TVホスピタル 黒木華(くろき はる)さんの表紙 より
異常な細胞をアポトーシスさせる
CPL
環状重合乳酸
2-4
多くの研究機関が注目し研究が進められているCPL
近年、がん学会や米国の医学誌などで注目を集めている健康成分があります。
がん細胞をアポトーシス(自然な細胞死)させる環状重合乳酸(CPL:Cyclic poly lactate)という名称の乳酸です。
乳酸ときくと、運動を行った時などに、体内に蓄積される疲労物質というイメージがあるかと思います。
一般の乳酸は新陳代謝などにより体内で作られる物質で、乳酸の分子は通常鎖状に一直線に繋がっています。
一方、注目のCPLはその名の通り分子の端と端が環状、または螺旋状に結合することによって活性化した全く別の構造をしたものを指します。
このCPLはヒトの身体の中に微量に合成されており、必要に応じて体内で生成され、健康な生命活動に欠かせない重要な機能性を持つ物質です。
CPLが注目されるようになったのは、大学研究室でのがん細胞の培養実験が発端でした。
1982年、ヒト子宮がん由来Hela細胞を高密度培養した培養液が、同種または異種の培養がん細胞の増殖を著しく抑制し、細胞を死に至らしめる効果を示したのです。*1
研究班はこの培地にがん細胞の増殖を抑制する物質が含まれていると想定し、研究を重ねた結果、分子量が2,000以下の低分子の特殊な形をした乳酸を発見します。
これをヒントに、機能性食品として開発された成分が、環状重合乳酸(CPL)でした。
*1 Takada,S.Nagato.Y.,and Yamamura,M.(1997)‘Ef-fect of cyclic Polylactates on tumor cells and tumor bear[1]ing mice. ‘Biochem.Mol.Biol.Int.,43,pp.9-17.