苦境の時に、さりげなく手を差し伸べてくれる方々。それこそが本当のサポーターであり、感謝しても、し足ることのない方々である。
晴天の時には、多種多様な傘の売り込みがあるもので、そういう人に限って、雨が降り出すと真っ先に顔を見せなくなる。
雨の降り始めの時には、軽くて小さな傘を。本降りになってきたら、頑丈で大きな傘を。その時々の状況に応じて、適切な支援をいただけるほど、ありがたいことはない。
翻って、自分自身は、他の人に対して、そんな理想のサポーターたり得たことが過去にあっただろうかと顧みると、赤面汗顔の至りである。
自分自身にそんな余裕とゆとりがなかったというのは、単なる言い訳にしか過ぎない。たとえ自分が苦しい時であっても、さらに苦しんでいる人には、自分のできる範囲での支援の手を差し伸べる。
特に、ベンチャーの創業期などには、周りが見えなくなり、自分のことで精一杯になってしまう傾向がある。
「情けは人のためならず」「受けた御恩は終世忘れず」とは、起業家として決して忘れてはいけない基本所作であろう。
ベンチャー企業の成功・失敗の秘訣は、意外とこんなところにあるのかもしれない。
お互いの信頼関係によるネットワークこそが、われわれのコアコンピタンスなのだ。