再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

現実と理想のギャップ

2014-05-10 12:15:28 | チャット
日々の会社経営において、「愕然」とすることは多々あるものである。
ただなぜ、それほどたびたび愕然となるかを冷静に考えてみると、あくまで理想と現実とのギャップを見せつけられることによる。
つまり、理想が高いからこそ、現実とのギャップが大きくなり、愕然とするのであって、理想が低ければ、あるいはそんなものがまったくなければ、ただ漫然と現実を受け入れることになるだけだ。
だからこそ、愕然とすることが多いことは、より高い理想と理念を掲げ、現実と闘うことこそが生業である起業家にとっては、むしろ誇らしいことなのだ。
そして、いつの日かそのギャップの埋まることを願いつつ、決して埋まることはないのだろう。
なぜなら、理想は常に現実を超えて、またより高くなるはずだから。
そして、愕然とするギャップとの日々の悪戦苦闘は、今日も明日も未来へと続くのである。
これこそが起業家冥利というものか。


里山資本主義は果たして機能するのか?

2014-05-06 15:32:04 | チャット
このGWで「デフレの正体」という著作で一躍有名人となった藻谷浩介氏とNHK広島取材班による共著「里山資本主義」 ー日本経済は「安心の原理」で動くー を読んだ。
2014年の新書大賞にも選ばれただけに、内容はなかなかおもしろく、しっかりとしたフィールド調査や取材に基づいていることが分かる良書である。
日本の中国地方の取組み事例や、特にオーストリアのバイオマス関連産業の紹介は、今まであまり知らなかっただけに、エネルギー業界に長年身を置く者としての不明を恥じるとともに勉強になった。
問題はこのシステムが今の日本全体に受け入れられ、より大きなムーブメントとして、新しいトレンドとして成長できるかどうか。
藻谷氏も述べているように、現状の貨幣中心の経済システムを真っ向から否定するものではなく、最初はそのサブシステムとして構築していくことが、持続可能な明るい未来に向けたリスクヘッジになるという主張には、それなりに説得力もある。
また、すでに先進的な事例として、さまざまな取組みの紹介がされていることから、ある程度の期待や可能性も持てるものの、自分自身に置き換えた場合に、果たして今まで染み付いた考え方のバラダイムやライフスタイルを転換できるのかどうか。
はっきり言って、まだ自信と確信はないのが、正直なところでもある。
確かに、今のままの経済成長一本やりでは、いつか行き詰まることは感覚的には理解できるものの、その奈落の底への転落からこの国を救う道がどうあるべきなのか。
一つの解決策には、十分になり得るではあるだろうが。
ここまでのビジネスマンとしての30数年間を総括した時、その半分以上を起業家としての道を選択した者として、里山資本主義の考え方に、残りの人生を賭けるような果たして刺激と魅力を感じるであろうか。
ここも藻谷氏の言うように、肩肘を張ることなく、人生の一つのバックアップシステムとして捉えればいいのかもしれないが。
もう少し、今後の彼の動向や活動を注視していきたいし、自分自身ももう少し柔軟に考えていこうとは思い直す機会となったことだけは確かである。