今年も東京農工大学大学院の修士課程の学生を対象に、集中講義をさせていただきました。
お世話になった教授の依頼がきっかけでしたが、今年で6回目となり、すっかり恒例化してきました。最初は私の担当は1日4時間程度でしたが、一昨年から2日で8時間(4時間/日)という、まさに集中講義です。
講座名は、「アントレプレナー特論」ということで、起業をテーマとしたものです。
起業というのは、それなりに荒波を覚悟すべきものですが、まさに私の5年間は、荒波と共にありました。
5年前の2003年9月の最初の講義は、まだFESCOの将来が見えず暗中模索の時。4年前の2004年9月の2回目の講義は、FESCO上場を半年後に控え緊張していた時。3回目の2005年9月は、上場初の株主総会を間近に控え高揚していた時。4回目の2006年9月は、大幅な赤字決算を出してしまった苦渋の時。5回目の2007年9月は、あいつぐ業績不振の責任でFESCO社長退任を余儀なくされた失意の時。6回目の今年は、気力を振り絞って2回目の創業に挑戦し1年が経過した原点回帰の時。
このように過去6回の講義をする当方の立場が、めまぐるしく変化しており、まさに起業家冥利に尽きるというべきか。
そのような中で、私が若い学生の皆さんに伝えたいことは、たった一つです。
「起業することも人生の一つの選択肢であり、創業はやってみないと分からない」
来年の今頃の自分はどうしているだろうか?果たして7回目の講義は?
「未来を予測する唯一の方法は、それを創造することである」
こんな先人の言葉が頭をよぎりました。