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綾の照葉樹林に出かけた




モコモコモコ、照葉樹を見に綾の山に出かけた。いつも飼料イネの田植えの時期と重なるので、ちょっと早いと思いながらも出かけてみた。やっぱり早かった。あと1週間から10日もすると、黄金色のシイの花が咲き誇り、山全体がカリフラワーのようにモコモコと大きくなるはずだ。ちょうどゴールデンウィークにさしかかる頃が一番美しいように思う。ウィーク後半には、黄金色も少し枯れ始め赤茶色に移っていく。
宮崎県内では高い山を除けば、どこも照葉樹にあふれている。シイやカシ、クス、タブ、ツバキなどどこでも見れる。しかし、綾の山のようにまとまって残っているものは、ほとんどなくなったのだという。かつて世界遺産登録運動を皆でやったことがあるが、皆、綾の森は凄いとは感じていても、他所にはもっと凄い所が残っているだろうと思っていた。何しろ世界的にはブータンから中国の雲南、台湾そして日本へと続いている照葉樹林帯だ。しかし、関心を寄せていた学者・研究者達が言うには、まとまって残っている所は本当に少ないと言う。ブータンでも、雲南でも、台湾でもだ。綾の山とて一度は伐られたことがある森だ。それが時を経て、だだんと照葉樹林本来の姿を取り戻してきた原生的な森だ。
世界遺産登録は、面積が足りないことが主な理由で登録ならずだったが、運動の後、官民共同で、照葉樹林の周辺にある二次林や人工林を照葉樹林に復元する作業が進められている。宮崎平野を取り囲む山々が、照葉樹林本来の姿を取り戻した姿を想像するだけでも気分はいい。
コロナウイルスで大変な時期だが、近くにシイなどの照葉樹があれば、ぜひ照葉樹林を想像してみて欲しい。気分もよくなるはずだ。

尚、日本最大級の照葉樹林がある綾町は、自然と共生する地域づくりや、有機農業、手作り工芸の里づくり、照葉樹林を保護・復元する「綾の照葉樹林プロジェクト」などの取組が評価され、2012年にユネスコエコパークに登録されています。
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