美の壺:香水瓶の美
香水は毎日の入欲習慣がない西欧の人々から
生まれた。体臭を隠す方法として。
フランス18世紀頃、オシャレで繊細で金細工
が施された香水瓶が生まれた。
19世紀になると瓶は香りが住む家として時代
の先端を行く香水瓶が生まれる。
<美の壺1:香りと美を封じ込める栓>
香水瓶に欠かせない機能といえば、栓(せん)
です。
形の制約を逆手にとり、多くのおもしろい
栓が生まれた。
栓は瓶の要。
内容物がこぼれず、漏れず、それでいて
ファッション性と夢をもたらす。
香水は非常に貴重なものであり、何千本の
花から作られた。
しっかりした機能とデザインのポイントが
大きな比重を占めている。
そんな訳で香水瓶の美術館すら出来ている
くらい多くの香水瓶が誕生した。
当初の瓶は水晶をくりぬいた豪華なものであ
り、その後ガラスが登場し、大いに発展した。
一時期、平凡な瓶とラベルに陥った時代も
あったが。
<美の壺2:香りをアピールする彫刻>
庶民への普及とともに、パリの上流階級で
人気を博していた宝石デザイナーのラリック
が香水瓶の世界に登場した。
ラリックは草花や果実、昆虫なでのデザイン
をあしらい、ジュエリーの造形美を瓶の世界
に取り込んだ。
時にエキゾチックな香りを彷彿さえる瓶。
形で表す香り。
まさに、香りを目で見てイナージさせる
ラリックのデザイン。
ラリックをご存知ない方は、ぜひ箱根に足を
運びましょう。
ラリックの美を堪能する美術館がありますよ。
<美の壺3:言葉と香りが響きあう場所>
香水の名前
現代の合成香料は手軽さと名前の妙で売れて
いる?
1985年、覚えている方も多いでしょう。
あのプワゾン(毒)という命名の香水。
かなりエキセントリックできつい香り。
一世を風靡しました。
プワゾンの流れである命名の妙は、今も
引き継がれています。
木の女らしさ
私の秘め事
ピンウタイフーン
なんとなく興味が出てしまいますね。
あのラリックの5連作もその一つです。
1、真夜中に
2、夜明け前に
3、さよならは言わない
4、私は戻ってくる
5、君の元へ
まさに、香水によるラブレターでしょうか。
一遍のポエム
「私は戻ってくる」は、戦時中の男性から
女性へ送る愛の瓶、そのものでした。
平和な世界になったら、君と夜のビル
ディングで語り過ごしたい。
ビルディング型の香水瓶がなんとなく、
わかる気がします。
香水瓶一つにも、物語があります。
いや、物語性を追求したのが香水瓶でしょうか。
あなたの特別な物語。
魅惑の香水瓶―コティとラリックの物語 | |
遠藤 賢朗 | |
里文出版 |
香水は毎日の入欲習慣がない西欧の人々から
生まれた。体臭を隠す方法として。
フランス18世紀頃、オシャレで繊細で金細工
が施された香水瓶が生まれた。
19世紀になると瓶は香りが住む家として時代
の先端を行く香水瓶が生まれる。
<美の壺1:香りと美を封じ込める栓>
香水瓶に欠かせない機能といえば、栓(せん)
です。
形の制約を逆手にとり、多くのおもしろい
栓が生まれた。
栓は瓶の要。
内容物がこぼれず、漏れず、それでいて
ファッション性と夢をもたらす。
香水は非常に貴重なものであり、何千本の
花から作られた。
しっかりした機能とデザインのポイントが
大きな比重を占めている。
そんな訳で香水瓶の美術館すら出来ている
くらい多くの香水瓶が誕生した。
当初の瓶は水晶をくりぬいた豪華なものであ
り、その後ガラスが登場し、大いに発展した。
一時期、平凡な瓶とラベルに陥った時代も
あったが。
<美の壺2:香りをアピールする彫刻>
庶民への普及とともに、パリの上流階級で
人気を博していた宝石デザイナーのラリック
が香水瓶の世界に登場した。
ラリックは草花や果実、昆虫なでのデザイン
をあしらい、ジュエリーの造形美を瓶の世界
に取り込んだ。
時にエキゾチックな香りを彷彿さえる瓶。
形で表す香り。
まさに、香りを目で見てイナージさせる
ラリックのデザイン。
ラリックをご存知ない方は、ぜひ箱根に足を
運びましょう。
ラリックの美を堪能する美術館がありますよ。
<美の壺3:言葉と香りが響きあう場所>
香水の名前
現代の合成香料は手軽さと名前の妙で売れて
いる?
1985年、覚えている方も多いでしょう。
あのプワゾン(毒)という命名の香水。
かなりエキセントリックできつい香り。
一世を風靡しました。
プワゾンの流れである命名の妙は、今も
引き継がれています。
木の女らしさ
私の秘め事
ピンウタイフーン
なんとなく興味が出てしまいますね。
あのラリックの5連作もその一つです。
1、真夜中に
2、夜明け前に
3、さよならは言わない
4、私は戻ってくる
5、君の元へ
まさに、香水によるラブレターでしょうか。
一遍のポエム
「私は戻ってくる」は、戦時中の男性から
女性へ送る愛の瓶、そのものでした。
平和な世界になったら、君と夜のビル
ディングで語り過ごしたい。
ビルディング型の香水瓶がなんとなく、
わかる気がします。
香水瓶一つにも、物語があります。
いや、物語性を追求したのが香水瓶でしょうか。
あなたの特別な物語。