川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

川越芋太郎の世界へようこそ!
一言メッセージ・「美」の探訪ブログです。短編小説などもあります。

9月度推薦図書の紹介

2011-08-28 11:36:55 | 知恵庫先生の講座
9月度推薦図書の紹介



震災から9月11日ではや半年が流れ
ることとなる。
貴重な6ヶ月が流れる。
それは、無策で何もかも遅い政府
の政策はいまも怨嗟の声を呼ぶ。


しかし、半年も過ぎれば、被災者
と周囲の人々の間に感覚のずれが
生じていることもある。
私の中にも何とは言い切れない。
本当に被災した人々の心を感じる
ことができない。
同情やお悔やみは時間とともに薄
くなりつつある。


なぜ、動かない!
年寄りが多い被災地区。

活気を蘇らせるにはどうしたら
いいのだろうか。

皆で援助!?
援助てそんなに必要なのか。
同情や援助が本当に彼ら心を回復
させられるのだろうか。
無論、ないよりあったほうがいい。
しかし、・・・。
机上や頭の中での空論が回る。


そんな中、いい本んと出会った。

あの河合隼雄の過去の著籍から
再構成した本。
言葉の持つ力がわきあがる。
一度、読んでみてください。


「日本人という病」 

「日本人」という病 (静山社文庫)
クリエーター情報なし
静山社


平成23年8月28日 川越芋太郎

美の巨人たち:詩仙堂

2011-08-23 21:48:32 | 美の番組紹介
美の巨人たち:詩仙堂


京都市左京区、閑静な住宅街から一歩足を踏み入
れると広がる別世界。デコボコした土地に建
てられた家は1000坪の敷地にしては小ぶりの
建物です。
370年前に造られた山荘『凹凸(おうとつか)
・詩仙堂』
まさに、知と主人の体を現す命名です。


さて、主はといえば、石川丈山。
詩人であり、書の大家、煎茶の開祖ともいわれ
る京都を代表する文人です。
丈山は1583年、三河の徳川譜代の武士の家に生
まれました。
文武両道に秀で、関が原の合戦に参加。
その功もあり、家康の寵愛を受け順調に出世。
ところが、大阪・夏の陣において先駆けの功を
焦ったことから、軍規違反として蟄居を命じら
れます。
その後は、病弱の母親を養うために紀伊の浅野
公に仕え、和歌山、広島などを転々とする生活
を送りました。
母の没後に京へとやって来た丈山は、59歳にし
て自らの美学と理想を貫いた詩仙堂を造営した
おいうのが表向きの説明です。


しかし、彼の経歴からして、この1000坪の土地
と建築費およびその後30数年間の生活費の出所
が不明です。
番組では、面白い想定を披露しております。
彼は徳川幕府のスパイとして、京都の朝廷を
監視したという。
詩仙堂の見晴台から眺めは京都が一望できる。
ここから京都御所までは直接3kmほどです。
現実味のある仮定ですね。


さて、現実はともかく、彼の文人としての能力
は一級です。
林羅山との交流も複雑な思いですね。
番組では、この山荘は庭を愛でるための建物と
評価しておりました。
凸凹の地形を利用した庭造り。
あたかも借景の如く
幹が見えない庭
各部屋から違う庭が味わえ、
四季を応じて味わえる風景
などなど。


30数年間の終の棲家となった詩仙堂
かれの人生全てが凝縮されている。
それだけでも鑑賞の甲斐はありますね。


詩仙堂は十境の楽しみと言われる。
老梅関
詩仙の間
蝋芸窟
・・・
どうも、漢字が難しい。(笑)
自分で調べましょう。


・・・

主の心境は
「わたらしな 瀬見の小川の 浅
くとも 老いの波そふ 影もはす
かし」。これは、「もう私は鴨川
を越えません」という決意を詠ん
だものです。

だそうです。


本当の真意は不明ですね。
番組のいうように、スパイでしょうか。
あるいは、母の死後、名誉回復したので
しょうか。
心境の謎が上記の歌でしょう。
出生競争を離れて、幕府と朝廷の争いを
避けて、文人墨客としての立場を
謳ったのでしょうか。
なぞはなぞのまま。
あなたはどのように考えますか。



詳細は番組ホームページへ


平成23年8月23日 川越芋太郎

詩仙堂の四季―水野克比古写真集 (京・古社寺巡礼)
クリエーター情報なし
東方出版


美の巨人たち:モーガンと横浜洋館建築

2011-08-16 11:24:54 | 美の番組紹介
美の巨人たち:横浜の洋館
(J・H・モーガンの建築)


本日の美のテーマは、建築家である
J.H.モーガンです。
モーガンといえば、あの東京の三菱
丸ビルを建築した桜井氏と二人三脚
でなしとげた米国建築設計家です。


では、大きな建物かといえば、本日
はその中から大きいのですが、一般
個人の邸宅を取り扱った作品がテー
マのようです。


かれが目指したのは、横浜という土
地柄を生かした建築。
そして、選択したのが、当時欧米で
流行したスペインのスパニッシュ風
でした。


スペインでは、グラナダを中心に
イスラムと西欧の文明が交じり合っ
た独特の文化様式が根付いていまし
た。これが、スパニッシュ風です。


スタッコ仕上げ、壁泉、タイル装飾
赤いカワラ、など南ヨーロッパの
息吹が感じられる建築。
それは、太陽と海と優雅な時間。
彼は、それを横浜の地に、個人の
邸宅の中に再現した。


だが、それだけではない。
彼こと、モ-ガンは大の日本びいき
であった。日本人の秘書(妻へ)を
迎え、日本建築や文化をこよなく愛
し、このスパニッシュ風の中に、
取り込んでいる。


一例を番組では紹介する。
社交ホールの中心にある大きな凹み
、そこには日本の掛け軸や陶器、花
を飾るスペースだと解説する。
天井を見上げれば、日本風のハリや
しっくい、壁は大津磨きという具合
である。


彼は世界的な名声を残さなかったか
もしれない。しかし、日本と西洋の
文化融合を具現化し、粋な日本文化
を後世まで残してくれた。
いま、ひっそりと横浜の地の外国人
墓地に眠る。


彼が、イスラムと西欧と日本の文化
が融合したベーリックホールに是非
足を運んでみよう。
つめたいタイルは涼を感じさせる。
イスラムとい異国の風を感じさせる
パティオやアラベスク装飾。
西欧文化の建築に見事に解けこんだ
異文化の痕跡を感じることができる。
違和感どころか、見事な調和させ
感じるようだ。


有名になるばかりが人生ではない。
かれを見ると、どうやら我々日本人
が忘れた時間と自然との調和を思わ
ずにはいられない。
「ゆったり」と時間と自然を愛する
ことが日本人の特技だった時代を。


平成23年8月15日 川越芋太郎


追伸

高度成長は終わった。
日本人が目指す第二のステージが
どうやら見えてこないだろうか。
豊かな圧倒的な繊細優雅な時間を
満喫できる人生の実現。
世界一の金持ちである日本人。
しかし、幸福を感じられない現代
日本人たち。


さあ、新しい歩みを始めよう。



横浜洋館散歩―山手とベイエリアを訪ねて
クリエーター情報なし
淡交社

年を取れば取るほどスローな音楽が心地よいのはなぜ?

2011-08-14 17:29:43 | 短編集バー物語
年を取れば取るほどスローな音楽
が心地よいのはなぜ?


私事で恐縮であるが、年齢も50台
半ばとなろうとしている。
実は、最近、富みに「ゆったり」
が気に入っている。
心地よいし、体に合っている。
なぜだろうか。


そんなことを考えていたら、次の
書物に出くわした。
まさに、眼から鱗の書物です。


生物学的文明論
著者:本川 達雄
出版社:新潮新書

生物学的文明論 (新潮新書)
本川 達雄
新潮社



以下、内容を一部紹介する。


寿命は生物ごとに異なる。
ところが、一生で心臓が鼓動する
回数は約15億回とほぼ一定である。


「え、そうなの?」


つまり、エネルギーをつぎ込む程
寿命が短くなる。
科学的統計の裏づけがあるらしい。


しかし、人間は他の動物と違う。
それは、人間が外部エネルギーを
利用するからだという。
現代人は生命体としての身体が消
費するエネレルギーの40倍の外部
エネルギーを消費する。
石油が原子力も含まれる。


本書では、人間が外部エネルギー
を取り込んだとき、生活環境とい
う時間が加速してしまったと指摘
する。
身体は生物のままに、社会時間が
ものすごい勢いで加速した。
ヒトの心臓が15億万に達するのは
なんと40歳ごろだという。
人生50年、まんざらでもない。
技術(医療も含めて)が余命を
つくっている。
いわば人工生命体だ。


こう考えると身体がゆったりした
時間を希求する意味がわかるとい
うものだ。


さて、あなたはどのくらいの年齢
ですか。
ゆったり時間を過ごしてみたら
いかがですか。


ゆったり時間の一助に次のCDを
ご紹介します。


アップテンポでないジャズ!


’S WONDERFUL
BILL CHARLAP TRIO

ス・ワンダフル
クリエーター情報なし
ヴィーナス・レコード



あなたの時間速度を変えてくれま
す。
芋太郎超推薦のジャズ!
心地よい時間をあなたへ。



平成23年8月14日 川越芋太郎

大人の時間もってますか?

2011-08-06 18:12:02 | 短編集バー物語
大人の時間もってますか?



ある雑誌に近藤真彦氏こと、”マッチ”の
語りが掲載されていました。
あれから数十年が流れ、お互いが歳月を
重ね、大人になった。


さてさて、かれの「大人時間」の過ごし方
の一つに、モルトウィスキーを飲むことが
あるようです。


ウィスキー(酒)は味を味わうものである
が、同時に時間を楽しむものでもあると
言われたようだ。


確かに、酒と音楽と静けさは相性がいい。
一気飲みの若酒や喧騒とは縁遠い世界。
ウィスキーを味わう場所には、
言い知れぬ時間の過ごし方がある。
これが堪らない。
おそらく、マッチも同じでしょうか。


マッチはあるモルトウィスキを推薦して
おりました。
嬉しい限りです。
好みが一緒とは。(笑)


さて、ウィスキーの大人時間。
かれはもう一言良いことを語りって
おりましたね。


誰でも大人になれる。
だから、無理して大人びることも必要
ないだろう。
背伸びや気取りも必要ない。


しかし、誰でも大人になれるということは
誰でも「素敵な大人になれる」ということ
ではなさそうである。
素敵な大人とは、歳月と年輪が生み出す
ハーモニーであろうか。
その人の歴史と積み重ねた日々の重さや
味わいが「素敵」を生み出すのでは。


大人の時間を過ごす、素敵な大人になり
たいものですね。


お金はあればいいが、必要条件ではない。
過ごし方は色々。
芋太郎の場合は、音楽とウィスキー。
あなたは?


本日は、Archie Shepp Quartet の
True Ballads を聞きながら、本稿を
書いている。
片手には少々のアルコール。
いい時間です。


癒しと充電のための時間。


あなたも、いかがですか。


平成23年8月6日 川越芋太郎

トゥルー・バラード
アーチー・シェップ・カルテット
ヴィーナス・レコード

バーで独り酒、一番似合う曲はこれだ!

2011-08-04 21:39:04 | 短編集バー物語
NEW YORK TRIO
(ニューヨークトリオを聴いてみないか)


ジャズといえば、アドリブといわるくらい、
原曲の雰囲気から曲の感じまで、すっかり
変えてしまうことが当然とされる傾向にあった。


確かにアドリブの素晴らしさ評価しよう。
しかし、原曲をすっかり変えてしまうことへの
抵抗感がどうしてもある。
ジャズファンになりきれない人は、この点に
同感されるのではないだろうか。


しかし、ニューヨークトリオのこの盤を是非
聞いてみてください。
BILL CHARLAPの素晴らしさを堪能できる。
原曲からはずれなくても、こんなにジャズを
表現してくれる演奏に拍手したい。


個人的には1曲目のバラードが好きだ。
BILLがどうしても一曲目に入れたものだ。
他にも音楽と酒と瞑想を共有時間に押し込める
ジャズを味わいたい。
しかも、アドリブを押さえたジャズ!
もうそれは彼らしかいない。




過ぎし夏の想い出
ニューヨーク・トリオ,ビル・チャーラップ,ジェイ・レオンハート,ビル・スチュアート
ヴィーナス・レコード