再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

温暖化対応努力の基準は一つ

2009-02-28 09:55:55 | チャット

今日で2月も終わり、すでに2009年も6分の1が経過したことになる。ちなみに、当社(ヴェリア・ラボラトリーズ)も20098月末決算なので、ちょうど第2期目の折り返し点である。単年度黒字化達成に向けて、もう一息の頑張りが必要だ。

さて、先週の某会合で、外務省高官の方の講演を聞いた。あえてお名前は伏せておくが、地球温暖化問題への見識あるご意見をお聞きすることができ、勇気をいただいた。

CO2に代表される温暖化効果ガスを何年までにどれだけ削減するか。今、世界各国間では、本年末のCOP15に向けて、いろいろと駆け引きが続いている。

こうした国別の削減目標値や基準年問題が議論されていることについて、現時点ではある程度やむを得ないものの、究極的には「世界で一つのルール」を作るべきだというご意見でした。

そのルールとは、「炭素の価格を一つにする」というもの。

確かに地球が許容するCO2量は、科学的にある程度はっきりしてきた。350PPMなのか、400PPM なのか、いずれにしても、総許容量はどの国にとっても地球市民としてみれば同じはずである。

したがって、その許容量から各国に排出量を割り振るということが、最も合理的である。その割り振り方には、さまざまな議論と調整が必要ではあろうが、そのこと自体は真実ではないか。

仮に公平に許容量が割り振られたとしたら、後は「炭素の価格を一つ」にすれば、地球全体で最も安く効率的に削減できるところに優先投資していく。これが地球全体として、最適解となる。

このような議論は理想論であり、机上の空論だと言われるかもしれないが、しかし筋の通った理想をビジョンとして掲げ、その高い目標の達成に向けて全構成員を鼓舞して推進していく。これこそが、地球規模の温暖化防止リーダーの役割なのであろう。

以上のような考え方には、私も全面的に賛同したい。また、自分自身として、真に微力ながらその理想実現に向けて、できることから地道にしていきたいものである。


米国との協調は必要か?

2009-02-22 06:42:21 | コラム

先週、新聞報道によると日本の環境大臣と米国の温暖化対策責任者とが会談し、2020年のCO2削減目標についての意見交換がされたようです。

その場で、米国側がEUの意見が非現実的であると表明したとあります。ちなみに、EUの提唱しているのは、2020年までに1990年比20から40%低減という極めて高い目標値です。

私がこの報道で非常に残念に感じたのは、日本側がこの米国の非現実的という意見とスタンスに賛同し、今後のポスト京都議論で一緒に行動していくという考え方をしたことです。

EUの目標値は、日本にとっても確かに実現性が乏しく、非現実的かもしれません。しかし、それは今までに努力してきた分が加味されていないからであり、一人あたりのCO2排出量もGDPあたりでも世界で最も高く、成績の悪い米国とは、そもそもベースが違うのです。

なぜ、温暖化対応における世界の劣等生と協調行動なのか?とても疑問であり、この米国寄りの考え方は、こと温暖化対応については、間違っていると思います。

喩えて言うと、まるでクラスの中の成績も悪く素行も悪い「ガキ大将」に、成績も優秀で学級委員にもなるべき「優等生」がすり寄って、一緒に次回のテストの赤点ラインを下げるように先生に頼みに行くというようなものではないでしょうか。

日本は温暖化対応で世界のリーダーシップを取ると宣言したはずではなかったか。リーダーたるもの、自らの哲学と主張で、世界の議論をリードしてもらいたいものです。


東京都の条例案が出ました!

2009-02-15 07:06:34 | ニュース

東京都が昨年6月に可決した温暖化対策に関する条例について、先週末にその細目案がパブリックコメントに付されました。

http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sgw/pubcome.htm

2010年から2019年度までの10年間を2分割し、その前半である「第1計画期間(20102014年度)」の平均削減義務量案が発表されました。

すでに新聞等で報道されていたように、業務系事業所では8%削減、生産系では6%削減が提案されています。その削減の基準は、20022007年度までのいずれか連続する3カ年度平均値を採ることとしております。

さらに20152019年度までの第2計画期間の削減率については、見通しとして同様の基準年度比で17%程度と示されております。

以上の削減率は、すべて排出総量による比較である点は、国の規制よりも一歩も二歩も厳しいものです。

また削減手法としては、これもかねてから言われていたように、第一に「自らの努力」をした上で、その補完手段として「排出量取引」の活用がうたわれております。さらに排出量取引の中で、グリーン電力(証書も含む)に関して、削減量を50%増しとすることは、初めて提示されました。このことは、再生可能エネルギーの有効利用に関する都の基本姿勢を示したものでしょう。

いずれにしても、パブコメで大きな変更はないでしょうから、今後極めて厳しい規制が正式に施行されるわけであり、都内事業者にとっては今まで以上に真剣な対応が求められることでしょう。

昨今の経済不況下で、それどころではないという経営者も多いことかと推察しますが、ぜひともこの種の規制を単に義務として後向きに捉えるのではなく、むしろ企業体質の強化と革新の契機であると前向きに考えて欲しいものです。

また、われわれのような省エネサービス事業者は、このような時こそ、環境と経済が両立できるような具体的かつ魅力的な知恵とアイデアを事業者に提案し、実行していただけるように努力すべきだと思っております。


わが国のCO2中期削減目標

2009-02-07 07:18:50 | コラム

2009年も早いもので、もう1か月が過ぎました。

今年の年末には、COP15(コペンハーゲン)にてポスト京都の大きなテーマである2020年における各国のCO2削減目標が議論されます。

すでにEUは、先進国が1990年比30%削減、途上国は同年までに今よりも1530%削減すべしという提案をしました。

米国は、オバマ新政権になり、EUを意識した相当意欲的な目標を提示してきそうな気配です。

一方、わが国の首相は、6月頃までには20年の目標を出したいと表明しました。それを受けて、現在有識者による議論がなされているようです。

昨年から2012年までの5年間で、90年比6%削減という京都議定書におけるわが国の目標達成すら危ぶまれている現状において、2020年の削減目標を積み上げ世界に提示できるか。わが国として、今後の温暖化問題のリーダーシップを取っていく上で、大変重要な数値目標となるでしょう。

もちろん、その目標は世界が納得するものでなくてはならないと同時に、現実に実現可能でなければならないというのが、大方の有識者の意見のようです。実現可能性という指標を全面に持ち出すと、おそらくEUの半分にも満たない数値となるのはないか。

今から10年後の実現可能性という問題をどう捉えるか?技術革新、経済情勢などさまざまな要因のある中で、現時点のベストエフォートで考える以上、積み上げ型で行くしかないでしょう。しかしながら、何事も積み上げ型では、新しい知恵や発想は生まれにくいのも事実です。

後者の考え方は、企業経営的に言えば、ベンチャー的です。先の見えない未来に高い目標だけを定めて、その目標から現在を見据えて、今のアクションを決めるという発想です。私のような者には、この考え方が最もしっくりきますが、わが国はすでに大企業であり、そこはベンチャーのように「やるだけやってみよう」的発想は受け入れられないでしょう。

実に難しい選択ではありますが、わが国が大企業病的な対応をすることだけは避けほしいものですが、どうもそうは行かない状況が大勢を占めているようです。

いずれにしても、この国の温暖化問題への対応には科学的な見地も十分に踏まえた上での政治決断ができるリーダーが不在です。今はただ世界の国々を引っ張っていくようなメッセージを発せられる理念あるリーダーの出現を願うばかりです。