再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

エネルギー政策の一貫性を願う!

2012-10-20 14:20:38 | コラム
昨日、震災直後の2011年6月より政府のエネルギー・環境会議の事務局を務める内閣官房内閣審議官の講演を聞くことができた。

そのエネルギー・環境会議がスタートして、約1年後の2012年6月29日の第11回エネルギー・環境会議で、例の「3つのシナリオ」が提示された。

その3つとは、原発比率が2030年時点で①ゼロシナリオ、②15シナリオ、③20~25シナリオである。

ちなみに2010年の発電構成では、原子力は約15%であり、現行のエネルギー基本計画では、2030年で46%(除くコジェネ)となっている。

この3つのシナリオをベースとして、6月~8月にかけて国民的議論がなされたこととして、9月14日に発表されたのが、「革新的エネルギー・環境戦略」である。その後、この戦略は閣議決定の手順を踏んで、いよいよその実行段階に入ったことになっている。

現政権では、今年の年末までに、当戦略に基づいて、原子力政策、グリーン政策大綱、電力システム改革戦略、地球温暖化対策の計画見直しなどが行われることになっている。

わが国の将来を決める極めて重要な国家戦略の一つである「エネルギー・環境戦略」が、果たして今の弱体政府で完遂できるのであろうか。

いずれにしても、「近いうち」に解散があり、近々にも間違いなく政権の枠組みは変わるであろう。

そうなった時に、エネルギー・環境戦略の構築おいて、ここまで積上げて来たものは、一体どうなってしまうのであろうか。

内閣審議官への質疑応答の時間で、この戦略の継続性に関する質問がいくつか出たが、いくら審議官が上層部の方であっても、一官僚の身分ではこの質問にはっきりと答えられるはずがない。質問者もそのことは重々承知しながらのようにも見える。

答える官僚の側も、今言えることは「与えられたことを一生懸命にやっているだけ」と開き直るしかないのではないか。

明らかに政治が不毛である。そういう政治を選んだのは、われわれ国民であって政治家だけを責める訳にはいかないが。

本当に日本国の20年50年100年後を見据えた正しい戦略立案と選択が、われわれはできるのだろうか。もどかしさを感じるものの、そのもどかしい思いをどこにもぶつけるところがない。

少なくとも、震災後の1年半に亘ったさまざまな議論の蓄積が、なんらかの形で活かされ、そして今まで積上げた本質の部分だけでも継続されていくことを願って止まない。

今はただ願うしかない自分自身が悔しくもある。