川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

川越芋太郎の世界へようこそ!
一言メッセージ・「美」の探訪ブログです。短編小説などもあります。

新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(6):ビーフィーター

2010-02-28 16:58:27 | 短編集バー物語
□ 「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(6)」


ビーフィーター


スピリッツという言葉をご存知であろうか。
蒸留酒のことです。
広義ではウィスキーもスピリッツです。
広義のスピリッツからウィスキーとバランデーを除外した酒を
スピリッツとここでは呼びます。


代表者として、ビーフィーター。
この酒のラベルもまた印象深い絵柄です。
「槍を持つおじさん」=王様のボディーガードである近衛兵です。
いまでも、退役軍人によるロンドン案内に見かけます。


ビーディーターはジンです。
ジンといえば、日本ではタンカレーやボンベイサファイアが有名です。
ジンはその安さに流行し、迫害?されました。
あまりにも安価で飲まれたので、酔客による暴行犯罪などが多発して
お高い酒になりました。
それでも、ブレンデット・ウィスキーより少々安く飲めるバーも
多いですよ。
(注意:ジンもできれば、オンザロックで味わってください。)


詩人バイロンや文豪ディケンズの愛酒でした。

お酒にはくだものと野菜がばっちりです

ビーフィーター ジン 40% 700ml
ビーフィーター
サントリー(株)

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それでも日本人は戦争を選んだ

2010-02-27 19:13:59 | 知恵庫先生の講座
「それでも日本人は戦争を選んだ」


日本人であるがゆえに、近代日本をもっと知りたい人へ。
我々の先祖は罪作りであろうか。
血塗られた歴史?
恥ずべき歴史?
であろうか。



日本を愛する人々に送る2冊の本をご紹介。


1、「それでも日本人は戦争を選んだ」
  教科書には載らない近代日本の歴史を語る良書である。
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子
朝日出版社

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そして、日本の力は?いかなるものか!考えてみたい方は!

2、「日本力」
  政治経済を離れた「日本力」を語る。
日本力
松岡正剛,エバレット・ブラウン
パルコ

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「おしゃれ工房」なる番組をみて

2010-02-27 15:14:47 | 美の番組紹介


「おしゃれ工房」なる番組をみて


先日、NHKのおしゃれ工房なる番組を視聴しました。
京都の華道家である某氏が語る軽快な番組でした。
その中での華道華の一言に、感銘を受けました。


「古来、日本人は自然との付き合い方を大切にしてきました。
天地人を大切にすることが私のモットーである」というような
内容です。


天とは太陽を初めとする自然や時間の恵み。
地とは大地の恵み。
あわせて森羅万象からの恵みとでも言いましょうか。
天と地の間に人を置き、気持ちよい環境を築きます。
これが自分の華道における基本です。


ここでは、こころよい言葉の響きに酔うだけでしたが、
次の瞬間に、目が覚めました。
それは、冬山の景色にも観るものは多い。
「葉が落ちた枝を味わう」
う~ん?
「枝模様を味わう」
なるほど。


春夏秋冬、それぞれの味わいがある。我々は、盛んなる時期に
目が行き、枯れた枝には目線が行きません。
華道家は見事に、枝模様を読むという。
華道家であるからこその境地でありましょう。


人生も樹木に例えれば、盛なる時ばかりではない。
衰退の時期もこれまた味わいがあると思い直しました。
頂点を極めた人ほど、下り坂に弱い。
下り坂の楽しみ方を考える時期にある芋太郎に、大きな指示を
与える一言でした。


若き頃は登る事が精一杯で道の周囲の景色には目もくれませんでした。
下り坂なれば、森羅万象の全てを味わう時間があります。
心のゆとりさえ失わなければ。

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川越芋太郎のお店


特選青物市場


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【送料込み】体にやさしいパンセレクション「極(きわみ)」
くだもののデパート かつら木
くだもののデパート かつら木

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新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(5):山

2010-02-25 22:21:25 | 美の番組紹介
「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(5)」


□ ジャパンの実力は? 山なるウィスキー


たぶん、日本人のあなたは、「サントリーウィスキー山」を
ご存知でしょう。
決して安くない酒です。
シングルモルト・ウィスキーです。
10年・12年・18年とあり、別格に多年度ものがあります。
100万円もする酒があります。(一口でも飲んでみたい!)


庶民である我々が飲めるのは最初の3銘柄。


この酒は、まず、ラベルがいい。
山の書体もいい。
そして、何よりも味がいい。


サントリー創業者の鳥井信治郎と日本人初の技師竹鶴政孝の
コラボにより生まれた。
当時洋行帰りの若き竹鶴とともに、鳥井の夢を叶えた酒
これが、「山」です。
日本の「夢」が凝縮された酒です。


実は、長年、芋太郎が飲酒したラベルです。
10年は元気がいい感じ。
12年は芳香がよくバランスが最良。
18年は豊潤である。


ここで、チーフブレンダーの輿水さんの言葉を紹介。
「ブレンダーの役目は、次の世代にいいものを遺すことが
一番大切である。10年、20年先のことを考えながら、
日々の仕事をしている。」


ウィスキーも国も同じであろう。
ブレンダー達のバトンリレー、ウィスキー業界では成功している。
日本の政治の世界では・・・。


SU シングルモルト 山崎12年 NEW 700ml
サントリービア&スピリッツ(株
サントリービア&スピリッツ(株

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サントリー以外でも、日本を代表する銘柄はありまうね。

ニッカ シングルモルト 余市 10年 700ml
アサヒビール(株)
アサヒビール(株)

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さてさて、酒には野菜や果物がつきものです。
私達の健康はよき野菜から。
野菜は購入が重くて大変ですね。
そんな方には下記からどうぞ。
特選野菜市場

新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(4):ブッシュミルズ」

2010-02-23 20:45:38 | 短編集バー物語
川越芋太郎のお店

「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(4)」


□アイリッシュウィスキーならブッシュミルズ


スコッチばかり紹介しましたので、今回はアイリッシュ。
スコットランドとアイスランドはウィスキーの歴史を競い
あっています。
ライバルともいえますね。
残念ながら、地球温暖化の影響か、アイスランドの危機が
現在懸念されています。
水は、ウィスキーの命。


ウィスキーという言葉は、ケルト語で、「生命の水(ラテン語)」を
意味します。
錬金術師による不老長寿の薬として開発された経過があります。
ウィスキーには良質の「水」が不可欠です。
サントリーの鳥井さんが山を選んだのもこの為です。


話は、戻りますが、アイリッシュとスコッチの違いは、蒸留回数です。
3回のアイリッシュと2回のスコッチ。
ピートで燻香を付けるのがスコッチです。
この燻香が苦手な方は、ぜひアイリッシュをお試しあれ。


最近のウィスキーは種類が豊富です。
ブッシュミルズも例外ではありません。
懐具合にあわせて、お楽しみください。(笑)

オールドブッシュミルズ 40度 700ml
ブッシュミルズ・ディスティラリー
ブッシュミルズ・ディスティラリー

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ブッシュミルズ モルト 21年 40度 700ml
ブッシュミルズ・ディスティラリー
ブッシュミルズ・ディスティラリー

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新社会人の為のお独り様バーの過ごし方:ザ・フェイマス・グラウス

2010-02-22 20:40:05 | 短編集バー物語
「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(3)」


□ 雷鳥ことザ・フェイマス・グラウス


雷鳥のラベルで有名なブレンドッド・ウィスキーの紹介。


ブレンデッド・ウィスキーなる名前を多様してきましたが、
実は、ウィスキーには、モルト・ブレンド・グレインと三種類の
業者が入り乱れて、かつて競争しておりました。(今は売上で)
1905年には、ウィスキー裁判まで行われました。
裁判で勝利したモルト側に、政治解決をはかったのが残りの
2陣営。


今は仲良く、ウィスキーの消費と販路拡大に懸命です。
話は元に戻りますが、「雷鳥」は実はスコットランドの国鳥です。
懸命な読者はもうお分かりですね。
スコットランドで一番人気なウィスキーは、「グラウス=雷鳥」の
ラベルを持つこの酒であろうことが。


ラベルというのは、大きな意味を持ちますね。
ウィスキーも人間も同じかもしれない。
持ち味や個性を表現する外見は重要です。
人間、重要すぎて敢えて意義を唱える人も出てきますが。


フェイマス グラウス 40゜ 700ml
フェイマスグラウス
アサヒビール(株)

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新社会人の為のお独り様バーの過ごし方:オールドパー

2010-02-21 13:12:24 | 短編集バー物語
「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(2)」

□ オールド・パー
このボトルは一風変わっている。
まず、色であるが茶色です。
ウィスキーに多いのが、透明ボトル、次が緑。
オールド・パーは茶色でしかも、ひび割れが入った
ような文様です。

まず、バーに入り、注文する時に見失う事がありません。
それなりに目立ちますから。
オールド・パーを置いていないバーはモルトウィスキー専門店
意外ではないでしょう。

このお酒、芋太郎の青春時代は高価でめったに飲める酒
ではありませんでした。
いわゆる「ご祝儀酒」です。
オールド・パーなる名前はむろん人名です。
ジョニー・ウォーカー同様ですね。

このトマス・パーは有名人です。(今は知らないかな)
何しろ152歳までの長寿記録持ち主です。
しかも、その人生たるや波乱万丈。
102歳で婦女暴行で18年の刑務所暮らし。
ます、この年齢で婦女に興味を持つものだろうか。
この点からして、絶倫の持ち主かもしれない。

ちなみに、結婚が80歳だと聞いておます。
123歳で再婚し、1児を儲けています。
さらに、元犯罪者が当時の国王から招かれ余生をロンドンで
送っている。

とはいえ、その環境の変化が禍してか、152歳でなくなったと
言われています。
その後、なんと、ウェストミンスター寺院に埋葬されています。
国王とともに。
かれは、なんと10人の国王に使えてことになります。
こんなパーですから、長寿の秘薬として、世界中で期待されて
飲み続けられたのかもしれません。

男たるもの、パーにあやかり絶倫と長寿を満喫したいものですね。
ブレンデッド・ウィスキーの代表銘柄であるのは今日でも同じです。



オールド パー 12年 40° 750ML
オールド パー
モエヘネシーディアジオ 株式会社

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いま、ペーパークラフトにはまっています。

2010-02-20 17:20:13 | 日記
いま、ペーパークラフトにはまっています。


雷門から姫路城へ行こうか。
バイクもいいな。
まだまだですが、皆さんも腕試しにいかがですか。
子供さんの根気作りにも一役買いますよ。


参考⇒川越芋太郎読書感想データベース1記事へ

SANWA SUPPLY インクジェットプリンタ用厚紙(大容量) JP-AGA4-100
サンワサプライ
サンワサプライ

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宇宙戦艦ヤマトリアルペーパークラフト (甦る男のロマン!松本零士シリーズ)
松本 零士,松本 圭司
ワニマガジン社

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「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(1)」

2010-02-20 17:12:31 | 短編集バー物語
「新社会人の為のお独り様バーの過ごし方(1)」


バーは、学生さんや新社会人には馴染みがないことが多い。
いや、社会人でも意外と知らない方は多い。
「独りで飲む」という習慣があまりない日本人。


「ちょっと一杯やらないか?」
「落ちか好きに一献」
などというが、どうやら皆一人舞台とは行かない。
独り酒というと、失恋か憂さ晴らしと早合点する日本人は多い
のではないか。


独りバーを愛する芋太郎としては、ぜひ、皆様に推薦したい。
お独り様バーの快適時間の過ごし方。
無論、ハウツー本をご案内するつもりはありません。
酒を楽しむ快適空間として、認知いただきたい。


酒の目柄をご紹介しながら、酒の世界を垣間見ましょう。
独りが怖いなら、デートで活用するのも許可しましょう。(笑)


□ ジョニー・ウォーカー赤ラベル

芋太郎の時代は、ジョニー・ウォーカーが憧れでした。
国産ウィスキーも出始めましたが、やはりあの赤と黒のラベル
(当時は2種類)と英国紳士が闊歩する姿、と思い込んでいました。
このジョニ赤は、当時ちょっとシャレた酒でした。
世界中で最も有名な酒の一つでした。

ジョニー・ウォーカーこと、ジョン・ウォーカーは貧しい
農家の生まれで、食料品店(酒も扱う)を営みました。
自家製ウィスキーの草分けでしょうか。
息子の代に、会社組織となり、画家トム・ブラウンに依頼し
出来あがったのは、ご承知のラベル。
シルクハットに固めがね、
赤いフロックコートにブーツ姿、
ステッキ片手に颯爽とあるく伊達男。

祖父の名前を付けた酒は世界を文字通り闊歩した。
ブレンデッド・ウィスキー。
歩くスコットランド伊達男。
(ちなみにスコットランドの人々にイングランドと
言うと嫌な顔をされます。
英国の歴史はウナイテッドキングダムです。
スコットランドもキングランドもアイスランド北部も
同等ののですから。)

参考
いまは、緑(モルト)やブルーラベルがあります。

でも、私達は安価な赤ラベルと黒ラベルがいいですね。
ジョニーウォーカー 赤 40゜ 700ML
ジョニーウォーカー
キリンビール 洋酒

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森繁久弥さんの愛車が見られますよ!

2010-02-18 20:40:19 | 「美」発見
森繁久弥さんの愛車が見られますよ!


森繁さんといえば、言わずも知れた名男優。
味の有る演技とセリフで記憶に残りますね。
知床旅情の歌も味の有る歌い方でした。


さて、その森繁さんの愛車が埼玉県加須市の
大桑クラッシクカー博物館で公開されています。
ワクイ・ミュージアムです。
東京近郊ですから、車でお出かけしてみてください。


車は31年式ライレー。
いわゆるクラッシックカーです。
飛行帽をかぶり、レースをする姿を彷彿する雄姿です。
森繁さんも日頃より実用に供していたと聞きます。


同ミュージアムは他にも名車を展示しております。
ぜひ、デートコースや、ダンディーなシルバーの方々は
ご訪問を検討されたらいかがですか。


白州次郎さんでおなじみの車もあります。
その他にも世界のビンテージカーを体感できますよ。


1955 ポルシェ356 スピードスター

フランクリン・ミント

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美術・絵画がお好きな方の映画ができたそうですよ!カラヴァッジョ

2010-02-17 22:22:40 | 美の番組紹介
美術・絵画がお好きな方の映画ができたそうですよ。


イタリヤ・フランス合作映画
「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」


そう、あのカラヴァッジョです。
美の巨人たちで紹介されていた彼です。
「聖マタイの召命」を初めとした名画を残した。
変り種の人物でしたね。


バロックの先駆けとなる彼をどこまで描き出すのか。
殺人と美(絵画)をどう描き、光と影の画家の
まさに、光と影の人生を含めて賞味できそうです。


実は長編ドラマの映画化だそうです。
カラヴァッジョがなくなって400年か。
短くも遠い世界です。

   監督:アンジェロ・ロンゴーニ
   出演:アレッシオ・ボーニ/クレール・ケーム/ジョルディ・モリャ/
   パオロ・ブリグリア/ベンヤミン・サドラー
   製作年: 2007年
   製作国: イタリア=フランス=スペイン=ドイツ
   配給: 東京テアトル


昔の作品と見比べてみてください。

カラヴァッジオ [DVD]

アップリンク

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美の巨人達:http://blog.goo.ne.jp/kawagoe_imotaro/e/a809d2f376c57b74cff692e370d996ef

古田織部の世界:歴史ヒストリアから学ぶ

2010-02-13 16:17:29 | 美の番組紹介
「古田織部の世界:歴史ヒストリアから学ぶ」 


NHKテレビ番組「歴史ヒストリア」にて、あの織部焼きで有名な
古田織部の人物像を紐解いていた。


歴史とは、現在からの目線や価値判断で物事を眺めることは
避けられない。
だからこそ、歴史は難しく、そして面白い。


さて、「日本の美」というと、茶道や能などの伝統美を想像する人も
多いだろう。
「わび」・「さび」のイメージである。
しかしながら、織部焼きはこのイメージから随分とかけ離れている。


歴史から見れば、丁度戦国時代である。
実は、皆さんもご承知のとおり、「かぶく」というあの時代ならでは
、超絢爛豪華な美意識が生まれていました。
古田式部はあの時代に生まれ、生き、大成したのです。


番組では、織部焼きが、一見現代美術のような雰囲気があるという。
型破りの造形美や色彩感覚が当時の常識から「おもしろい」の
意識を生み出していると。
「おもしおい」は、「へいげもの(ひょんきんもの)」として、
当時の茶の湯や人々の意識に強く働き、一時代を築いたようである。


思うに、戦国時代というあの「明日をも知れない生活」の中で、
人々は不安や恐怖と同時に、「笑い」や「おもしろみ」を求めた
といえよう。


こんな織部焼きを生み出した、古田織部であるが、実は歴史上の
武人としては、その後の歴史に残っていない。


かれを歴史から抹殺したのは、あの徳川家康であるという。
織部は、千利休に学び、千利休を継承しながらも、独自の茶の湯
を構築した人物である。
当時の茶の湯は総合芸術である。


千利休とも一味違う世界。
それが「へいげもの(ひょうきんもの)」といわれる世界観である。

一度壊して再生する。
傷や割れ目を楽しむ心根を説く。
千利休がそうであるように、自然織部も茶の湯を通して、
当時の大名への影響力が絶大となる。


そんな織部は、秀忠の茶の湯指導者として大阪の陣を迎える。
徳川家繁栄のためには、「一点の曇りも許さない」と決断した家康
に対し、「平和共栄」・「日本の滅び行くものへの美意識」などを
持ち合わせた織部は、豊臣への家康の対応が性に合わなかった
のであろう。


一世を築くということは、生易しいものではない。
織部も自己主張が相当に強い人物であったと思われる。
ゆえに、従来的価値観を超えた織部様式が広まる一因はここあると
芋太郎は考える。
だからこそ、悲劇もここに内在する。
家康との葛藤は人生のピークに「謀反」という汚名を着せられる。


その後、謀反人の美学として、織部焼きは葬りさられたのではないか。
番組ではそのように蛍雪するようだ。
実は、織部の弟子である秀忠に芋太郎は注目している。
何ゆえの関が原遅延か。
大阪夏冬の陣における消極対応。
ここに、織部式部と同一の世界観を見出すことができまいか。


織部焼きが一掃されたのは、単なる古田織部の謀反だけが原因では
ないような気がする。
根源に有る「ひょうげもの」の精神ことが、徳川幕府体制を構築する
官僚組織には秩序を乱すものとして見えたのではないだろうか。
将軍「秀忠」派の美学として。


話は変わるが、秀忠自信、将軍として大御所である家康との葛藤が
あると思うのは自然の成り行きであろう。
それ以上に秀忠の周りにいた人物が、織部であり、伊達正宗、兼継
本多であったりする。
老中職の権力争いもあったであろう。
まさに、心の中では「反家康」の人物ばかりである。


そう考えると、その後の歴史の流れも偶然にしては面白いように
筋がとおる。
織部の失脚、正宗の飼い殺し、兼継の表舞台からの隠居、本多氏の
権勢からの追い落とし。
クライマックスは秀忠の毒殺(?)。
織部焼きの一掃。


余談であるが、秀忠は英明であった可能性が高い。
英明な将軍は幕府という組織を崩壊させかねない。
ワンマン社長と初代派官僚組織の対立。


歴史は面白い。
教えられたとおりに学ぶ必要などまったくない。
事実と推論を織り交ぜて、自らの解釈をすることこそ、
歴史を学ぶことではないだろうか。
だれも真実歴史など観た事はないのだから。


無論、これは芋太郎の仮設であり、とんでもない解釈である。
しかし、唐津の技法と瀬戸の焼き物を結び、美濃で一大工業として
作られた織部焼き。
美術品だけではなく、おそらく富の創造でもあったはず。
織部焼きは、第二第三の「ひょうげもの」を創造する可能性が
あったからこそ、一掃された。


無論、そこには磁器というライバルも現れたであろう。
しかし、考えて観れば不自然だ。
ゴミといっしょに棄てられた事実も忘れては成らない。
磁器により駆逐されたのなら、他の陶器はなぜ生き延びたのか。


私たちの遺伝子の中で「織部焼き」に対するなんともいえぬ
安心感や共鳴感はなんであろうか。
暖かい「笑い」をもたらす織部焼き。
ぜひ、皆様も織部焼きを手にとって見てください。


「破調の美」は弛まない生と死(靜と動)を繰り返す宇宙と
同じ波調ではなかろうか。
完全ではないが故の美、愛さずにはいられない。
人間(芋太郎自信)も何時までたっても未完成であるのだから。


美濃焼食器 織部錆格子コーヒーカップ&ソーサー

美濃焼陶器販売 陶心蔵

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美濃焼 「親父の器はでかいんだ。」シリーズ 手作りビアジヨッキ(反り) 鎬織部 30166

かじゅあるらいふ

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「美の壺:百貨店(デパート)」

2010-02-07 17:42:37 | 美の番組紹介
「美の壺:百貨店(デパート)」


本日の美の壺はちょっと風変わりなテーマかな。
行き成り草刈政雄さんがデパートで買い物。
いささか驚き。


さて、本日のテーマは百貨店。
百貨店とは、いかなるものか。
日本の戦後文化に与えた影響は計り知れない。
そんな百貨店が残念ながら、今、不況の真只中である
現実に一抹の寂しさを感じる。


郊外スーパーは、駅前商店街をシャッター街に陥れた。
百貨店も確かに、駅前商店街の売上を減じた部分もあるが、
以上に駅前地区の繁栄に寄与した功績は大きい。
経済不況を乗り越えたとき、駅前に残るのはシャッター街と
無残に残る百貨店の外装だけなら、
残念すぎる経済発展です。


さて、テーマの美の壺を番組の運行どおりに紹介します。


<美の壺1:玄関はモダンな都市の顔>


地方の方々はあまりご存知ないかもしれない。
百貨店は西洋文化を取り入れ、日本文化を織り交ぜながら
一時代を築いた建築美である。


芋太郎の近隣の日本橋三越。
伊勢丹との経営統合が近い。
この基幹店こそ、静養古典様式の宝庫である。
プロンズ製のライオンは、フォラファルガー広場の模写であろうか、
英国ハロッズをモデルとして、老舗呉服店が大正時代に西欧建築に
建設した。
モダン都市としての百貨店への期待を一身に受けていた輝かしい
時代。
二度の大戦・震災を受けて、復興した歴史的な建築物。
まさに、昭和の歴史が詰まっている。


心斎橋の大丸も一度であるが訪れたことがある。
ファニックスを注文したら孔雀文様できた玄関文様。
高い天井と太い柱。
肘木や格天井など日本様式を取り入れながら、西欧の息吹を取り入れ
日本美と調和した世界を築き上げている。
そう、ヴォーリズの世界である。


最近重要文化財に指定された高島屋東京店も素晴らしい。
建築品としての完成度は言うまでもない。
ふんだんに使用された大理石。
草刈さんがアンモナイト探しに興じたぐらい多くのアンモナイトが
みいだせるだろう。
実は、子供の頃、両親の買い物の間に、同じ事をした記憶がある。


今は勤務先の近くに伊勢丹本店がある。
こちらも、重厚でありながら、郷愁を感じる建築である。
入り口の装飾は誇らしくもあり、意思の壁と金属の街灯が
アールデコ調の優雅さを演出している。


<美の壺:ワンダーランドへ誘う多目的装飾>


黒塗りの重い扉
イソップの寓話を題材にしたステンドグラス
あたり一面の幾何学的文様
イスラムのアラベスク文様と西欧とのミスマッチ
これは、心斎橋大丸の建物。
ヴォーリズの建築は、専門家からは批判もあろうが、
美の追求という側面では、あらゆる美を提供するという考え方
もありかと思われる。


それは、イスラムと西洋の調和であり、アールデコと都会風モダンの
世界の調和であったりする。
多様性という現在社会の縮図を見る重いが有る。
日本人意外でも、このように世界のあらゆる美を取り入れて
融合し、新たなものを築くことができた。
今の時代へのテーゼであるような気もする。


芋太郎の子供の頃は、川越の地元(いまでは引越しましたが)百貨店
では、屋上に遊園地がありました。
プールがあった百貨店もあったと聞きます。
家族全員で楽しめる空間の演出。
今も昔も百貨店は様々な思い出が詰まっている。


是非とも、文化財としてではなく、現役として、今後も残って惜しい。


<美の壺3:窓越しに楽しむ季節の物語>


芋太郎の職場近くの百貨店をはじめ、多くの店舗が鎬を削るもの。
そう、ショーウィンドー。
季節を廻り、未来の姿を見せてくれる。
冬のクリスマス、年初の飾り、春の装い、夏の活動 
どれをとっても、われわれに夢を与えてくれてきた。


これからも、多くの夢を見せて欲しい。
スーパーにはない、安価な現実性意外にも、存在理由があるもの。
それを示して欲しい。
私達人間には、夢(希望)が不可欠であるのだから。

頑張れ、百貨店!


川越芋太郎のお店(特選商品展示)


メルマガを始めました。

2010-02-06 13:48:42 | 美の番組紹介
「ブロマガ」を始めました。


今回、有料版として、掲示することにいたしました。
新聞や雑誌の記事もあわせて紹介し、一味違う見解を紹介します。
内容も、書籍紹介の他に、芋太郎の独り事を合わせ、
ボリュームアップします。


今月はキャンペーン期間として、1ヶ月100円で提供します。
6ヶ月500円のワンコインでご提供します。


儲けは考えていません。
有料にしたのは、会員のみの情報手段にしたい。
私の考え方に同意いただける方にのみ提供したいのです。


マクドナルドのコーヒー一杯より安いのです。


投資に生かしたい方
ビジネスで知識を吸収したいが時間がない方
読書は好きだが、内容をあまり記憶していないという方
ぜひ、利用してみませんか。


月次最低5冊以上をお届けします。
おそらくは、10冊程度のボリューム分を
ご紹介できることと思います。


ぜひ、ご利用してください。
下記からどうぞ。(リンク先)

http://kawagoeimotaro.blog88.fc2.com/blog-category-10.html

美の巨人たち:熊谷 守一

2010-02-02 21:10:20 | 美の番組紹介
「美の巨人たち:熊谷 守一」

独楽―熊谷守一の世界
藤森 武
世界文化社

このアイテムの詳細を見る



尋常ならざる観察眼の持ち主、美術家でありながら、どこか科学的臭い
がするのは、なぜだろうか。
それは、観察することがその基本にあるからだろうか。


熊谷守一はその風貌から仙人のような行動が注目される。
描く人であると同時に視る人である。
「視る事は生きること、ただ視つづける事」の凄さをかれの絵画から
感じることができる。


ただひたひたすら見ることは、通常の人間が見ることが出来ない世界
を体感してしまうようだ。
蟻の歩き方は、右の2番目の脚から第一歩を始める。
こんな観察を成し遂げる目とはいかなるものであろうか。


「見る」と「観る」でもなく、「視る」を当てはめたのも、
じっと見つめることから別次元の世界を発見する意味で表現して
おります。


かれの「雨滴」は、現在の高速カメラでしか見えないスローモーション
の世界と全く同じ世界である。
写真の世界で言えば、1/1000秒以下の世界を瞬間に捉える。
かれは、ただひたすら視ることで、人間の目を超越したのだろうか。


その意味で「見えない世界」を視ることで描き出した世界に一人の
特異な人物である。
まさに、仙人なのかもしれない。(笑)


鮮やかに、簡潔に、身の回りの生き物をただ描く。
これが、熊谷守一の世界である。
見つめると不思議な世界
知ってか知らずか、世にも初めての世界
かれの作品には、不思議な魅力が溢れている。


1961年「雨滴」⇒地面に波紋を広げる雨、「水滴」雨の瞬間を切り取る
1968年「夕立雨」⇒雨どいから勢いよく滴る雨水


さて、そんな彼も人生の課程で産みの苦しみを味わった。
かれは、視たものを見たままに描くことで、生と死に悩む。
あまりに鋭すぎる観察眼と感性は、「死」を目のあたりにすることで、
立ち止まってしまった。


絵から離れ、山野で生活し、動植物と共生をし、一つの世界を
獲得する。
転換期となる作品に生まれた「赤い輪郭」がかれの特徴であった。


現実の視覚にない赤い輪郭を描く。
画風の大きな転換を果たしたといえる。
「谷ヶ岳」「化粧」「裸婦」がその頃の作品である。
すでに、簡潔な色使いで描き出す特徴が生まれている。


最後にかれの言葉を!紹介してまとめとします。
「命や自然は一時もそこに止まる事はない。」
激しく動きつづける、その一瞬を捉える。


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