川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

川越芋太郎の世界へようこそ!
一言メッセージ・「美」の探訪ブログです。短編小説などもあります。

ルビコンの決断:サントリーの逆襲

2010-01-30 15:15:27 | グルメ
「ルビコンの決断:サントリーの逆襲」を視聴して


「え、ウィスキー、そんなに若者に人気なかったの?」

意外である。


人間、自分が好きな物は他人も好きであろうと当然のように
思う事が、こんな現状を知らなかった原因であるという事実。
今回の番組視聴での私の感想である。


私の時代は、ウィスキーは大人の飲み物。
早く、成人してあのウィスキーを飲んでみたい。
結構高いお酒でしたからね。
それが、子供心にありました。


無論、成長し飲んだウィスキーは、なんとも得体の知れない味。
最初は水割りであったかな。
そして、今ではストレートかロック。
わが身の成長というか老化というか、変化を感じますね。


こんな私は青年時代からビールは最初の乾杯のみ。
後は、酒でした。
酒は、日本酒・ウィスキー・泡盛・ワイン。
特に大学生時代のウィスキー遍歴はラベルと同時に、
当時の仲間や女性たちとの思い出まで、懐かしく思い出されます。


バーボンが好きなY君。
ディスコで踊り明かした後は、彼のマンションの近くで夜明けまで
バーボン三昧でした。


欧州が好きなK君は、いつもスコッチを飲んでいた。
こちらは(芋太郎)、お金がなくて、国産ウィスキーばかり。
たまに飲む、スコッチが美味しく、懐かしい。
(女性の思い出は、未掲載・・・笑)


さて、そんな私の時代から、今はウィスキーが飲まれなくなっていた
とは露知らず。
番組で改めて、その販売努力を思い知りました。
さて、プロジェクトX風の内容は他のブログに譲ります。


番組の中で藤井氏(主任ブレンダー)の一言が心に残りました。
紹介させてください。


「ウィスキーに余計な味はいらない。」


いい言葉です。
ウィスキーが生まれて、育つ環境そのものが、「味」だと思う。


「10年。20年先の後輩に渡すもの、それがウィスキー。」


そう、短期的な視野が主流の現代にあり、長い熟成期間を経るウィスキーは、
まさに「年月という時間」を味わうものだと思う。


それは、飲み手の時間をも意味するのかもしれない。
いま、芋太郎の年代になり、ようやく、ウィスキーの味が解るように
なった気がします。
熟成を経る酒はみな同じかもしれません。
泡盛もワインも焼酎さえも。


皆さん、「乾杯」もいいですが、一人「過ぎし時間」を味わう
ウィスキータイムを是非、ご賞味あれ。


そんな時間にぴったりの曲をご紹介。
芋太郎が好きな、鈴木雅之です。


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マイケルジャクソン記念DVD販売

2010-01-27 22:33:14 | 日記
「マイケルジャクソン記念DVD販売」


芋太郎は池袋と新宿駅を利用していますが、
本日は、もう特設売り場がいたるところに出来ていました。
お客様が殺到という雰囲気ではありませんでした。
そこそこでしょうか。
駅中にまでありました。


そう、マイケルジャクソンのDVD販売です。
買われた方はいましたか?
記念に一枚買える方は、保存版として購入してもいいですね。


「いまは不景気だから、ちょっと・・・。」と言われる方は、
本日のNHK11時からのSONGSをビデオに入れましょうか。


どんな内容であるかわかりませんが。
見てみてからのお楽しみです。
宝くじ見たいかな。(笑)


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美の巨人たち:上村松篁

2010-01-26 22:01:06 | 美の番組紹介
「美の巨人たち:上村松篁 親子三代の画家」


本日の一枚は、画業120年、上村家の物語に欠くことのできない
一枚。
松伯美術館の奥に納まる「丹頂」です。


描いた画家は、上村松篁といい、親子三代に亘り、日本画を描いてきた
二代目。
初代の上村松園は、女の美に徹した美人画の大家。
息子である二代目の松篁は、母とは全く違った花鳥画を極めた。
現在の淳之も父親に刺激されて鳥の世界に没頭し、今、白鷹を描いている。


日本画で丹頂を描くという事は特別の意味がある。
京都相国寺「文正の鶴」・・・仏の使いと言われる。
京都大徳寺「牧けいの鶴図」・・・神の使いと言われる。
どちらも、緒方光琳や伊藤若冲が夢中になった傑作である。
上村松篁に言わせれば、天地の霊気を含んでいる。


上村松篁が人生の目標とした絵がこの二枚である。
からは、早熟の天才として、重大で画壇にデビューし認められていた。
20歳で描いた「仏禽涙光」は入賞作品にもかかわらず、その後
絵を披露したがらなかった。
晩年の彼が、本日の一枚を描いたとき、「長年の宿題を果たした。」と
語ったそうである。


二枚の絵を比較すると、鶴の表情一つをとっても違う。
初期の作品は写生に徹したものであり、激しい・厳しい表情をしており、
どこまでも自然の鶴の精密描写でしかない。
ところが、晩年の一枚には、何とも知れない優しさと強さが同居している。」


雄雌一対の丹頂。
静寂の世界にささの葉の雪とあいまって、凛とした空気がみなぎる。
雌の鶴は一本足で立ち、羽根を休める。
その羽根は、雪より白く、命の暖かさを感じる。
雄は、毅然と雌を見守り。
黒と白の羽根のコントラスト。
凛とした姿に、愛と強さを感じる。
1980年の上村松篁の到達した世界がある。


晩年こそ、宮内庁御用達作家として、名声をほしいままにしたが、
その彼でさえも、大きな挫折を味わっている。
彼がひたすら封印した20歳の入賞作品。


母は何も教えず、語らず。
母さえも、二階のお母さんと言うほど、交流がなく、
孤独感を抱え、花鳥の世界に埋没した。
その花鳥画での挫折。
工夫と観察の連続の時間。
やっと20歳の宿題を果たしのが、80歳近くであった。
到達した高みは神々しさと品性を備えていた。


いまは、息子の淳之氏に「白鷹」の宿題を残した。
三代目はもくもくと描きつづけている。
多くの花鳥に囲まれた独自の世界の中で。


リンク先
http://www.gm2000.co.jp/shoukou/tanchou(B).html
短期間:http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/


健康は、水から。
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美の壺:暖炉  NHK

2010-01-23 19:27:44 | 美の番組紹介
美の壺:暖炉  NHK


本日の美の壺は「暖炉」です。


番組で紹介された数々の暖炉のある空間。
「暖炉!いいな・・・。」と思われた方々も多いのではないでしょうか。


実は芋太郎も暖炉が好きです。
30年近く前に、家を建てるとき、暖炉のある家を・・・
考えていませんでした。
あの当時は、今ほど、余裕のある社会ではなかったような。
暖炉、作っておけばよかったな。
万平ホテルや志賀高原の帝国ホテルによく行ったのに不思議だ。
多分、暖炉が恋しい年齢ではなかったのだろうか。


といっても、今は転勤族であり、全然家にも帰れませんが。

さて、美の壺番組に代わり、いつもの3つの壺をご紹介します。


<美の壺1:暖炉が建物の精神を語る>

暖炉には建物の精神が表れる。
建物の目的や施主の考えが如実に現れる建物のつくり。
そして、暖炉こそが、その建物の中心にあるという。
だらか、暖炉は建物を語る。


川奈ホテル(ゴルフ場で有名)の暖炉はスペイン風。
趣向を凝らしたマントルピース。
赤々と燃える炎。
人を惹きつける何かがある。

旧松本家住宅の案蕗はアールヌーボー調の丸いマントルピースが
印象的。
当時の新興層である市民階級が愛したアールヌーボー。
勃興する力がアールヌーボーの美学に共感した新しい時代の暖炉。

和室の暖炉まであり、驚きである。和洋折衷の象徴かな。


池袋の自由学園明日館の暖炉は荘厳である。
大谷石のマントルピースが水平線の建物を連想させる。
フランク・ロイド・ライトの作である。
「一級の暖炉を作れて、一級の建築家である。」という彼の考え方
が反映している。
建物の重心が暖炉にある。
「このような空間で育った人間は精神が違うのだろうな。」と思わずには
いられない。


<美の壺2:暖炉まわりは小さな美術館>

暖炉は、マントルピース・炉・煙道・煙突で構成される。
その中で、部屋の内部に入れば、マントルピースが人目を引く。


西洋建築に欠かせない暖炉は、忠誠から暖炉の周囲の飾り付けにも、
色々と工夫がある。
まず、暖炉自体がインテリアの要であるという発想。
お気に入りのもので部屋を飾り、気持ちも暖める。

伝統的な飾り付けは、左右対称のシンメトリー。
暖炉の上には大きな鏡で光を協調する。
さて、あなたならどのようなものを飾りますか。


<美の壺3:炎を五感で味わい尽くせ>


暖炉は、どんな電球よりも明るい。
明るいとは、温かみがあるという意味也。
炎を目でみて、耳で聞き、温度やゆらぎで暖まる。
どうやら、現代人のようなストレス社会の人間には、
最適な暖房器具と空間であろう。
薪の材料を替えるだけで、風情も変わるそうだ。
ナラ・クヌギは長時間用。
さくらは、香り豊かな時間を演出する。


芋太郎も番組内の暖炉の傍でウィスキーをいただきながら、
寛ぎたいものだ。


さて、暖炉の空間は、家族の集まる場所でもある。
個人主義の西欧において、人々が集まる場所として、
食卓と暖炉が欠かせない。
「日本でも部屋に引き篭もる家族」から「暖炉に集まる家族」に
代わる動きが見られる。


いまや、暖炉は静かなブームである。
本来は、建物の重心である以上、建築当初に作るはず。


しかし、北欧型の暖炉が人気を博している。
それは、暖炉を追加することが容易であるからだ。
ストーブ的発想である。


本来の建物の重心から家族生活の重心と「暖炉」の性格が
変容したのかもしれない。
集合住宅や狭い都市空間の影響かも知れない。
それ以上に、ストレス社会からの逃避を願う人々が多い
のかも知れない。


「暖炉」、いつかは欲しいものだ。
暖炉のあるマンションの共有空間もいいかもしれない。
一階のフリースペースなどよりも、現実的である。
住人の交流が盛んになることが請け合いできる。
スポーツ事務のあるマンションより現実的だ。
住人の層をもう一度考え直す時期であろう。
若い夫婦中心の生活空間から色々な年代のいる空間つくりへ。


不動産業界も生活様式の提案をすることを考えたいものだ。
これからは、不動産は不況業種なのだから。
日本の住環境を創造するぐらいの気概が欲しい。
建築基準法がネックなのかもしれないが。(笑)


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大正ロマン手帖

2010-01-23 15:07:18 | 「美」発見
「大正ロマン手帖」  編集:石川桂子  出版社:河出書房新社



最近は、「かわいい」が流行である。
といっても、日本の話ではない。
日本では、今に始まったことではない。
世界中で日本の「かわいい」者達が大活躍しているという。
ポケモンからAKIBA48まで。


さて、本日の紹介は、上記書籍。
芋太郎が「かわいい」というのは、AKIBA48ではなく、
あの「大正ロマン」の世界である。
大正というたかだか15年の時間に咲いた一輪の花。
そうしても、「かわいい」といわれると、彼等の描く「少女雑誌」
の世界を思う。


実は、この旅、ノスタルジック&モダンの大好きな大正時代の
少女たちが小冊子で芋太郎の前に現れた。
お堅い書物を読んだ後や音楽を聞きながら、ついつい眺めては
自分の世界に浸る癖が、なんとも気持ちよし。(危ない?)
タイムマシーンのような本である。


ぜひ、皆様にも紹介したい。


とはいえ、少女雑誌の世界を文章でご紹介しても全然面白みも
醍醐味もない。
そう、これは是非、お手元に置いていただきたい。


代表的な画家として、
初期の高名な竹久夢二。
上野界隈を散策する芋太郎の好きな美術館で見られる。
はかなく、センチメンタルな世界を連想する夢二の世界に浸りたい。


高畠華宵は、独特な目線が艶やかである。
少しばかり、色っぽい。
服装のセンスも現代流に言えば、ナウイ。


加藤まさをは、芋太郎が青年時代にあこがれた世界そのもの。
高値の華の少女たち。


蕗谷虹児(ふきやこうじ)を知る人はこの道の「通」であろう。
緻密な筆遣いと理知的な主人公がハイティーンの趣を出す。


須藤しげるは、まさに、挿絵にふさわしい。
何気ない情感がたまらない。


他にも多くの画家が紹介されている。
必ずや、自分の好きな一枚が見出せると思う。


話は変わるが、以前、美の壺という番組で少女雑誌を取り扱っていた。
参考にしてみてください。


大正時代の息吹と香りを感じながら、一時を過ごすのも悪くない。
コマーシャルという側面からも学ぶところは有るかもしれない。
芋太郎は純粋に美的鑑賞に始終してます。


懐かしさがあるのです。無論、芋太郎は大正生まれである訳がない。
でも、昭和の息吹とダブル何かがある。
懐かしく、寂しく、それでいて安らぐ世界。


一杯のコーヒーを片手に、大正時代にタイムスリップしましょう。


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ビオラが鎮座する机で思う事

2010-01-22 21:51:40 | 日記


ビオラが鎮座する机で思う事


写真はビオラです。
我が家の小さな花壇で咲いた“ビオラ”です。
小さいながらも、私の机上で大きな顔をしております。
緑のある部屋や机上、安らぎませんか。



<さて、最近の報道を聞いて思うこと>


まず、外国の話から。


そう、米国大統領のオバマ人気に翳りが出始めたとう話。


経済面での失業率の高止まり。
国民保険制度導入の是非問題からの不満。


そう、米国らしい。
日本人は兎角、米国は一枚岩と考えがち。
自助努力というか、個人責任の意識が高い側面がクローズアップ
されていようだ。


とはいえ、米国の経済的現状からすれば、
オバマ大統領の選択肢は少ない。
どうやら、不景気の黒煙は燻りかけており、夏と年末に再燃する
可能性があるかもしれない。


話が変わるが、日高義樹のワシントンレポートで高名な
キッシンジャー博士が「年末までにうまく回復への方向性が
示されなければ、予算切れで危ない状態になる。」
と言うような発言がありました。


“当たる?当たらない?”というよりも、
米国のエスタブリッシュメントである同氏が言う以上、
そのように考える層が多くいると思うべきであろう。


投資をする方々は、よくよく、7月と11月に注意されたい。
ある程度の兆候がでるのが、その時期ではあるまいか。


一方、国内では、相変わらずのスキャンダル問題。
予想はされていたが、民主党たたきが始まるようだ。
日本のマスコミや情報操作を行う組織がいよいよ動いた気配がする。


その場合、小沢発言の米中日の三角関係に注目している。
「正三角形だとか、直角三角形だとか、はたまた二等辺三角形か」と
マスコミが喧伝するが、実は次の点に注意する必要があるのでは
あるまいか。


まず、米中との距離関係
日米同盟と民主主義とう建前上、米中と等距離での関係はない。
そう考えるのが一般的。
共産党独裁・非民主主義・軍事拡大主義の中国との関係が米国との
関係と同じ訳がない。」という意見がマスコミの体制。
果たして、そうであろうか。


鍵は、もう一つの関係にあると思われる。
それは、日本の立つ位置である。
「対米従属でも、対中従属でもない。」と暗に示唆している感がある。
これは、米国、特に日本を潜在的な敵国と考える層に大きな危機感を
抱かせている。
ましてや、小沢大軍団の訪中やら、天皇陛下会見問題、普天間基地問題
等、疑心暗鬼の種は尽きない。


最近の報道やらリークはどうやら水面下の動きが活発化していると思う。
考えすぎだろうか。
田中角栄のロッキード問題もそうして、リークが始まった。

モーツァルト:フリー・メーソンのための音楽
ロンドン交響楽団 ケルテス(イシュトヴァン),クレン(ヴェルナー),クラウゼ(トム),エディンバラ音楽祭合唱団
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聖マタイの召命

2010-01-19 21:14:47 | 美の番組紹介
「美の巨人たち:聖マタイの召命」 カラバッジオの世界


ミケンラジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは、意外と知られていない。
ミケランジェロといえば、有名な人物がいる。
ここではく別するために、カラバッジオと呼ぶ。


本日の作品は、1599年から1600年に掛けて、サン・ルイジ・ディ
・フランチェージ聖堂(ローマ)コンタレッリ礼拝堂の新作画として、
大きな反響を得た一枚である。
暗い殺伐とした部屋の中で、男たちが「金」勘定をしている。
そこに、珍入者が2名、それは眩い光を纏い、金色の輪を頭上に頂く人物
とその使途。
そう、イエスその人である。


そのイエスが指を指し示し、使途となることを要請した人物。
イエスの指差す人物こと、後の聖マタイ。
さて、聖マタイがどの人物か。


カラヴァッジョの人生を纏めると、絵画以外では自堕落なものであった。
飲んだくれであり、暴力沙汰が多く、殺人までも犯してしまう。
そんな彼の唯一の取得であり、最大のものが絵画であった。
人々は、「呪われた天才」「魔性の筆」というぐらい、絵画の腕は、
天才的であった。


実は、彼の作品を貪るように学んだ芸術家がいた。
後のベラスケス・レンブラント・ルーベンスである。


本日の一枚も、従来のフラスコ画から離れ、油絵で描き出している。
描かれた人物は彼自身の仲間たちがモデルであり、
おれは、「今を生きている生活の中に神はいる。」との主張であるかのように。

彼の画才を評価した枢機卿の庇護の元、この絵が完成した

「トカゲに噛まれた少年」では、「快楽に溺れる事なかれ」と主張し、
「くだもの籠」では、「生から死の瞬間」を描き
「いかさま師」では、絵の動きによる躍動感を極めている。


彼は、貧困と孤独の中で生まれ育ち、憎悪と侮蔑の中で生き、
病める自分を爆発させながら、生き抜いた。
彼の残したものは一体なんであったのだろうか。
それを最も知っているのが、あの3人なのかもしれない。
ベラスケス・レンブラント・ルーベンスア。
光と影の芸術家達。




消えたカラヴァッジョ
ジョナサン・ハー
岩波書店

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美の壺:富士山

2010-01-18 20:59:30 | 美の番組紹介
「美の壺:富士山」NHK

今回のテーマは「ふじさん」
日本人にとり、「ふじさん」には、色々な思いが凝縮している。
富士山であり、不死山であったり、聖なる我が山であったり。

竹取物語のかぐや姫が帝に渡したとされる不老不死の薬を、帝がかぐや姫の
いない世界を嘆き、日本一の山の頂きで処分したときから「不死山」と
言われて、聖なる山として、この漢字が当てられた。

無論、是だけではない。富士には今日まで色々な思いが込められている
ようだ。


<美の壺1:自分だけの富嶽一景を捜す>


富士を描いたり、撮影したりする人たちが古今より大勢いた。
朝日・夕日の照らし出す冬富士を紅富士といい、雪の少ない季節に朝日や夕日で
地肌を染めた富士を赤富士という。
湖面に映る富士を逆さ富士として味わう。


また、遠景としての富士も魅力がある。
都会・町並みから見える富士。
北斎の富嶽三十六景も樽越しに描いている。
また、ダイヤモンド富士のように、一瞬に見える富士を味わうこともある。
富岡鉄斎の「富士山図屏風」のような特徴的なものもある。


<美の壺2:画家の心で富士山を見る>

物を見ていると物に引きずられる。自分の創造物が生み出せない。

実は、北斎の逆さ富士は実物の描写(実世界)は夏で、湖面に映る
富士は冬の景色である。
このように、心像で描いた富士山は多い。
ぜひ、多くの描きだされた富士をご覧頂きたい。

番組の中での画家の一言に注目した。

「富士山の高さがユ-トビア。現実の高さでもなく、それ以上高いと
宇宙の闇の中であり、色彩がない。」


<美の壺3:富士山は遠くにありて思うもの>


富士登山ができる人々は、昔からある程度の富や時間を有する人々で
あり、さらに、女性はご法度であった。
多くの庶民は、霊峰富士に登ることが出来ない。
そこで、日本全国に登場したのが、ミニ富士である。

富士塚として、富士山のミニチュアを作成し、神聖な富士山に登り、
身を清めた。

銭湯に描かれた富士もこのような思いで眺めるとまた、違った側面が
感じられる。

外国への移民の人々も、かの地で、富士山に似た山を見つけては、
霊峰富士を拝み、日本を思ったようである。
国内でもオラが村の富士山が多数あることは知られている。


現在、私たちの周囲にある色々な富士山をもう一度、眺めなおして
見たいものだ。
そこに、新たな発見があるかもしれない。


富士山は、魅力的な山である。
孤高で凛とした姿が芋太郎は好きだ。



風呂のタイルに貼る富士山の写真ー7

ワールド海綿株式会社

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バカラお勧めページ

2010-01-15 20:33:22 | 短編集バー物語
「バカラお勧めページ」


ご承知のバカラ!
フランスはパリから400kmの片田舎、バカラ村。
実はここに、24名のMOF(フランス大統領から優れた職人へ
与えられる栄誉)がいる。


17世紀、英国発のクリスタルガラス。
偶然の産物であるが、酸化鉛を原料に混合し、推奨の様な輝きを生む。
ブランスでは、1764年にフランス国王ルイ15世より工場設立の許可が
出て以来1855年には、パリ万博で金賞を受賞し、評価は世界中に
伝播した。
1896年には、あのニコライⅡ世が注文したグラスセットと大燭台が
有名である。


バカラの商品の一つ一つのモデルが公爵・伯爵家あるいは有名人の
オーダーによるものが残っている。
芋太郎が好きなものである、

タリランは1939年 外交官タリランにちなんだもの。

パルメは、同年 図柄の優雅さが好きである。
バカラ(Baccarat)パルメ オールドファッション 516-238 【並行品】

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マッセナは比較的最近である1980年、ナポレオン時代の陸軍元帥の名前。
 グラスのイメージは優しいのですが・・・。
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ペアで12000円台で購入できるバカラを自分達にご褒美したい!

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国民読書年:本を読む国日本づくり

2010-01-15 20:20:03 | 知恵庫先生の講座
「国民読書年:本を読む国日本づくり」


読売新聞新春対談集として、平成22年1月10日掲載の
「活字文化と言語の世界」と題する記事をご紹介します。

なお、同新聞からの転記と芋太郎の意見をお届けします。


まず、最初に皆さん、驚いてください。

なにを?

53%という数字が何を意味するのか?

読書率かな?
結構よんでいるのかな?


いやいや、逆ですよ。
本を読みない人のパーセント!
しかも、1ヶ月で1冊も読まない人が、なんと半数以上に登る。


う~ん、日本も終りか?
嘆いているのは、芋太郎だけかな。
「オレも私も読んでまいせん。」とう声が聞こえ来る。
ブログは読むけど。(笑)


もう少し数字の話。
70歳代は70%の人が読まない。(老眼で読書が不向き?)
我が家の母は、時折帰省するが、茶の間に本があったな。
たしか、すでに70歳台中頃になる。


50歳代も48%が読まない。(忙しいか。経済的に暇なしかな。)
20歳代も41%が読まない。


読まない理由の上から順番で言えば、
時間がない(51)、本がない(21)、本以外で知識や
情報を得られる(18)
だそうです。( )内の数字はパーセントです。


皆様はどう考えますか。
確かに今の若者は、ゲームやネットや携帯やら多忙なのでしょう。
しかし、これらの機器で充分に代用が可能でしょか。


答えは、「否」ではないでしょうか。


川端現文部科学大臣の話ですが、
1、 日本人の言葉の力が劣化している。
2、 生徒・児童の暴力行為が増加しているが、言葉で伝えきれずに
もどかしくなり、暴力に走る傾向がある。
3、 大人でも、相互のコミュニケーション能力が低下し、相互理解
に不測の状況が発生している。
4、 メールやネットで見ることと本を読むことは別ではないのだろうか。
との見解を披露していた。

確かに、全てが読書をしないことが原因ではないが、重要な要素の
一つであろう。



芋太郎の子供の頃は、次のような状況であった。

1、 テレビの普及が開始され、テレビに夢中になっていた。

2、 テレビ以外でもラジオや蓄音機が出始めて、夢中となる。

3、 でも、読書は1週間に最低でも1冊は読んでいた。

4、 高校時代は、新書(岩波)を友人と交換しながら、2~3日で1冊は
読んでいた。(受験勉強とは別に)

5、 進学校であったが、スポーツも盛んであった。


どう考えても、読まない理由に納得性が見出せない。
「時間がない」を理由にしているだけ。
興味のある本がないのも同様。(日本ぐらい多種多少の本出版されている
国家はない。)
別の理由があると思われる。


実は、同紙にも、次の記載がある。
15歳の高校生の調査で、「趣味で読書することはない。」が
55%であるそうだ。全世界でも群を抜いて1位だそうです。


だめだ。
芋太郎は悲観的になった。
光もあることが次の段落にあった。
本を読む小・中学生が増加している。
朝の読書が、クラスに静寂と集中力をもたらしているとのこと。
読書派の芋太郎としては、一安心。


読書の進めを林真理子さんが語っていた。
「読書が知力についての一種のインフラ作りになっている。」
「人間の言語能力というのは、全ての能を刺激して、いずれ来る日
のためにエネルギーを蓄える。」
「読書好きは素晴らしい。」との内容でした。


文字・活字文化推進機構会長の福原義春さんは、
「戦争で学校にもいけずに、家にある本を本でいました。」
「ずっと就職出来ないときも、本を読んでいれば幸せな気分になれた。」
と、回顧していました。


芋太郎の子供の頃の夢は、書斎のある家。
書斎といっても、大きな部屋一杯の書物とクラッシックな椅子と机。
そこで、読書をしながら優雅にコーヒーやウィスキーを頂く。
これが、到達したい大人のイメージでした。
友人の父親がそんな部屋を所有していました。


いまだ、転勤族で実現しておりませんが、書籍数や調度品は大分貯まり
ました。実家の部屋は書籍の倉庫です(笑)
はやく、引退して暮らせるようになりたいな・・・。
読書バンザイ!
本を読む国・日本をめざして・・・頑張って働きましょうか。


ご紹介:参考にいかがですか?
「ぼくらの頭脳の鍛え方」文春新書 著者:立花隆・佐藤優
副題:必読の教養書400冊


子どもが本好きになる七つの法則―10才になるまでに、親がしなければならないこと
有元 秀文
主婦の友社

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「美の巨人たち:柴田 是真」

2010-01-13 22:34:15 | 美の番組紹介
美の巨人たち:柴田 是真


柴田是真を知っていましたか?

「はい」と答えられる人はかなりの日本通です。
実は、本日紹介された一枚は、「花瓶梅図漆絵」と普通のようで、普通でない一枚です。
一見してみてください。
木の板に描かれた花瓶の図。
漆を馳駆した漆芸が変わっている。

いや、それだけではないのです。
和紙に描かれています。
耳を疑いたくなるような質感です。
実は、あたかも木に描いたように見えますが、全て和紙です。


「ばかな!」
はい、その秘密を本日は紹介ただけるそうです。


柴田是真は、江戸領国の宮大工の家に生まれ、幕末期に蒔絵師古満寛哉に
弟子入りし、基礎を学ぶ。
その後、蒔絵師は人の絵に蒔絵を施すという旧来の前提を彼は嫌い、
円山四条派に学び、後に自ら創造した絵を描き出すことに精力を傾ける。
絵師是真誕生である。


構図は大胆に、機知にとみ、急速に絵師としての認知を得る。
当時は、天保の改革の影響下にあり、質素倹約の時代。
その後、漆芸では、少量の漆で描く工夫として、青海波塗りを完成する。

紙に漆で描くことは、粘り気のある漆を縦横に利用しなければならない。
接着剤として利用された漆で絵を描く、しかも紙に。
誰しもが不可能と考えるだろう。
それは、気の遠くなるような時間と根気の連続であった。
是真は数々の独自の技法を生み出し、板に描くことから究極の紙に
描くことに成功したといえる。


西欧画への挑戦を日本画、漆で成し遂げたといえる。
西欧画に負けないという自負と野心の作品がそこにあった。
漆は安定性が高く100年を経過しても色褪せる事はないという
長所も持ち合わせている。

是真の貴重な一枚がウィーン万博に出品した「富士田子浦図」であろう。
そして、漆絵の最高傑作が本日紹介のこの『花瓶梅図漆絵』です。
まさに、ミスタージャポネスクであろう。


彼の作品は、都内王子の王子稲荷宝物殿にも、その一枚を見る
ことができる。

紙に描きながら、木に書いたように見せる方法に、究極技として
「紫檀塗り」を生み出す。
紫檀に描いたように、紙に紫檀を描いてしまう。
超絶技法!
紫檀の木目を紙に再現したのである。

考えられない技法は、時間と労力と熱意の成果である。
薄皮一枚に全てを描いた是真、芸術界の幕末の獅子である。
従来の工芸から芸術に漆を高めた騙し絵こと漆芸は我々が世界に
誇れるジャネスクである。

<ご案内>
「美の巨人たち」が動画で再度見られます。
http://video.search.yahoo.co.jp/search/video?tt=c&ei=UTF-8&p=%E7%BE%8E%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1


鳳凰205E カメラ

PHENIX

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ウィスキーお勧めページ

2010-01-11 19:24:54 | 短編集バー物語
「ウィスキーお勧めページ」


ウィスキーは、別名オー・ドー・ヴィー(生命の水)と言われる。
錬金術の申し子として、健康・医療へ効能薬として長く愛飲されて
きた。
現代でも、ストレスや数々の効能物質が認められている。


熟成とう過程が、色々の思いを生む。
有名なブレンダーである輿水精一氏の言葉を拝借する。
「熟成というのは、そのほとんどを自然に委ねるしかない。
人が出来ることは見守ってやることだけ。」
含蓄のある良い言葉である。
人生そのものでもあろうか。


ブレンドという言葉もまた、ウィスキーに関係が深い。
「キャラクターである原酒は多種多様がある程良い。
奥行きが出来ることもある。」
オーケストラの楽団員と似ているといわれる。
無個性な集団ではハーモニーは生まれない。
それこそ多様な構成員をコンダクターが調和し、
ハーモニーが生まれる。


日本文化はウィスキーに良い効果を生んだ?
自然の側に身をおく日本文化はウィスキー作りに効果あり。
本家を陵駕できるか!


とはいえ、完成された味はいかがなものか。
人間そのものが未完成である。
人間は未完成のものに、魅力を感じるのも事実である。
そんな人間が心から味わいたいウィスキーとは?
少しばかり首を傾げたくなるような部分を残すことが重要。
「破調」
成功と失敗は紙一重であるという。


日本のウィスキーのご紹介


宮城峡とカラメル味の甘菓子
山と和三盆
余市と蟹
響とフルーツ
が芋太郎の好みです。(笑)
皆様も自分の好みを発見してみませんか。



レア商品のお勧め↓

イチローズモルト  ナンバーワン 1988 55.6° 700ml 在庫少
イチローズモルト
羽生蒸溜所

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アニメソングと日本文化

2010-01-08 22:51:06 | 日記
アニメソングと日本文化

懐かしのアニメソングCD未収録セット~作品別CDシングル豪華6枚組の巻

株式会社ポニーキャニオン

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題名は大層大げさであるが、単なる所感です。
実は、本日、体調不良にて、休暇中にTVを観ました。
NHKの金曜バラエティー<アニメソング集>です。


お二人の懐かしいアニメソンガーが登場して、トークと
歌の番組でした。
無論、歌は懐かしく、芋太郎の少年時代から成年時代を彷彿させる
瞬間でした。

歌っていいな。
いくつになっても、歌えてしまう自分はアニメオタクなのかな。


さて、実は芋太郎が心に残った一言がありました。
水木一郎さんと堀江美都子さんのトーク中の一言。


「最近は世界中でアニメソングが人気なのですよ。」
「海外でのコンサートも行われ、実をいうと、海外ですから
英語や現地の言葉で歌う必要があると考えていましたが、
全く逆です。海外の人々は、ぜひ、オリジナルで歌って欲しいと
言われます。」


うーん、うわさには聞いていましたが、やはり現在の海外の若者
は、翻訳ではなく、オリジナルをそのままの形で理解するらしい。
無論、文化や言語の違いがありますが、手を加えられていない
オリジナルのマンガを見て、主題歌を聞いて、理解する。
「すごい」の一言です。


わが身を振り返れば、確かに、当たり前でも有るかもしれません。
青春時代には、ポップスやアニメの他に、海外の音楽をオリジナルの
英語で歌い、理解していました。
これと同じ事かもしれません。


しかし、アニメやゲームはそれ以上であると考えます。
歌は3分のドラマと確か昔の作詞家が言われていましたが、
アニメやゲームはまさに、ドラマです。
日本のアニメやゲームは単なる勧善懲悪の世界でもなく、深い人生感を
漂わせているものが多数あります。

その意味では、かつての日本における洋曲以上の影響があるでしょう。
ビジュアルという側面や簡易性という長所を携えて、計り知れない力を
秘めています。


これは、敵わない。
日本の政治家がなんと言おうが、世界の大衆・市民は、メディアを通して
日本文化を媒介に、日本を猛烈に吸収しているようです。
先が楽しみでも有ります。


かつての浮世絵や彫金などの芸術が欧米の芸術文化に深く影響した以上に、
多くの影響をもたらすのではないでしょうか。
その意味では、アニメ作家の皆さん・アニメソングの関係者の皆様、
頑張ってください。
期待しております。
肩に力をいえずに、自然体で大志をまっとうしてください。


終りに、懐かしいアニメソングをありがとうございました。


懐かしのアニメソングメドレー

アポロン

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美の壺:絢爛豪華(着物スペシャル)」

2010-01-07 14:14:02 | 美の番組紹介
「美の壺:絢爛豪華(着物スペシャル)」お正月特集


本日
の美の壺のテーマは、正月にふさわしい着物です。
過去の放送分も含めて、着物を鑑賞する壺を紹介いただけます。
これからは、着物を見たら、じっくりと鑑賞できますね。
ただし、世の男性諸君、くれぐれも見つめすぎないように。
いらぬ誤解のもととまります場合もありましょう。(笑)

着物といえば、日本が世界に誇る美
艶やかさや日本美の典型として紹介される場合が多いですね。

見所は、多様な色・精緻な模様・驚きの作成技法など、
どれをとっても壺になりますね。


<美の壺1:白い線が生む自由な絵柄>

白い布地に描き・染め上げるわけですが、
友禅染の世界では松などの絵柄で生命力を表現し、精緻な文様
で技術力を表現しておるようです。


文様と文様の間になる白い輪郭ことが、技そのものです。
古くは楊枝を利用し、手がきで糊を入れ込みます。
線の太さを調整しながら生き生きと表現する職人技です。
この糊により、他の色と混ざり逢う事を防止し、精緻な文様を
可能としました。
江戸時代の後期までに技の原型が完成したようです。


<美の壺2:帯結びが表現する女心>?

帯びは着物を結び、留める道具ですが、本来の細い紐から
江戸時代より巾が広くない、同時にファッション性が高くなります。

だらり結びは帯びの美しさを鑑賞するには最適です。
太鼓結びは、昔から庶民・芸者の間で人気となりました。
文庫結びは、現在は花嫁衣裳で利用されますが、
当時は武士階級での利用にて、
解けことから、毅然とした雰囲気があります。
立て矢の字結びは奉公する娘さんが利用したことで、
現在は若い女性の利用が。

特徴的な結びとしては、島原結びなどもあります。
当時の島原太夫が心の字を表現した結びとして、誇り高さを表現した
と言われます。

帯一つの結び方で、女性の様々な思いが込められていると言います。

女性だけでなく、男性の着物も特徴があります。
当時の男性は、歌舞伎者に代表されるように、大胆な色使いが流行します。
しかし、江戸期の質素倹約の時代を経て、表面に派手さから「粋」を
求める流れに次第に変わります。


細かい文様で手間隙を表現したり、「裏勝り」といわれる着物の裏に自らの
工夫や主張を表現したようです。
見えないところに喜びを秘める。
日本精神の「粋」が着物にも根付いたようですね。


<美の壺3:絞りの生み出す文様の小宇宙>

着物の作成技法として、「しぼり」と「かすり」が紹介されます。

【絞り】
一つ一つの文様が微妙にことなる。
手作りの微妙さ。
これは、その製作過程にある。
色を付けたくない無の字に糸を絡める。着物によっては、何十万個の
絡め作業が行われます。
それを染色し、染色後、また一つ一つの糸を戻します。
なんとも膨大な手作業です。
着物が高価なのも納得ですね。

<美の壺4:手作業が生むかすれを味わう>

【かすり】
これは、布ではなく、さらにその前の糸自体の段階で色調整を行います。
糸を染め上げる。
絞り自体を布ではなく、糸に行うと考えればより。
出来上がった白と色付きの糸で布を織る。
こちらも大変な作業ですね。


<美の壺5:花嫁を引き立てる3つの色>


3つの色とは、白・赤・黒です。

白は、清らかな色として、神前にふさわしい色とされます。
赤は、めでたい色として、花嫁を艶やかに見せます。
黒は、当為高価な色でして、文様を初め、刺繍などが綺麗に
みえる。

江戸後期の婚礼にみる衣装直しの典型的な色合いです。
当時の結婚式は、たそがれ時から始まります。
女に黄昏と書いて、「婚」です。
ほのかな明かりの中で生える色合いが採用されました。
金なでは、その典型です。


着物は、衣装です。(本日は番組の壺と数が違いますが
悪しからずご了解願います。)


芋太郎の刀の下緒に利用してます。

振袖用帯締め「古典平締め 紅白」
京都きもの町


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美の壺:蔵

2010-01-02 17:23:46 | 美の番組紹介
「美の壺:蔵」 NHK教育


再放送での二度目の視聴を昨夜いたしました。
大晦日から元旦にかけて、ついつい見てしまいました。
谷啓さんの懐かしい顔がそこにありました。

さて、テーマは「蔵」
これまた、芋太郎には子供の頃から懐かしい風景です。
川越育ちの私には、蔵はなんとも言えない郷愁を誘います。

探検と称して子供たちが暗い蔵の内部で秘め事をした日々。
黒い漆喰の壁は、暗闇で怖いというよりも、大人の大事な玉手箱
みたいなものでした。
これは一つ探検するしかない・・・。

無論、芋太郎の自宅には、蔵はなく、友人宅の話でしたが。

そろそろ本題に入りましょう。


<美の壺1:壁の幾何学文様に機能美あり>

番組では、倉敷を紹介しております。
白壁の町、倉敷。
女性たちに人気の観光スポットです。
倉敷は、江戸時代から中継貿易地として栄えます。
商品や米の蔵が建てられた訳です。

「蔵を持つ」ということは、蓄えの倉庫を意味し、富の象徴で
ありました。
何時の世も、贅沢が文化を生み出しますね。
・・・感慨深いですね。

ここまでなら、蔵は単なる倉庫です。
現代の無味乾燥な倉庫と何ら変わりません。
しかし、この先の話が続きます。

土蔵は本来防火機能として、生まれました。
竹や木の骨格に土を塗りつける。
(芋太郎が子供の頃は、我が家の壁もこの土塀でした。)
厚い土塀が内部を火災から守ります。
窓や入り口からもほんの僅かな火の粉も入れないように
工夫が凝らされていました。

この土塀の防水機能を強化するために、活用されたのが、
漆喰です。

蔵の実用性追求は、壁ばかりではなりません。
軒にもその工夫があります。
軒は火災時の熱がこもり易い。
軒を短くすれば、この度は雨による壁の損傷が気になります。
防火性と防水性を一度に高める手段が漆喰。


<美の壺2:漆黒の壁に輝きあり>

江戸時代日本全国に白い蔵が広まります。
さて、実を言うと、芋太郎の故郷である、川越の蔵は黒です。
「江戸黒」と言われる、光輝く黒です。
白の漆喰の上に、紙一枚程度に黒の漆喰を塗ります。
白に黒を重ねる事で深みのある黒が生まれます。
絹の布で磨き、とのこを塗り、さらに人間の手で磨き上げます。
まさに、職人技です。

こうして生まれた黒漆喰の壁は、顔が映るくらい輝いています。
触ると瀬戸物のようにつるつるすると番組でも説明されていました。
この黒は、かなり高価なものです。
川越でも、通りに面した豪商の蔵がこの様式です。
最高級の煤が使われた黒ですから。


<美の壺3:蔵内部の贅を楽しむ>


蔵そのものが、富の象徴ですが、さらに、内部をいろいろに利用
したものが全国各地に見られます。


蔵は日本人の生活に溶け込み、更なる贅の高みに上ります。
蔵というより屋敷全体を蔵に入れてしまったような建物。
蔵座敷と呼ばれるそうです。


城が武士の贅の場であったように、蔵は商人の贅や粋の場で
有ったのかも知れません。
だからこそ、ハイカラな異空間として、現在も人を惹きつける
のかもしれません。
建築主やそれを守りつづけた人々の思いが感じされます。


最近、清貧の思想が話題ですが、清貧だけでは文化は育ちません。
そんな感想をもった時間でした。
一度、関東の方は、川越を
瀬戸内の方は倉敷を
東北の方は喜多方を
訪れませんか。

では、本年も良いお年を!
みなさまのご健康と繁栄が末永く続きますように。
ブログをお読いただきありがとうございました。


小江戸川越見て歩き (見て歩きシリーズNEW8)

幹書房

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