ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

罰当たり?

2015年05月22日 19時40分33秒 | 自己カルト的
YAHOOなどのネットニュースで昨日今日とあちこちで見かけて気になっている

「墓石壊して石垣に 兵庫城で“罰当たり”築城術」

タイトルそのままの

「城を作るのにお地蔵さんや墓石、五輪塔が使ってあってけしからん」

という内容のニュース。神戸市教育委員会の学芸員さんが発端らしいんですが

「石材が貴重だった時代とはいえ、現代の感覚では考えられない」
「五輪塔のほとんどが上部を切断されていること」→「後ろめたさがあり、魂を抜こうとした」

推測するのは勝手だけど、今さっき地元ニュースでもこのことが取り上げられてて
ニュースタイトルの内容しか出さないで一般人インタビューなんてしてるから
「罰当たり」とか「気持ち悪い」とかそれだけの感想しかTVでは発信されてないし。

YAHOOニュースの後半でも奈良市の元興寺文化財研究所とか、考古学の意見も
記載されているけれど、「墓石に対する宗教的な意識が希薄」とか上記の
学芸員寄りでなんだかしっくり納得できないというか。
専門の人間じゃないなら口出しすんな、みたいに言われそうだけど、偶像崇拝についてとか
城の建築とかについては、「八犬伝」絡みで大学でも少し調べたことがあるから
なんだかなーってもやもやが出てきているわけです。
(ちなみに「新・里見八犬伝」。お地蔵さんや呪い、当時の星の動きとか本当かなって調べた)


なんで、自分、そこまでこだわってんのって。
いや、だってですね、「落第忍者乱太郎」の54巻。P130~135にはまさにそんな状態になってる
城の石垣への説明と解説がされてるから。去年出た単行本だけど、ニュース見たら思い出した。
神戸市の学芸員さんの質問は、漫画の中で一年生のきり丸や兵太夫、庄ちゃんたちが

・「石垣に墓石? しかも逆さま?」
・「首なしのお地蔵さんが逆さまで石垣の中に?」
・「石が足りなくて墓石を使ったの?」

こんな風に疑問に出して、守一郎がその疑問に答えてるから。

原作者の尼子騒兵衛さんはこういった時代考証に関することや、呪術的なことはかなり詳しく
調べて描く漫画家として有名なので、子供向けに噛み砕いて描いてあるとは言え、おそらくは
膨大な文献から、正確に知識を抜き出して描かれている内容だと思うのです。

それでも一方的に鵜呑みにするつもりはないけど、小学生が読んで、忍たま好きの大きなお友達が
読んでる漫画に答えらしいものが描いてあるのに、この学芸員さんはいったいなにをされたいのかな、
と思ったのでここに。