辻井 喬にみる「新祖国論」 出版社:集英社
副題:なぜいま、反ゴローバリスムなのか
辻井 喬といえば、私の世代には2つの顔を持つ人物であった。
1つが作家であり、1つがセゾングループ総帥として。
辻井氏がセゾンの経営から遠ざかり、著者活動に専念されてから
随分と時が経過した感じがする。
さて、学生運動華やかりし時代の申し子である著者としては、
現代の時勢を見るにつけ、感慨深いものがあろうと感じる。
さて、本書は短編の随想を集約したものであり、読者の琴線に
触れるように(記憶にのこるように)ポイントの重複記載を
行うとても珍しい形式です。
ある意味では、ブログ的ともいえる文章です。
実は、本書は、2006年から7年にかけた新聞の随想を
集大成したものである。
あれから、3年以上が経過し、その後、日本も世界も
大きな転記を迎えている。
この書物にはサブプライムも経済恐慌も中国のオリンピックも万博
も記載はないが、それだからこそ、時代のうねりを敏感に感じた
著者の先進性といえる危惧が満載されている。
ぜひ、一度、お読みいただきたい。
経済(時代性)・詩(感性)の両方を理解された著者ならではの
鋭いそれでいて冷徹な目線が感じられよう。
今回は内容要約しません。
あまりにも多岐にわたると同時に、皆様に味わっていただきたいから。
無断ではありますが、本書から「あとがきにかえて」という詩を
紹介します。
===============================
辻井 喬 氏の祖国を憂いながら、詠む心境が感じられら幸いです。
三日月は服従の夜に懸る
征服者は走る
島の大通りを 海へ向かう道を
かかげる旗には褪せた金色の太陽が昇り
三日月は服従の夜に懸る(かかる)
彼は吼え 彼は彼方の空を指さす
私は彼を批判することができるが
倒す方法を知らない
征服者は語る
これは真実だ 国を救う道だと
しかし理由についても内容についても語らない
私は彼の嘘を見抜くが
新しい意見を出すことができない
征服者はいつも勲章をぶら下げている
部下や取り巻きに与えるためではない
これから尻尾を振らせるために
ほかの国は砂漠だ血で地を洗うならず者の国だ
ここは平和で緑したたるまほろばの国だ
彼は勲章を相手の首に懸けながら
優し気に そっと秘密を教えるように囁く
征服者のまわりで木々は季節を失って葉を落とす
私は寒い薔薇色をはじめて見た
その中にいるとなぜか目眩がして
矢印に従って行進したくなる
一糸乱れず脚を揃えて直線上に
征服者の指示はとても簡単だ
信じるか信じないかだけの問題なのだから
毎日を大切に身近の平和を願うのなら従え
支配の正しさを説明してくれる学者よ
お前らはいてもいなくてもいい道化だが
まあパレードには道化も詩人も必要だろう
そういわれた人たちが喜んで
パーティを開き栄誉と手を組んでワルツを踊る
征服者の夜がやってくる
ある者は無知から ある者は思想嫌いから
そしてある者は忙しすぎたために夜を受入れ
流れをせき止めようとしなかったのだから
ほんとうは誰かを責めることが出来ない
我慢してそう思っているうちに
夕暮れはどんどん夜に入っていき
いつか恋の唄は遠くなってしまった
正義の合唱が湧上がる 愛の二重奏に替わって
遠い過去からの 地崩れの音のような合唱が
時代が悪い用へ動いている危機感を擁く著者
戦争や非民主主義や格差社会拡大などの悪い方へ
国全体を強制と嘘、偽りの社会にする方向へ
年老いた身にできることは何か
著者の思いが感じられる
最後ですが、辻井 喬さん、無断で掲載をいたしましたことを
深くお詫び申し上げます。
本文を借りて、ご承認をお願います。
これも、国を思い、日本の人を思う気持ち故の愚考と
お許しください。
副題:なぜいま、反ゴローバリスムなのか
辻井 喬といえば、私の世代には2つの顔を持つ人物であった。
1つが作家であり、1つがセゾングループ総帥として。
辻井氏がセゾンの経営から遠ざかり、著者活動に専念されてから
随分と時が経過した感じがする。
さて、学生運動華やかりし時代の申し子である著者としては、
現代の時勢を見るにつけ、感慨深いものがあろうと感じる。
さて、本書は短編の随想を集約したものであり、読者の琴線に
触れるように(記憶にのこるように)ポイントの重複記載を
行うとても珍しい形式です。
ある意味では、ブログ的ともいえる文章です。
実は、本書は、2006年から7年にかけた新聞の随想を
集大成したものである。
あれから、3年以上が経過し、その後、日本も世界も
大きな転記を迎えている。
この書物にはサブプライムも経済恐慌も中国のオリンピックも万博
も記載はないが、それだからこそ、時代のうねりを敏感に感じた
著者の先進性といえる危惧が満載されている。
ぜひ、一度、お読みいただきたい。
経済(時代性)・詩(感性)の両方を理解された著者ならではの
鋭いそれでいて冷徹な目線が感じられよう。
今回は内容要約しません。
あまりにも多岐にわたると同時に、皆様に味わっていただきたいから。
無断ではありますが、本書から「あとがきにかえて」という詩を
紹介します。
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辻井 喬 氏の祖国を憂いながら、詠む心境が感じられら幸いです。
三日月は服従の夜に懸る
征服者は走る
島の大通りを 海へ向かう道を
かかげる旗には褪せた金色の太陽が昇り
三日月は服従の夜に懸る(かかる)
彼は吼え 彼は彼方の空を指さす
私は彼を批判することができるが
倒す方法を知らない
征服者は語る
これは真実だ 国を救う道だと
しかし理由についても内容についても語らない
私は彼の嘘を見抜くが
新しい意見を出すことができない
征服者はいつも勲章をぶら下げている
部下や取り巻きに与えるためではない
これから尻尾を振らせるために
ほかの国は砂漠だ血で地を洗うならず者の国だ
ここは平和で緑したたるまほろばの国だ
彼は勲章を相手の首に懸けながら
優し気に そっと秘密を教えるように囁く
征服者のまわりで木々は季節を失って葉を落とす
私は寒い薔薇色をはじめて見た
その中にいるとなぜか目眩がして
矢印に従って行進したくなる
一糸乱れず脚を揃えて直線上に
征服者の指示はとても簡単だ
信じるか信じないかだけの問題なのだから
毎日を大切に身近の平和を願うのなら従え
支配の正しさを説明してくれる学者よ
お前らはいてもいなくてもいい道化だが
まあパレードには道化も詩人も必要だろう
そういわれた人たちが喜んで
パーティを開き栄誉と手を組んでワルツを踊る
征服者の夜がやってくる
ある者は無知から ある者は思想嫌いから
そしてある者は忙しすぎたために夜を受入れ
流れをせき止めようとしなかったのだから
ほんとうは誰かを責めることが出来ない
我慢してそう思っているうちに
夕暮れはどんどん夜に入っていき
いつか恋の唄は遠くなってしまった
正義の合唱が湧上がる 愛の二重奏に替わって
遠い過去からの 地崩れの音のような合唱が
時代が悪い用へ動いている危機感を擁く著者
戦争や非民主主義や格差社会拡大などの悪い方へ
国全体を強制と嘘、偽りの社会にする方向へ
年老いた身にできることは何か
著者の思いが感じられる
最後ですが、辻井 喬さん、無断で掲載をいたしましたことを
深くお詫び申し上げます。
本文を借りて、ご承認をお願います。
これも、国を思い、日本の人を思う気持ち故の愚考と
お許しください。
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