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ドラギ首相の訪米。ドラギ首相がウクライナ問題をはじめ、政治課題を語る。

2022-05-12 18:31:00 | 政治
Corriere della sera 11 maggio 2022 (modifica il 11 maggio 2022 | 22:12)

Draghi: «Costruire la pace . Ora anche Russia e Usa devono parlarsi»
di Marco Galluzzo

Il premier a Washington: Mosca non è più invincibile. Arrivare alla fine del conflitto senza imposizioni a Kiev. Le visioni di Ue e Stati Uniti stanno cambiando
平和の構築について今こそ、ロシアと米国も互いに話し合う必要がある、とドラギ首相は語った。

ワシントンで首相は語った。:モスクワはもはや無敵ではなくなった。ウクライナだけに決定の責任を押しつけるのでなく、この紛争を終わらせる必要がある。 EUと米国のビジョンも変わってきている。

モスクワとワシントンは再び互いに話し合う必要がある。 「平和のための交渉の道を築く」ことを考えるために、2つの超大国は、戦争が始まって以来中断された接触、「すべてのレベルでそれらを再活性化する」接触を再開しなければならない、とドラギは明確に言った。今このときにアメリカの政権に吹いている向かい風に勇敢に立ち向かっている。しかし、彼はこれを気にしていないようで、「テーブルに座る努力、すべての当事者、特に米国とロシアがしなければならない努力」についてさえ話す。

ロシアについての推測

ホワイトハウス訪問終えた翌日、ドラギ首相は米国大統領との会談の詳細を語った。第一に語ったのはウクライナへの励ましの言葉、というか米国政府に説明した将来予測と言ったほうがいいかもしれない。明らかに、メッセージはひとつの考え方を含んでいる。すなわち、いかなる交渉も、「ウクライナが望む平和でなければならないということだ。特定のまたは他の同盟国の利益によってゆがめられてはならない。それは、ドラギがバイデンと共有したかった考え方であり、それには二重の前提がある。第一に、「欧米のビジョンは対立していないが、変化している」。すなわちゆっくりと分かれていっているということ。第二に、「戦争の初めには、ダビデとゴリアテがいて、ダビデからの絶望的な抵抗があったように見えたが、今ではゴリアテはもはや存在せず、ロシアの通常兵器の力は無敵ではないことが証明された」。「今日のプーチンはもはや明確な目的を持っておらず、もはや彼が最初に考えていたような大きな恩恵がない」という事実を認識のうえ交渉テーブルを設定するべき、と言うのがドラギの考えだ。

未来を見据えて

アメリカ人の反応はこれまでかなり冷たく、訪問直後のホワイトハウスのスポークスマンでさえ、現時点ではロシア人は平和を望んでおらず、戦争はまだ長いだろうと指摘することに熱心だった。しかし、EU内で合意したメッセージの持参者であるドラギにとって、これらは必要な外交努力、すなわち「過去を忘れてはならないが、将来を見据えて、誰が勝ったのか、誰が負けたのかを考えるのではなく、勝利の概念そのものに意味がない」ということを理解する努力が必要だと。敢えて言うなら、とドラギ首相は「彼らにとって勝利かどうかを決めるのはゼレンスキーだけだ」と付け加えた。そして、このような考え方に沿って、「私はまたウクライナ再建の計画をすぐに考えなければならないことをバイデンに伝えた。この計画は、欧州連合全体の努力も必要であり、私たちも役割を果たす決意だ」と。

軍事費

ドラギは他の問題にも取り組んでいる。 EUによる軍事費は、内政の観点からも最もデリケートなものの1つです。「欧州連合の軍事費の重複の問題を扱う欧州会議が必要だ」と考えるドラギ首相にとって、ロシアの3倍の支出をすることは不可能だし、米国の兵器システムが36種なのに対し、欧州のそれは140以上の異なる兵器システムを持ったままでいることはあり得ない»。ヨーロッパのそれぞれの国が個別に防衛費を増やす前、この合理化を進めなければならないという事だ。

バイデンとの完全な調和が取れていないもう一つの問題は、ロシアが参加しているG20などの国際フォーラムの問題だ。次のサミットはインドネシアで開催されるが、アメリカはロシアが参加なら参加しないことをすでに発表している。ドラギは同じように考えていない。「一方で、私たちはプーチンと同じテーブルに座りたくないという誘惑に駆られるかもしれないが、重要なフォーラムを否定する前に、ヨーロッパの共通の認識を持つことが重要だと確信している。」

その他の事項

最後に、ドラギはホワイトハウス訪問中に取り扱われた他の事項についても語った。「バイデンは価格上限の導入に同意している。しかしバイデンにとって興味があるのは石油で、私たちはガスに興味があるということ。石油に関してはバイヤーのカルテルを結ぶか、OPECに生産を増やすよう説得するかだ。代わりに、完全に同意できたのは、現在、エネルギー市場が適切に機能しておらず、価格が生産コストから切り離されており、戦争が勃発するずっと前に始まった歪みがあるという事実だ。

それから、経済。ドラギを迎える直前に、バイデンはインフレについてスピーチをし、アメリカ人を安心させようとした。元中央銀行家であるエコノミストとしても、ドラギは景気後退であるとはまったく考えていない。ただし、インフレは大問題との認識だ。私たちにとっても物価の上昇は問題だが、私たちは貧しい人々の家族がものを買えるように確実に守っていくだろう。」

エコ社会への移行

最後は、欧州復興計画の資金のおかげで進行中のエコ社会への移行について。「しかし、エネルギー源に関するいかなる決定も、再生可能エネルギー源への投資を損なうものであってはならず、エネルギー部門に他の介入を行う前に、再生可能エネルギーの導入と投資の大幅な増加を期待しています。」 おそらくまた、政府が発表したばかりの認可に関するいくつかの規制の変更の効果も期待しつつ。


(本文)
https://www.corriere.it/politica/22_maggio_11/draghigalluzzo-14bca97e-d165-11ec-b465-8b7c23727ee0.shtml?refresh_ce

ロシアにとってのこの紛争の出口はあるだろうか?「プーチンに屈辱を与えてはならない」とマクロンは言う。

2022-05-12 00:29:56 | 政治
Corriere della sera 11 maggio 2022 (modifica il 11 maggio 2022 | 09:01)

Esistono vie d’uscita per la Russia? Macron: «Putin non va umiliato»
Il presidente francese all’Assemblea di Strasburgo: «Spetta all’Ucraina definire le condizioni per i negoziati con la Russia. Solo Kiev può stabilire che cosa considera un successo».

ロシアにとってのこの紛争の出口はあるだろうか?「プーチンに屈辱を与えてはならない」とマクロンは言う。ストラスブール議会のフランス大統領は、「ロシアとの交渉の条件を決めるのはウクライナ次第だ。ウクライナ大統領だけが、何をもって成功と考えるかを決められる。」

西側諸国は、武器、諜報、お金、ロシアに対する制裁することを提供、一定の明確な戦場においてウクライナを支援しています。我々は、ロシアの侵攻に抗して攻撃されている側に支援している立場だ。ヨーロッパとアメリカの間には感性の違いがあるが、大西洋を挟んだ国同士で最終的な決定的な接点は注意を払われるべきだろう:「ロシアとの交渉の条件を決めるのはウクライナ次第だ」とストラスブールで、EU全体を代表してフランスのエマニュエルマクロン大統領は語った。 「ウクライナだけが成功と見なすものを決定する力を持っている」とホワイトハウスもしばらく前から繰り返してきた。私たちがウクライナを助けたとしても、戦争の最終的な目標はウクライナ次第だと。

ロシアがウクライナの都市を攻撃し続ける限り、いつまで戦うことを望むか、または戦うことができるかを決定するのはウクライナだ。それは簡単な決断ではない。地上の軍事的な進展に応じて状況が変化し、戦争が続くほど犠牲者が増え、犠牲を無駄にしたくないという欲求が高まるからだ。

ウクライナの外務大臣、ドミトロ・クレーバはこれを明確に説明していた。 「戦争の最初の数ヶ月で、2月24日の侵攻前の国境までロシア軍が撤退すること(したがって、クリミアとドンバスの一部をロシアに残すこと)と損害の支払いを勝利と考えていた。」と、モスクワパレードとストラスブールでのヨーロッパデーの後でのフィナンシャルタイムズとのインタビューで語った。 「今、私たちが軍事面で十分に強く、ドンバスのための決定的な戦いに勝った場合、私たちの勝利は私たちの残りの領土の解放になる。」 したがって、軍事的成功と西側の援助の力で、ウクライナ政府は現在、クリミアとドンバス全体を含む完全な領土保全を回復することを目指しており、2014年の最初のロシアの侵略前の状況、つまり、国際法によって認められている国境まで回復すると言うことだ。

ウクライナは自由の国としての存続のために戦っているが、ロシアはどうだろう? 受入れ可能な出口というのはどんなことがあるだろうか?(「非ナチ化」という馬鹿げた修辞はさておいて) 。それは、プーチンがウクライナ政府とゼレンスキー大統領を数日で陥落するつもりだった「特別軍事作戦」による有名な戦闘の出口だったかも知れないが、いまでは膠着状態に入っている。マクロンがプーチンへ何度も長い電話をかけ続けるているが、それはまたプーチンが顔を潰すことなく戦闘行為を停止していいと考えるなにかを探り出すためなのだ。

この点で、ヨーロッパとアメリカの間の姿勢の違いがここ数週間で大きくなっている。「戦争犯罪者」、「肉屋」、「殺人者」、「変質者のリーダー」などのバイデン大統領がプーチンを呼ぶ数々の言葉は、ホワイトハウスがロシアの指導者との対話の可能性が亡くなったことを示していた。 4月末、米国防長官のロイド・オースティンは、米国の目的を明確にした。それはロシアが弱体化し、ウクライナで起こしたような行動をもはや2度と繰り返すことができなくなるのを見ることだ。

フランス政府はロシアの崩壊を望んでおらず。むしろ、戦争を終わらせる枠組みを構築し、危機を終わらせ、ロシアが交渉の真の窓を開くことを望んでいるようだ。 「平和がヨーロッパの地に戻ったとき、私たちは屈辱の誘惑に屈っしてはならない」とマクロンはストラスブールでの演説で述べた。大統領はその後、ベルリンで月曜日の夜にショルツ首相と会談した際に、フランスの立場を短い言葉で明確にした。「火を消すためにすべての事をやるという目標にわれわれは集中しましょう。ヨーロッパの平和のための新たな均衡について交渉と議論をしよう」と。

ドラギの考えはここ数週前までは米国に近いようであり、数週間前のコリエーレとのインタビューでは、プーチンとの会談の有用性について疑問を表明していた。しかし昨日、ドラギはワシントンのバイデンに次のように語った。「イタリアとヨーロッパでは、人々はこれらの虐殺、この暴力、この肉屋に終止符を打つことを望んでいます。人々は私たちが平和をもたらすために何ができるのか模索している。」 ヨーロッパはウクライナと完全に連帯の気持ちで一緒だが、同時にヨーロッパにおける領土上の終わりのない戦争を回避することを望んでいる。

次に、ウクライナのEUへの加入の問題があります。 「私たちの国は、EUが土台とする価値観のために人々が死ぬという、ヨーロッパで唯一の国です。」とウクライナの外務大臣Kulebaは強調していることはリーズナブルだ。これが、マクロンがウクライナがすぐに参加可能な「欧州政治共同体」を考え出した理由だ。ウクライナの要求が無視された場合に起こるかもしれない、メンツを失うことがないようにすることは、この戦争におけるヨーロッパの重要なもう一つの目的だ。

(本文)
https://www.corriere.it/esteri/22_maggio_11/esistono-vie-d-uscita-la-russia-macron-putin-non-va-umiliato-9cc0eb58-d09f-11ec-ae98-deceb48b9302.shtml