先日、創業40年以上経過した一部上場企業の「設立趣意書」を拝見する機会を得ました。もちろん、それはその会社の創業者が書いたものです。
その会社は超大手企業のグループ会社であり、親会社の意向で設立されたと、失礼ながら思っていたので、ある意味驚きでした。
その設立趣意書には、創業者の熱い思いと覚悟が綴られています。さらに、その行間には、言葉にならない、また言葉にできない創業者のエネルギーを感じます。そのエネルギーは、ある種の悔しさや怒りのようなものかもしれません。
ソニー、ホンダ、パナソニックなど、現在の日本を代表する会社も、それぞれに創業者の精神が受け継がれています。歴代の社長が、その時代の要請に合わせて、創業者の創業時の思いやエネルギーを読み解きながら、後世に伝える努力を惜しんでいないからでしょう。
どんな企業でも、背骨のように「一本筋が通った」企業は、どこか気品のような気高さを感じるものです。その理由の一つには、役職員全員が創業精神に誇りを持って仕事をしていることがあるのではないでしょうか。
もちろん、創業精神がうまく受け継がれていることだけで、収益的にも優良企業だというようなことはないかもしれませんが、一つの不可欠な条件ではないかと思います。