美の壺:京の坪庭
本日のテーマは 古都、京都の坪庭。
番組でとのように料理してくれるのか興味深い。
風情あふれる街並に軒を連ねる「京町家」と呼ばれる
家並。
間口が狭く奥に細長い町家はウナギの寝床とも言われ
京や江戸の町家の特徴である。
昔は間口に税金がかけられたとかで。
番組の一例から築100年程度年町家。
玄関を入って、すぐに見えて来るのが…坪庭です。
そして建物の奥にも、もう一つの坪庭。
この坪庭こそがさまざまな美を生み出すという。
坪庭とは、四方を建物などに囲まれ、借景のない庭の事
をいうそうです。
部屋に座って眺めて楽しむことが基本。
坪庭にあるのは灯籠、常緑樹、手水鉢、さらに好みで、
庭石などを置きます。
基本の必須アイテムにプラス光が加わり、極上の美が
生まれます。
<美の壺1:光は庭の演出家>
「庭の楽しみ方は朝昼晩それぞれにあるという」
朝・・・まぶしいばかりの朝日
しかし、むしろ朝日が直接当たらない壺にはの隠れた美
に注目せよ。
西向いてる座敷っていうのは朝日の恩恵はない。
しかし、蔵の白壁に朝日が射してその反射光を楽しむ
という趣向がある。
なる程・・・。
室内に目を向けると・・・
床に木の陰が映し出されています。
反射による柔らかい光が生む、極上の朝。
建物と光が織りなす、一瞬の美。
昼・・・日が高くなると、西の坪庭に燦々(さんさん)と日差しが
降り注ぎます。
一方、東側の庭はあえて開口部を狭く作ってあり、
日がほとんど入らない、ほの暗い「陰りの庭」。
実は二つの庭の明るさの違いに、ある秘密が隠されているのです。
京都の夏を少しでも涼しげに過ごすためには風通しというものが
一番大事。
風通しを良くするために敷地の中に二つの庭を造り、しかも一つを
かげりの庭にする。
こうして、温度差により、外界に風がなくても家の中で風が作れる
ようになってる。
二つの庭に温度差が空気の対流をおこし、家の中に心地よい風が
流れるという仕掛けです。
手水鉢の水面に映りこむ、明かりの風情を楽しみます。
坪庭の眺めは、朝、昼、晩、飽きることがありません。
晩・・・灯篭の灯、手水鉢の水面が醸し出す、幽玄の世界。
外界から遮断された坪庭だからこそ、楽しめる魅力がある。
生活の中で、小さな美を味わう。
見て楽しむ美しい庭。
暮らしに潤いを与えるという。
コンクリートや石の壁で覆われた西欧の壁
自然の魅力を壁にもたらす壁紙の存在を前回の美の番組で
教えてくれましたね。
そして、日本の住宅は、壁を取り外し、庭と室内の一体感を
味わう。
まさに、壺にはことが、日本の自然絵画ですね。
<美の壺2:空白が生み存在感を見よ>
小さな空間に生まれる光の芸術。
50年以上にわたり四季折々の姿を写真におさめてきた写真家
の言葉。
坪庭の魅力は?
「庭空間を機能的な採光と通風、京都人が考えだしたのが
小さな庭空間!
鑑賞的に見て楽しむ美しい庭
を作り出した。」
光がもたらす坪庭の、心地よさが、暮らしに潤いを添えます。
さらに、空白に注目です。
京都の作庭家の言葉。
「狭いだけに本当に余分なもの、殺し合いしてるものがあると
それだけでその坪庭は活きてこない。
研ぎすまされてそぎ落としてぎりぎりのとこで必要なものだけが
ある」
番組では、もみじを生かす空白の撮り方を紹介していました。
空白が生み出す存在感
坪庭の造り方。
メインになるものを決める。
それをいかに活かすかそういうことになるという。
雑然としていた空間をすっきりさせる。
さらに、面白い言葉がありました。
「何もない空き地には空白は生まれない。木を植える事で活きた
空間にこしらえて行く」
なる程、ですね。
植栽を、壁際に集中的に並べることで、庭の中央の、何もない空白
部分を際立たせます。
モミジも少しずつ刈り込む。
ここにも空間を創造する。
モミジの木自体にも空白を作る。
部屋に座って楽しむ坪庭。
小埜さんは、その目の高さで、指示を出します。
地面を一つの色で統一する事で、庭全体を広く見せる工夫など
は、ベランダにも応用ができぞうです。
坪庭の美は、私達のマンションベランダの美にも活用できる。
<美の壺3:坪庭に託された人々の思い>
最後は坪庭のある暮らし。
この庭のそばにいると、なぜか仕事がはかどる。
「1年の四季を感じながら、ちょっと横を見ながら坪庭がある、
仕事もゆったりした感じでできて、良いものが出来る。」という。
坪庭は住む人を癒し、その感性を耕す、よきパートナー。
坪庭の空間には、さまざまな願いや祈りも託されています。
亀の形をした亀石
頭をもたげた鶴のように見える鶴石
それは、家族の長寿と健康への願いをこめた庭石。
代々続く町家の坪庭には、こうした縁起物も少なくない。
江戸時代に書かれた造園書には、坪庭に神が宿ると記されて
います。
坪庭は昔から一種のパワースポットとして大切にされてきました。
家族に災いがおこらないようにと植えられた南天の木
商売繁盛の願いを込めた万両。
どの家の庭にも守り神が宿っている。
坪庭に面した縁側に家族が集まり夏の憩いのひと時を過ごす。
それだけでも、癒しの空間ですね。
いま、私達の住環境は大きく変わってしまいました。
田舎に行けば、自然も多く、京都では坪庭の家もあります。
しかし、街のマンションなどの集合住宅では[癒しも
パワースポット」もありません。
ふと、番組を見ていて考えたのが、「マンションのベランダ」を
工夫することです。
確かに専有か共有かとか色々と問題がありますが、
危険な灯油やスノータイヤをおいているようリも、癒しの緑などを
配置したら格別ではないでしょうか。
工夫は、住み人の心しだい。
それが、本日の坪庭を見ていて感じたことです。
人の「癒し」は満足から生まれる。
だれでも出来る坪庭活用があるはずですね。
盆栽の美でもいいし、ベランダの観葉植物でもいい。
緑と水があれば、さらによし。
あなた自身の小さな坪庭を試して見ませんか。
平成23年9月29日 川越芋太郎
本日のテーマは 古都、京都の坪庭。
番組でとのように料理してくれるのか興味深い。
風情あふれる街並に軒を連ねる「京町家」と呼ばれる
家並。
間口が狭く奥に細長い町家はウナギの寝床とも言われ
京や江戸の町家の特徴である。
昔は間口に税金がかけられたとかで。
番組の一例から築100年程度年町家。
玄関を入って、すぐに見えて来るのが…坪庭です。
そして建物の奥にも、もう一つの坪庭。
この坪庭こそがさまざまな美を生み出すという。
坪庭とは、四方を建物などに囲まれ、借景のない庭の事
をいうそうです。
部屋に座って眺めて楽しむことが基本。
坪庭にあるのは灯籠、常緑樹、手水鉢、さらに好みで、
庭石などを置きます。
基本の必須アイテムにプラス光が加わり、極上の美が
生まれます。
<美の壺1:光は庭の演出家>
「庭の楽しみ方は朝昼晩それぞれにあるという」
朝・・・まぶしいばかりの朝日
しかし、むしろ朝日が直接当たらない壺にはの隠れた美
に注目せよ。
西向いてる座敷っていうのは朝日の恩恵はない。
しかし、蔵の白壁に朝日が射してその反射光を楽しむ
という趣向がある。
なる程・・・。
室内に目を向けると・・・
床に木の陰が映し出されています。
反射による柔らかい光が生む、極上の朝。
建物と光が織りなす、一瞬の美。
昼・・・日が高くなると、西の坪庭に燦々(さんさん)と日差しが
降り注ぎます。
一方、東側の庭はあえて開口部を狭く作ってあり、
日がほとんど入らない、ほの暗い「陰りの庭」。
実は二つの庭の明るさの違いに、ある秘密が隠されているのです。
京都の夏を少しでも涼しげに過ごすためには風通しというものが
一番大事。
風通しを良くするために敷地の中に二つの庭を造り、しかも一つを
かげりの庭にする。
こうして、温度差により、外界に風がなくても家の中で風が作れる
ようになってる。
二つの庭に温度差が空気の対流をおこし、家の中に心地よい風が
流れるという仕掛けです。
手水鉢の水面に映りこむ、明かりの風情を楽しみます。
坪庭の眺めは、朝、昼、晩、飽きることがありません。
晩・・・灯篭の灯、手水鉢の水面が醸し出す、幽玄の世界。
外界から遮断された坪庭だからこそ、楽しめる魅力がある。
生活の中で、小さな美を味わう。
見て楽しむ美しい庭。
暮らしに潤いを与えるという。
コンクリートや石の壁で覆われた西欧の壁
自然の魅力を壁にもたらす壁紙の存在を前回の美の番組で
教えてくれましたね。
そして、日本の住宅は、壁を取り外し、庭と室内の一体感を
味わう。
まさに、壺にはことが、日本の自然絵画ですね。
<美の壺2:空白が生み存在感を見よ>
小さな空間に生まれる光の芸術。
50年以上にわたり四季折々の姿を写真におさめてきた写真家
の言葉。
坪庭の魅力は?
「庭空間を機能的な採光と通風、京都人が考えだしたのが
小さな庭空間!
鑑賞的に見て楽しむ美しい庭
を作り出した。」
光がもたらす坪庭の、心地よさが、暮らしに潤いを添えます。
さらに、空白に注目です。
京都の作庭家の言葉。
「狭いだけに本当に余分なもの、殺し合いしてるものがあると
それだけでその坪庭は活きてこない。
研ぎすまされてそぎ落としてぎりぎりのとこで必要なものだけが
ある」
番組では、もみじを生かす空白の撮り方を紹介していました。
空白が生み出す存在感
坪庭の造り方。
メインになるものを決める。
それをいかに活かすかそういうことになるという。
雑然としていた空間をすっきりさせる。
さらに、面白い言葉がありました。
「何もない空き地には空白は生まれない。木を植える事で活きた
空間にこしらえて行く」
なる程、ですね。
植栽を、壁際に集中的に並べることで、庭の中央の、何もない空白
部分を際立たせます。
モミジも少しずつ刈り込む。
ここにも空間を創造する。
モミジの木自体にも空白を作る。
部屋に座って楽しむ坪庭。
小埜さんは、その目の高さで、指示を出します。
地面を一つの色で統一する事で、庭全体を広く見せる工夫など
は、ベランダにも応用ができぞうです。
坪庭の美は、私達のマンションベランダの美にも活用できる。
<美の壺3:坪庭に託された人々の思い>
最後は坪庭のある暮らし。
この庭のそばにいると、なぜか仕事がはかどる。
「1年の四季を感じながら、ちょっと横を見ながら坪庭がある、
仕事もゆったりした感じでできて、良いものが出来る。」という。
坪庭は住む人を癒し、その感性を耕す、よきパートナー。
坪庭の空間には、さまざまな願いや祈りも託されています。
亀の形をした亀石
頭をもたげた鶴のように見える鶴石
それは、家族の長寿と健康への願いをこめた庭石。
代々続く町家の坪庭には、こうした縁起物も少なくない。
江戸時代に書かれた造園書には、坪庭に神が宿ると記されて
います。
坪庭は昔から一種のパワースポットとして大切にされてきました。
家族に災いがおこらないようにと植えられた南天の木
商売繁盛の願いを込めた万両。
どの家の庭にも守り神が宿っている。
坪庭に面した縁側に家族が集まり夏の憩いのひと時を過ごす。
それだけでも、癒しの空間ですね。
いま、私達の住環境は大きく変わってしまいました。
田舎に行けば、自然も多く、京都では坪庭の家もあります。
しかし、街のマンションなどの集合住宅では[癒しも
パワースポット」もありません。
ふと、番組を見ていて考えたのが、「マンションのベランダ」を
工夫することです。
確かに専有か共有かとか色々と問題がありますが、
危険な灯油やスノータイヤをおいているようリも、癒しの緑などを
配置したら格別ではないでしょうか。
坪庭・小庭作り―自分で作る和風庭園 (ブティック・ムック (No.178)) | |
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工夫は、住み人の心しだい。
それが、本日の坪庭を見ていて感じたことです。
人の「癒し」は満足から生まれる。
だれでも出来る坪庭活用があるはずですね。
盆栽の美でもいいし、ベランダの観葉植物でもいい。
緑と水があれば、さらによし。
あなた自身の小さな坪庭を試して見ませんか。
平成23年9月29日 川越芋太郎
坪庭のすすめ―小さな庭のプラン常識集 (ザ・ベストライフ・シリーズ) | |
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