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小川の生き物調査


昨日は、一ツ瀬川の支流・天神川の生き物調査に参加した。対象は地区の子供会、主催は環境保全会。

江戸時代前期に描かれた絵地図を見れば、現在の天神川の方が本流。時代が変われば流れも変わる。自然に変わることもあれば、人工的に変わることもある。現在の天神川は、数年前の“ほ場整備”に伴い人工的に少し北側に移され、直線的になった。同時に、河川の横に水辺公園も作られた。当初は、川も公園もどうなることかと心配したが、現在は昔ながらの環境にもどってきつつある。

さて、子供たちの生き物調査。まず、講師より説明を受け、みんなで公園を一回り。しかし、始まった途端に急な小雨。天気予報は晴れなのに異常気象の現れかと気を揉んだが、幸い途中までであとは晴れ。よかった。
水辺公園ではシオカラトンボ、ウスバキトンボの他にギンヤンマもゆっくり飛んできた。ヤンマを釣り糸の先に付けてゆっくり回せば、別のヤンマを捕まえることが出来たが、これは昔の話。現在の子供で、そのような経験者はまず皆無だ。イトトンボもいるはずなのに、今回は暑いためか見ることができず、代わりにひらひらと飛んでいたのはチョウトンボ。ここでは初めてだが、聞けば、あちこちで増え始めてるという。水中にはカナダモが目につく中、マコモやヒメガマの脇にはコウホネ、トチカガミ、ヒシもあった。ヒシの実は角のような棘があるが、茹でて食べれば栗のような味がしてうまい。水に浮かんでいるヒシはなつかしい思い出がいっぱいだが、子供たちはこれも知らず。この他に、繁殖力が強いボタンウキクサも部分的に出始めていたため少し注意が必要だ。
さて、本番の天神川の生き物調査。歩いて川辺へ移動。川のまわりは、ヨシとオギが生い茂り昔ながらの風景。前日の急な大雨にもかかわらず、ほとんど水位は変わらず10〜20cmほどしかない深さ。底は砂地のため、ぬかることもなし。だが、ほとんどの子供たちは川へ入る時しばらく躊躇。これは、日頃から川に親しんでいない証拠か。「川に行くと危ない」と教えられてきたためだろう。でも、一人が入ると続けて入り始めた。まるでペンギンの巣立ちの様。入ってしまえば、そこは遊びの天才たちだ。早速あちこちをアミですくい始めた。ところがだ。闇雲にすくうばかりなのだ。知っている者からすれば、「そんな所をすくっても魚はいないよ!」というような所ばかりすくっている。生き物は、ほとんどが川の岸辺の草の根が伸びていたりする所や石ころの下などだが知らなかったようだ。ここでも日頃から川に親しんでいない姿が露呈。それでも、講師などの教えで、草の下をすくったりして小魚やモクズガニを見つけては大喜びとなった。みんなで川に入ってみるだけでもいい経験だ。行っていい所と行ってはいけない危ない所、やってはいけないことなど身を持って覚えることこそ大切だ。ひとしきり川でアミを出した後、田んぼのあぜ道を通って公園脇のU字溝へ。幅30cmほどのU字溝なのだが、上手の方は水が湧き出る所で、水も年中きれいで豊富。その上アシの根が入り込むため、ここは生き物の宝庫。言わば小さな宝箱。子供たちがアミをすけてみると小エビが入ったりして狂喜。U字溝のアシの根を上げると、ニホンウナギの大きな尻尾。しかし、するりと逃げた。子供たちにアミをすけさせ追い込んでみたがどこへ消えたやら・・・。逃げた魚は、やはり大きかった。
最後は公園に帰り、観察した生き物を確認。約30種。天神川には昔ながらの生き物が沢山いることを確認し解散した。


おっ、ウナギじゃ!
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