再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

今年の総括と来年への展望

2009-12-27 09:49:01 | チャット

2009年の総括をしなくては、と言っても、当社は8月決算なので、現時点は第3期目の134か月が終了したところ。

経営者にとっては、決算サイクルが1年の総括期となるので、カレンダー上の年末は一種の気分転換程度である。

一週間ほど前に終了したCOP15については、もう少し明確な方向性が出るものと期待していただけに、失望の感は拭えない。まあ重要なことが先送りされたとはいえ、決裂という最悪の結果にならなかっただけ、良しとすべきか。

来年の1月末までに各国が中期目標値を申告することになっているようで、日本としては「条件付きの90年比25%削減」を出すことになるらしい。

さて当社の第2期(8か月)から第3期(4か月)であった2009年は、やはりベンチャー立上げとして最も苦しいところ。まさに「ベンチャー死の谷」からの脱出ができるかどうかの苦闘の一年。まだその苦闘は、2010年にも続いていく。

そんな中でも社長としての経営方針ならぬ今の正直な覚悟は、極めて単純に以下の3つに集約される。

    どんな相談事にも真摯に対応すべし。

    自分達にしかできないことを探し出すべし。

    お仕事をいただいたお客様をなにより大切にすべし。

いろいろな企業様から、さまざまなご相談をいただくことが、看板と知名度のないベンチャー企業にとっての最大の喜びであり、またチャンスでもある。われわれのような小さな会社に相談をいただくということは、大抵がその企業様では対応しづらい案件やテーマであるはずである。だから、そう簡単に対応や解決できるものは少ない。

それでも一生懸命に考え対応することが、二番目の覚悟である「自分達にしかできないことの発掘」につながることもある。

そして、その結果として何かしらのお仕事を頂戴できれば、そんなありがたいことはない。そうしたお客様は、われわれにとっては神様のような存在であり、最大限の努力によって、ご満足いただけるようにすべきであり、そのことがまた次の仕事へとつながっていく。

ベンチャーが死の谷から無事生還するためには、以上のビジネスサイクルを地道に続け、一つずつ実績を積み上げるしかない。

ベンチャーの立ち上げ期には、仕事は選ぶものではなく、まずお客に選ばれることである。

この自らの経験から出た格言を信じて、新しい年にも向かっていきたい。

一年間、このブログをお読みいただいた方には、心より感謝申し上げます。

良いお年をお迎えください。

そして、来年も当社共々、何卒よろしくお願いします。


“ゆくエコ、くるエコ”から想起したこと

2009-12-19 11:07:01 | コラム

日本のCO2排出量は、地球全体の5%足らず。それに比較すると、米国と中国を合わせると地球全体の約40%と、日本の8から10倍の規模である。

その日本の中期削減目標が90年比15%削減であろうと25%削減であろうと、地球全体から見れば物理的には大勢に影響はない。

つまり、日本は地球温暖化問題においては、幸か不幸か大国ではなく、アジアの極東にあるほんの小さな国に過ぎない。ということは、国際的には影響力の小さい極めて弱い立場なのだ。この自らの立ち位置は、われわれ自身がしっかり認識して、今後の自らの姿勢や行動を決めるべきである。

さらに言えば、小国に過ぎないという謙虚さがわれわれ日本人すべての発想の原点になくてはならないと思う。

ただし、だからと言って、温暖化問題に対して、何も考えず何も行動しなくてもいいと言っているのではない。また小国の無力感を嘆いているのでもない。

むしろ、小国だからこそ、何ができ、何をすべきかを考える必要があると言いたいのだ。

明治初期、われわれの諸先輩は、西欧列強諸国を「坂の上の一筋の雲」にみたてて、そこに追いつこうと必死に努力した。その背景には、黒船来訪以来、自らの国が弱小国であることを悟り、大国に学び、少しでも近づきたいという謙虚さがあった。

さて21世紀初頭の現在、地球環境問題における小国日本は、なにをそしてどこを目指していくべきだろうか。そして今、われわれが登るべき坂には、目指すべき「雲」は見えているのだろうか。

コペンハーゲンCOP15での紛糾が物語っているように、われわれのみならず、世界全体が目指すべき「雲」を必死に模索している状況ではないのか。

であるならば、小国日本こそ、自らがこの「坂の上の一筋の雲」にならんと考えるべきではないか。そのためには、どうすればいいのか。

「いくエコ、くるエコ」から、「くるエコ、いくエコ」へ。

エコを受身的に待つ姿勢(「くるエコ」)から、能動的にチャレンジしていくこと(「いくエコ」)。他国の動向を見ながらではなく、自らの意志と信念で進む。

われわれ日本人こそが、さまざまな次元での環境問題に接する時、自らが主体的かつ先導的に動く姿勢であるべきではないか。

地球全体から見れば、物理的な影響力の小さな国の行動であっても、きらりと光る世界の模範となることは十分に可能である。

日本人には、一旦決意すれば、その英知と団結力がある。真のリーダーの基本姿勢は、いつの時代でも率先垂範であると信じる。

そして、世界中の国々から、「日本は低炭素社会における理想郷」だと思われるような「坂の上の一筋の雲」になりたいものである。


COP15の迷走

2009-12-13 09:47:12 | コラム

先週からデンマークのコペンハーゲンでCOP15が開催されている。

各種報道によると、先進国と途上国間の溝はいよいよ深く、ポスト京都の道筋となりうる「政治合意」は難しい情勢のようだ。

本来ならば、ポスト京都である2013年以降の削減数値目標が明確に合意されることが今回のCOP15の役割・目的であったはずだが、それらは困難ということで、まずは政治的に大枠の考え方の合意を目指すことになった。

現状では、それすらも難しいとのことであるが、何とか今週末の期限までの合意を期待したいものだ。

それにしても、中国やインドの発言力がますます増しているようだ。彼らの基本スタンスは、あくまで途上国サイドとして、歴史的に温暖化問題の責任は先進国にあることを前提としている。

確かにそれを声高に主張されると、先進国側も弱い立場である。

同時に、現在の世界的な経済不況下にあって、先進国側の思惑としても、今後の自国の経済成長を中印などの成長著しい新興国に期待する面も否めない。その意味でも、GHG排出の大きい中印のような途上国には、あまり嫌われたくないという下心もあろう。

一方、地球温暖化は確実に進行しているという科学的な見地からの報告も日々届くようになった。

このような閉塞状況をどう打開すればいいのか、大変難しい問題である。

こんな時こそ、リーダーの役割が重要になる場面ではある。まずもって自ら先頭にたって範を示しつつ、各国の利害を調整していく。そのためリーダーには無私の姿勢が求められる。つまり、自国の利益を犠牲にすることも厭わず、調整役と模範役に徹する。

そのためには、経済的にもある程度の力を保持しつつ、自国の省エネ・省CO2を強力に進められる国しか、そのリーダー役は務まらない。

私にはわが国にしかその役割を担える国は世界中探してもないのではないかと思っている。これこそが日本が2050年から2100年に向けて、進むべき道なのではないか。ただ同時に、そのように考えている日本国民はまだ少数派だとも思う。

今は、日本国民の矜持として、このような共通認識を国民の大多数が持てるかどうか、それが最大の課題かもしれない。

こうした率先垂範行動こそが、長い目で見れば日本国民の発展と繁栄につながることを説得力をもって語れるかどうかにかかっている。

それを誰が語るか?それも大きな課題かもしれない。


都の提言・キャップ&トレードを全国導入へ!

2009-12-05 10:44:15 | ニュース

すでにご承知の方もいらっしゃると思いますが、1127日付にて東京都から全国に向けて重要な提言がなされました。

「キャップ&トレードの全国導入についての提言」

- 東京における実績を踏まえて -

この提言における東京都のスタンスは、新政権が排出量取引制度の導入を目指している基本姿勢を評価した上で、より実効性のある当該制度を実現するため、積極的に協力をしていくことを宣言したものです。

そこで提示している4つの観点は以下の通りです。

1.総量削減を確実に達成する実効性の高い制度であること

2.日本経済全体を低炭素型に転換し、持続的な成長を可能とする制度であること

3.国際的な共通性と日本での先駆的な取組を踏まえた制度であること

4.国と地方がともに積極的な役割を果たす制度であること

最大の特徴は、「国家キャップ&トレード制度」と「地域キャップ&トレード制度」との2つの取引制度を併存させ、それぞれに前者が大規模排出事業所(500箇所ほどが対象)向けであり、後者がある一定規模以上の事業所(省エネ法の第2種エネルギー管理指定工場相当)向けとなっている点です。

また、前者が国の直接執行として、後者を都道府県及び政令指定都市が管轄するとしており、双方の市場では、それぞれの制度設計に基づいた排出量算定がなされるため、原則として両制度間の排出枠取引を認めないこととなっています。

その意味では、世界の他の国や地域間で行われている排出量取引市場に対しては、前者のみが一定のルールの下で開かれることとなり、後者の市場は、あくまで国内企業間における中小クレジットや再エネクレジットでの取引を想定しているものです。

このような二重構造的な市場構築の考え方は、大変ユニークであり、日本の実情のあった実効性の高い妙案ではないでしょうか。

私としては基本的には大賛成であり、都の積極姿勢を大いに評価したいと思います。

これならば、海外のカーボン価格の乱高下に左右されることなく、国内対策を確実に進めることもでき、国内企業における省エネ努力が公平に評価されるでしょう。また、海外に向けても、国内事情を加味した省エネ先進国ならではの制度として、評価を受けるのではないかと思います。

さすが東京都環境局ですね。

さて現政権や民主党はこうした自治体からの提案を虚心坦懐に受け入れることができるでしょうか?従来の官僚主導型の流れでは、おそらく体よくあしらわれる類のものでしょうが、ここでも新政権の謳う政治主導の看板が試される局面ではないか。具体的な動きが早期に始まることに期待したいものです。

なお、本制度の詳細については、以下のURLを参照願います。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/11/20jbr400.htm