恋衣
赤い夕日に 身を染めて 北を指して帰る鳥たち
白い翼に悲しみ乗せて お前達かえるのか
かなわぬ恋に 身を焼いて 北を指して帰る私
つらいさだめを一人逃れて 私は帰るのよ
ああー貴方は今も 私のそばにいる
ああー貴方は今も 私を愛している
誰よりも誰よりも 私を愛している
朝は5時起きして僕はとりあえず京都を目指して車を飛ばした。京都からはサバ街道を北上した。小浜についたのは午後1時は回っていたと思う。
まず市立図書館へ行った。彼女に関する本を出来るだけ集めてあると思ったが、案外少なかった。彼女自身の著作物は少ないのは判るが、彼女に付いての研究書や解説書ならいくつもあるはずだ。
図書館には確かに山川登美子コーナーがあったが、ほんのわずかなスペースでお添えものと言う感じがした。その土地の名士であれば、郷土史家がいて詳しく掘り下げて調査、研究をしている人がいそうなものだが。そういう思いが強かった。ひょっとしたらそういう人に出会わなかっただけかも知れない。僕は彼女が学んだ梅花学園に電話して関連事項をコピーしておくってもらい、それだけでは足りないから、ここで彼女に関する本は全て借りることにした。
図書館を出ると、僕は駅へ走った。線路を渡って、これから彼女の墓に詣でることにした。彼女は発心寺の墓地に眠っている。お寺の庭掃除をしている、修行僧に彼女の墓の在処を尋ねた。
墓地の中央の坂道を登って行って、左側の奥にあるという。朝5時起きをして車に8
時間ほど乗って到着したこと。主人公の墓参りをしたこと。我ながら彼女の悲劇に対する、思い入れの大きさに驚いていた。
若狭の空を天がける雲は恐ろしいほど険しい。その姿を若狭湾に映して、北陸の秋は早くも冬の到来を告げているようであった。
今は幻の恋人であっても 離したくない 離れない
恋の戦に敗れても 恋衣は破れない
例えこの身は召されても 私の恋は終わらない
あなた色に染まる 恋の炎は
激しくもえるのよ
ああー貴方は今も 私のそばにいる
最近思ったことだが、コンピューターでは作曲は出来ないと言うこと。アレンジは確かに便利ですぐ出来る。
最初にひらめく曲想は人間以外のものでは出来ない、ということが判ってきた。やはりギターとかピアノを演奏(さっきょくのための)することの方が便利である。
今年こそはとかけ声ばかりで、まこと今年こそはヒットする作品を書きたいものだと頑張るつもりです。
今書いているのは、鉄幹をめぐる2人の女、すなはち鳳晶子と山川登美子の恋愛もので、これを登美子サイドから書いてみょうと思っています。彼女については、かなり調べたので後は、作詞して曲をつければ良いのですが、さて歌手を誰にするか、が問題です。
恋争いで晶子に破れはするが、彼に対する思いは決して負けるものじゃないと言うところを強調して書くつもりです。人間の真実なんて誰にもわかったもんじゃない。ただ調べるほどに彼女が気の毒な運命にあったような気がします。
僕は彼女の実家のある福井県小浜まで車で行ってきました。1人の人間の命が掛かっている作品だけにふさわしい作品を作らなければと、はりきっています。
登美子に限らず、恋愛は成就したほうの数が圧倒的に少なく、人は切なく、苦い思いを経験させられる方が多いようです。何故なら人生は自分の思うようにならない運命みたいなものがあるからです。
だから登美子のことを書いても実は大多数の庶民感情をすくい上げてると考えています。どんなものが出来るか楽しみです。
人生の様相は人様ざまです。しかしなべて人生は思うようにならない上に孤独です。これは当たり前の話しですが、気持ちとしてそう思いたくありません。
ああー貴方は今も 私を愛している
誰よりも誰よりも 私を愛している
私を愛している
これがサビの部分で 絶叫調で書くつもりです。人生って思うようにはならず、哀しいものですね。20代後半でこの世を去った山川登美子に比べて、僕は彼女の二倍半は生きてきて、そう思います。罰当たりかも知れませんがね。