再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

COP15の迷走

2009-12-13 09:47:12 | コラム

先週からデンマークのコペンハーゲンでCOP15が開催されている。

各種報道によると、先進国と途上国間の溝はいよいよ深く、ポスト京都の道筋となりうる「政治合意」は難しい情勢のようだ。

本来ならば、ポスト京都である2013年以降の削減数値目標が明確に合意されることが今回のCOP15の役割・目的であったはずだが、それらは困難ということで、まずは政治的に大枠の考え方の合意を目指すことになった。

現状では、それすらも難しいとのことであるが、何とか今週末の期限までの合意を期待したいものだ。

それにしても、中国やインドの発言力がますます増しているようだ。彼らの基本スタンスは、あくまで途上国サイドとして、歴史的に温暖化問題の責任は先進国にあることを前提としている。

確かにそれを声高に主張されると、先進国側も弱い立場である。

同時に、現在の世界的な経済不況下にあって、先進国側の思惑としても、今後の自国の経済成長を中印などの成長著しい新興国に期待する面も否めない。その意味でも、GHG排出の大きい中印のような途上国には、あまり嫌われたくないという下心もあろう。

一方、地球温暖化は確実に進行しているという科学的な見地からの報告も日々届くようになった。

このような閉塞状況をどう打開すればいいのか、大変難しい問題である。

こんな時こそ、リーダーの役割が重要になる場面ではある。まずもって自ら先頭にたって範を示しつつ、各国の利害を調整していく。そのためリーダーには無私の姿勢が求められる。つまり、自国の利益を犠牲にすることも厭わず、調整役と模範役に徹する。

そのためには、経済的にもある程度の力を保持しつつ、自国の省エネ・省CO2を強力に進められる国しか、そのリーダー役は務まらない。

私にはわが国にしかその役割を担える国は世界中探してもないのではないかと思っている。これこそが日本が2050年から2100年に向けて、進むべき道なのではないか。ただ同時に、そのように考えている日本国民はまだ少数派だとも思う。

今は、日本国民の矜持として、このような共通認識を国民の大多数が持てるかどうか、それが最大の課題かもしれない。

こうした率先垂範行動こそが、長い目で見れば日本国民の発展と繁栄につながることを説得力をもって語れるかどうかにかかっている。

それを誰が語るか?それも大きな課題かもしれない。