◇昨日の毎日新聞に、「バイオミメティクス」の記事がありました。
◇そこで今日は、「バイオミメティクス」を軸に、「自然共生社会」について考えていきたいと思います。
◇エコ検定公式テキスト改訂7版でいえば、第3章の3「生物多様性・自然共生社会」の分野です。
◇「バイオミメティクス」は「生物模倣」と訳し、「バイオミミクリー」と称されることもあります。
◇自然界の様々な生物のもつ自然共生機能を、我々の生活に活かす技術です。
◇例えば水洗便所の便器ですが、水を流すだけで綺麗に流れますが、何故、便器は汚れないのでしょう?
◇研究開発の動機は、雨の日に泥まみれになるはずのカタツムリが、綺麗なことに着目しています。
◇カタツムリの防汚機能を研究し、開発されたのが、水洗便所の便器なのです。
◇もう随分前になりますが、INAX(イナックス)と称していた頃に、同・研究所の方から教授頂いたお話です。
◇その他にも、様々な生物模倣技術の工業製品が、我々の生活を豊かにしているのです。
◇新幹線のデザインもバイオミメティクスの技術ですよね!
◇上記公式テキストの91ページのCOLUMNの欄に、用語解説と事例が記載されています。
◇そこで我々は、「生物多様性」の大切さにも気づき、考える必要がありますよね!
◇「生物多様性の危機」については、7月28日のこの欄で、「ウナギの絶滅危機」から課題提起しました。
◇今回は、「生物多様性」の定義と重要性について、上記公式テキストから整理していきたいと思います。
◇生物の多様性:様々な生態系が存在し、生物の種間、種内に差異が存在すること。
◇生態系の多様性(様々な生態系が存在すること):干潟、サンゴ礁、森林、湿原、河川など。
◇種の多様性(種間に差異が存在すること):動植物、菌類、バクテリアなどが生育・育成している。
◇種内の多様性(遺伝子の多様性ともいい、同じ種内で個体や個体群に遺伝子レベルで違いがあること)
例:アサリの貝殻で遺伝子の違いで様々な模様がある。メダカは地域によって遺伝子集団が異なる。
◇我々は、生物の多様性のもたらす恵沢を享受して生存し、人類存続の基盤ともなっている。
◇国連環境計画(UNEP)により、これらの恵みを「ミレニアム生態系サービス」として整理している。
・供給サービス:食料、淡水、木材、繊維、燃料、医薬品の原料、etc.
・調整サービス:気候調整、洪水制御、自然災害防止、被害軽減、疾病制御、水の浄化、etc.
・文化的サービス:審美的価値、精神的価値、教育リクレーションの場の提供、etc.
・基盤サービス:栄養塩の循環、土壌形成、光合成による酸素供給、etc.
◇人類は、このような自然から享受する生態系サービスをないがしろにしているのです。
◇生態系を大切にして、自然との共生社会を築く努力が求められていると思います。
◇そんな努力の行動基盤となる基礎知識が、エコ検定の知識であると解釈していただければと思います。
◇「そんな戯言(たわごと)を聞いている暇はない。」と言わずに、耳を傾けていただきたいと思います。
2020年7月31日 by エコ検定普及勝手連「エコピープルおじさん」