559

堅=堅は固くしこっている所。鍼灸医学体系擧痛論第三十九 p2932

堅=けん。硬いこと。<金匱五蔵風寒積聚病>「中焦に熱ある者は則ち堅を為す。」

 

陥下=正気の虚の状態の脈状。<素問挙痛論>「其の病を主るの脈を視る。堅にして血あり、及び陷下なる者は、皆捫でて得べきなり。」

 

漢方用語大辞典、鍼灸医学体系、新・東洋医学辞書13、明解漢和辞典

 

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