再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

実体験に基づいた起業論(18)

2008-03-29 10:36:37 | 連載:実戦的起業論

組織論(2):ベンチャー創業期に必須の機能は?

「人・もの・金」

この三種の神器が、企業の必要条件である。

人は、人材そのものであり、金は、まさにお金である。「もの」は、業種によって、時に技術であったり、特許であったり、ビジネスモデルであったり、その企業のまさに「うりもの」である。

その意味で、ベンチャー創業期に必須の究極の機能はと言えば、「売る機能」、つまり営業と「お金を扱う機能」、つまり資本と借入に関する知見である。

ここで創業社長のタイプは、大きく二通りに分けられるのではないか。営業タイプか、お金の問題に長けているか。営業もできない、お金にも疎いのであれば、そもそも創業社長には、向いていない。

よく技術者系の社長で、すばらしい技術は持っているが、会社がうまくいかないという話を聞くが、まさに「売り込み」と「お金関係」が稚拙な場合が多い。

ただし、前回にも言及したように、スーパーマン的な社長は希少であり、営業も金関係も技術も得意という方はまずいない。

だからこそ、ベンチャーの創業期には、まずは社長の苦手なところを補い合えるメンバーとチームを組むことがベストなのである。

私の拙い創業経験では、最初に資本政策なるものを良く理解せずスタートしたため、その後の経営に大きな障害を与えた苦い思い出がある。

つまり創業期から、一緒に金の問題を共有できる同志が必要だったということである。

(次回に続く)

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実体験に基づいた起業論(17)

2008-03-22 09:18:51 | 連載:実戦的起業論

組織論(1):社長はスーパーマンか?

今回から、ベンチャー企業が創業期から成長期に至る過程における組織の問題について、私見を述べていきたい。

まずほとんどの場合、創業社長は、特に創業期においては、会社運営に関するあらゆることをこなさなくてはならない。

営業とマーケティング、新しいビジネスや商品の開発、その商品の広報宣伝活動、技術開発の主導的役割などなど、会社の売上に直接貢献する活動はもちろんのこと、財務、経理、人事、総務、法務的などすべての管理部門についても、それなりの知見と知識が要求される。

立ち上げ期に数名で会社をスタートさせると、こうしたさまざまな業務のすべてについて、社長は目を配るのみならず、大抵の場合は自分自身が手を動かさざるを得ない。

その意味で創業社長は、ビジネスにおけるスーパーマンであることを余儀なくされる。また、そうでなければ、なかなか会社など立上げられるものではない。

特に、売上に貢献しない管理部門の人間は、創業期には収益上の大きな負担となる。したがって、社長は慣れないことでも、なんとか自分のプライベートな時間を削りながらも、やらざるをえない。

もちろん、創業社長を志すような人には、プライベートな時間は不要かもしれない。実際、社長は毎日毎日24時間、会社のことばかり考えているものであろう。そういう生活を楽しめる人だけが、創業社長という道を選ぶのかもしれない。

では、このような仕事一筋の社長に問題はあるのか?大きな落とし穴があるとすれば、それは社長自身が自分をスーパーマンだと過信しすぎることである。

俺は何でもやってきた。何でもできるぞ。という強烈な実体験に基づく話は、後から入ってくる人には、結構、窮屈であまり心地よくないのではないだろうか。

実際は、会社の規模が小さいからこそ、何でも自分一人でできたのであり、決してスーパーマンなどではないということを早々に悟るべきである。あるいは、否が応でも悟らざるを得ないことになる。

だからむしろ、最初から自らの至らざるところをしっかり認める度量があった方が、その後の会社の成長にはプラスになるのではないか。

なんでもかんでも、俺が俺がと、いつまでもやっていると、人も育たず、優秀な人も来てくれない。ひいては会社の成長を鈍化させるのみならず、立ちいかなくなってしまうのである。

(次回に続く)

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実体験に基づいた起業論(16)

2008-03-16 09:11:19 | 連載:実戦的起業論

営業論(5):IT活用による営業戦略

インターネットの普及と汎用化は、ないない尽しのベンチャー企業にとって、大変重宝なツールである。

特に、最近のブロードバンド・Web2.0時代では、ネット活用の巧拙がベンチャー企業の生命力を決めると言っても過言ではない。

企業がメディアに掲載されたりした場合、まず興味を持っていただいた方々は、通常ネット検索でホームページ(HPを探す。逆に、こちらから新規営業に行く時、事前に必ずその会社のHPを閲覧していく。こうした行動も、もはや一般常識となっている。

私自身もHPも見ないで来る営業マンとは、今後あまり付き合いたいとは思わない。逆に言えば、HPをどう作り込んでいるかで、その会社のセンスも分かってしまう。

ベンチャー企業としては、いかにHPの作成に極力お金を掛けないで、魅力的なものを作るか。これが立ち上げ時の大きな作業の一つである。

また、HPを通じて、いかに継続的かつ有意義な情報を提供し続けるか。この点もベンチャー企業のトップは常に気にして、現場を鼓舞しながら、情報発信に努めねばならない。

時代がどんなに進んでも、Face to Faceの対話」「足で稼ぐ営業」は大切であり、無くならないと思うが、同時に、ITの力と可能性の大きさを経営トップが理解し、活用できるか。特に、人材の不足しているベンチャー企業の場合は、なおさらであろう。

ITを活用した営業戦略論は、まだこれから進化し続けていくことだろう。否、その進化の先頭に立ち続けるぞ、という強固な意志を持ったベンチャー企業こそが、生き残っていけるのかもしれない。

今回で5回に亘って展開した営業論を終了し、次回からはベンチャー企業の「組織論」に入りたい。

(次回に続く)

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実体験に基づいた起業論(15)

2008-03-08 14:06:14 | 連載:実戦的起業論

営業論(4):ベンチャー企業がいかに知名度を上げるか?

ないないづくしのベンチャー企業が営業を進める上で、人脈の次に重要なのが、メディア戦略である。

メディア、特に新聞というメディアをいかに自社の知名度向上に役立てるか?ベンチャー経営者には、極めて大切なテーマである。

では、その手段は広告か記事か?

明らかに金銭的な余裕のない創業時のベンチャー企業では、自らの会社や事業をいかに記事にしてもらえるか?担当記者の興味を引き、取材をしてもらえるか?

新聞記者の方々は、大変忙しく、日々新鮮なネタを追っている。そういう状況下で、いかに彼らの目に止まり、ニュースとして記事を書こうという意欲を掻き立てるか?

新聞記者諸氏にも、いろいろな担当がある。まずは自らの会社の事業分野を担当する記者と知り合いになることが必要である。

その場合、記者が新しく担当として来た時が、絶好のチャンスかもしれない。その担当者にとって、業界に対する知見が乏しければ乏しいほど、チャンスである。

環境分野を例に取ると、大変幅が広く、新しく担当となった記者にとっても、一から勉強するのは極めて大変であり、時間のかかることであろう。そこで、その記者の方に、業界の歴史や最新の動向まで、いろいろと情報を提供することから始めるのが良い。

ここでも、人脈づくりの要諦と同じく、まずはGIVE & GIVEの姿勢である。あまり最初から書いてもらおうなどと下心を出さない方が良い。むしろ、記者が業界のことをいち早く理解してもらうように努める。

そうした地道な努力をしていると、自然と担当記者との信頼関係が醸成されるものである。なにか業界においてイベント等があれば、記者の方から質問が来たり、コメントを求められるようになる。

そういう暗黙の信頼関係ができると、やっと自分の会社での新しい事業や動きに対して、記者も初めて興味と理解を深めてくれる。そして、そのことにニュース性があれば、時にとして掲載してもらえることになる。

どんなに小さくても、全国誌にニュース記事として載ることは、大金を費やして出す広告よりも、どれほど効果があることには疑問の余地はないであろう。

人脈づくりと同じで、記者との間にも、ある種のGIVE & TAKEの関係が成立するのであり、そうしたビジネス感覚のある記者の方は大切にすべきである。

(次回に続く)

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末吉竹二郎さんのお話を聞きました!

2008-03-02 14:13:25 | チャット

先週金曜日に、末吉竹二郎さんのお話を聞く機会がありました。

末吉さんは、有名人なのでご存知の方も多いことでしょうが、現在国連の環境金融イニシャティブ特別顧問をなさっており、エコファンドの創設など、金融の専門家として環境問題に取り組まれている方です。

そこでは、いろいろな刺激に富んだお話が聴けましたが、以下の2点が特に印象に残りました。

第一は、「日本の温暖化問題への取組は、欧州と米国の狭間で、極めて低い国際的な評価しか受けていない」というお話です。

Perception Gap

こう呼んでおられましたが、地球温暖化関連の国際会議の場で、残念ながら日本の地位はどんどん落ちて行っている現実に危機感を表明されておりました。これに対して、「日本の省エネ技術は世界一だとか、こんなに優れている」という過去の説明(言い訳)だけでは、これからの国際対応では駄目であり、「これから何をどうしていくべきかという世界が認めるビジョンを提示すべき」との主張でした。

第二は、「地球温暖化防止」という言葉があるが、すでに「防止」というステージではない。「温暖化は確実に進行しているという前提で、それをいかに最小限で食い止められるか」という視点で、世界を巻き込んだ議論をして、具体的なアクションを起こしていくべきだという主張です。

どちらの主張も、日本という国を常に外から見ていらっしゃる方だからこそのものであり、大変新鮮かつ示唆に富んだものでした。

「わが国省エネ技術をいかに世界に売り込むか?」という最近の私のテーマを実践していく上でも、大いに参考にさせてもらいました。

なお、末吉さんは、先ごろ政府が発表した「地球温暖化問題に関する懇談会」のメンバーにも選ばれたようで、ぜひともグローバルな視点からわが国の目指すべきビジョンと戦略の構築をお願いしたいものです。

今後とも、末吉さんの言動や活動には注目し、学ばせていただきたいと思っております。

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