野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

アニッシュ カプーア IN 別府

2018-11-15 | ギャラリー






『Sky Mirror』と名付けられた作品を見たくて別府公園へ出かけた。別府市役所のすぐ南側にある手入れの行き届いた広々した公園だ。大きな松が何本もあり、印象的だ。足を進めると、松の幹の間に丸いMirrorが見え隠れしてきた。広くて大きな広場の一角に目指す作品があった。青空の中に白い雲が刻々と動いている。
すぐ隣りに係員の女性。パフレットをいただき、Mirroの後ろにも回ってみた。後ろもなかなかおもしろい。前から後ろから写真を何枚か撮り、正面に立ってみた。すると鏡面を見ているのに、異次元があるような不思議な感覚。鏡面に写っているのはただの白い雲のはずなのに、白い雲が沸き立っているように見えた。

カプーアの作品は、「霧島アートの森」にもコレクションされている。こちらは『無題』。直径約2m程の、つや消しの青い円の前に立つと、距離感がなくなり、なんだか異空間にいるような感覚を覚える。そのような感覚を覚えさせるのがカプーアの作品なのだろう。別府公園の『Sky Mirror』に写る青空や雲は、遠くから見ていると単に動く青空を写しているだけだったが、真正面に立つと、雲が湧き立つような異空間が出現し、実際にはそこにはないのに在るように覚えてしまうのだ。パンフレットを読むと、イヴ・クラインの影響も感じさせるとある。クラインの『青いビーナス』を観たとき何か深いものを感じたが、その感覚に通じるところがカプーアの作品にもあるのだろう。ただ、カプーアの作品は、とても大きくてシンプルな形のものが多い。

今回、別府公園には、Mirrorの他に仮設パビリオンが2つ用意されている。ひとつは『Volid Pavilion』であり、もうひとつは『コンセプト・オブ・ハピネス』と名付けられている。『Volid Pavilion』の方は、最初に裏から観てと言われ、その後正面扉から中に入り作品を見た。裏からは黒い円の中が無限のようでもあり、正面側からは正面に真っ黒な平面。と思っていたら、横に動いてみるととても大きな球が現れた・・・。『コンセプト・オブ・ハピネス』の方は、身体の内側や大地のマグマ活動を想像させると説明されたが、私的には身体内部の方を強く感じた。幾つかの作品のうち、ひとつは牛の頭のようでもあり、ブニュエルとダリの映画「アンダルシアの犬」に出てきたピアノの上のロバの頭部のようでもあった・・・。
好き嫌いで言えば、『Volid Pavilion』の方が好きで、『コンセプト・オブ・ハピネス』の方は少し拒絶感があった。