最後の色街飛田
最後の色街飛田
「「最後の色街飛田」という本貸してもらえませんか 」
「あの本ですか。人気があり、待ってもらわなければなりません。予約されますか。」
「予約すると何人ぐらい待たなければなりませんか」
今現在では168人ですね。半年ぐらい先になりますね。」
「へぇーそんなに人気があるのですか。とにかく予約しますよ。」
昨年7月に予約した本が1月になって手元に届いた。タイトルからして、自分の知らないエロがゴロゴロして面白いじゃないかと思って読み始めると、文章の切れが凄く、筆をとる私には文体研究させてもらうことになった。
文章は流れるようで、生き生きして描かれている。
人物との会話は新鮮で、イメージがはっきりと浮かび上がってくることに驚いた。
筆者は10年の歳月を要したらしいが、さもありなんで、なかなか細部まで詳しく描写されている。
身売りしている女の子の口をついて出た言葉が印象深い。
「人間は運の良いほうに生まれるか、運の悪い方に生まれるかだ。」
もう一つの証言は、人間というものについて考えさせられる。
若い女の子の体をあめとむちで稼がしていた女経営者が言うには
「自分もそんなにいい人間ではないが、仏に近づきたいし、生きている間に仏になりたい。世の中につくして、良い人生を送りたい。徳を積むという生き方をしたい」と心情を吐露している。
世間でもたれている悪いイメージの搾取の鬼みたいな職業の裏返しやコンプレックスを上手に飾るセリフだと受け取る向きもあろうが、善悪、貴賎を含めて人間とは誰でもこういう面を持っているのではないだろうか。
そしてこの思いが、現実の場面で良い結果を生み出して、初めて人は信頼をかち得ることができるようになるだろう。
最初はどんな内容のルポか、とエロティックな場面を想定していたが、筆者の筆さばきの巧みさと、精細さに圧倒されて最後まで襟を正して読むことになった。先約の168人はどんな風に読んでどんな感想を持ったかは知らないが、僕にとっては力を入れて精読するに値する本だった。
最後の色街飛田
「「最後の色街飛田」という本貸してもらえませんか 」
「あの本ですか。人気があり、待ってもらわなければなりません。予約されますか。」
「予約すると何人ぐらい待たなければなりませんか」
今現在では168人ですね。半年ぐらい先になりますね。」
「へぇーそんなに人気があるのですか。とにかく予約しますよ。」
昨年7月に予約した本が1月になって手元に届いた。タイトルからして、自分の知らないエロがゴロゴロして面白いじゃないかと思って読み始めると、文章の切れが凄く、筆をとる私には文体研究させてもらうことになった。
文章は流れるようで、生き生きして描かれている。
人物との会話は新鮮で、イメージがはっきりと浮かび上がってくることに驚いた。
筆者は10年の歳月を要したらしいが、さもありなんで、なかなか細部まで詳しく描写されている。
身売りしている女の子の口をついて出た言葉が印象深い。
「人間は運の良いほうに生まれるか、運の悪い方に生まれるかだ。」
もう一つの証言は、人間というものについて考えさせられる。
若い女の子の体をあめとむちで稼がしていた女経営者が言うには
「自分もそんなにいい人間ではないが、仏に近づきたいし、生きている間に仏になりたい。世の中につくして、良い人生を送りたい。徳を積むという生き方をしたい」と心情を吐露している。
世間でもたれている悪いイメージの搾取の鬼みたいな職業の裏返しやコンプレックスを上手に飾るセリフだと受け取る向きもあろうが、善悪、貴賎を含めて人間とは誰でもこういう面を持っているのではないだろうか。
そしてこの思いが、現実の場面で良い結果を生み出して、初めて人は信頼をかち得ることができるようになるだろう。
最初はどんな内容のルポか、とエロティックな場面を想定していたが、筆者の筆さばきの巧みさと、精細さに圧倒されて最後まで襟を正して読むことになった。先約の168人はどんな風に読んでどんな感想を持ったかは知らないが、僕にとっては力を入れて精読するに値する本だった。