どんなに不況期であっても、会社が儲かるための鉄則はたった一つ。
「売上増」と「経費減」 この二つのことを同時に継続的に進めること。
このシンプルなことをひたすら追い求めるのが、経営者の最大の役目でもある。もちろん、言葉は単純ではあるが、それを実際の企業・組織行動として進めるためには、経営者は不断の努力と知恵を絞り続ける必要がある。
先日、このことを実に30年以上にわたって実践されてきた先輩経営者の話を身近に聞く機会があった。
経営は「結果」という言葉通り、その経営者の話には、深く重いものがあった。そして、随所に出てくる具体的な数値。金額ベースですべての業務オペレーションの大枠をしっかりと把握されている。これは言うほどに易いことではない。特にトップの立場の人間は、自ら動かなければ、待ちの姿勢では身に着くものではない。
特に、会社の浮沈を賭けるような大きな投資決定をする折には、大枠の採算ベースの確認はもちろんのこと、その積み上げられた細目の数値のポイントをしっかり把握する。そして、最後は自らの感覚に頼り決断する。
その決断時には、世の中の流れなどとは無関係に、自らの計算と商売感覚に信頼を置くべき。
この世の中の流れに流されないで決断ができるかどうかが、最も難しいところであろう。その決断の最初の分かれ道で、成功と失敗は決まると言っても過言ではないのではないか。ただその成否の結果が出るのは、実は相当時間が経過してからだろうが。
「ベンチャーは走りながら考える」といつも信じていた自分にとっては、この先輩経営者に大きな会社の節目における意思決定の極意の一端を垣間見させていただいたような気がしている。
これこそが、「商売感覚」というものであろうが、果たしていかにしてこれを磨くことができるのか。この答えを見つけることが、これからの自分の大きな課題だとも感じた次第である。