ほぼ、一年ぶりくらいにJRの夜間作業でした。
夜間作業のつらいところは、前後です。
実務作業の時間は、必死なので辛いとか、キツイとかは感じませんが・・・・
今回の作業は、JR鳥栖駅の受付カウンターやら事務スペースの拡張に伴う改造工事。
当社の仕事区分は、そのカウンターの近くにある本柱の移設ですが・・・・
なんせ、この受付カウンターには、PCやら端末やらが張りめぐらされている。
もちろん、その配線などにちょっとでもなにかあればダイヤは乱れてエライなことになる。
そんな中、柱はH-200*200、梁はH-294*200・・・
この部材を解体して撤去、新設に同じサイズの部材を入れ込む。
なんとか、それだけであれば別段問題はないが、問題はガスの火花や溶接の養生である。
相手は、ホコリは一切だめのPCなど・・・・・・
養生の方が時間と手間がかかる・・・・総勢10人で養生にかかる。
ガスの火花などは軽く2~3メートルは飛ぶ、それをあの受付カウンターの中で作業をするのである。
そんな緊張の中、任務は遂行されました。(わたくしは、現場での作業は任務と考える)
指定の時間の30分前には、現場に着いた。
久しぶりの、夜間での任務遂行である。
コチラは二人での遂行となる、現場で5人の別の任務遂行者とおちあうことになっている。
その5人のメンバーの中で2人は知っている、以前からこの手の「任務」には長けた二人
である。
さすがに、この二人は準備に余念がなかった。
こちらが予想していた以上に、完全遂行に向けた準備がなされている。
最終の電車が姿を消し、始発に電車の音が聞こえるまでの間に全てが何もなかったように
仕事を終えなければならない。
残りのメンバーが続々と終結してきた、どのメンバーを見てもその道のプロフェッショナルば
かりである。
多分、この難題に取り組むメンバーとしては考えうる最高の猛者達である。
そして、時間がきて作業内容の確認がこの任務を取り仕切るリーダーから言い渡される。
各自、準備は出来ているが、なにぶんわずか3時間半の間に全てを壊し、全てを修復しな
ければならない。
そんな中での、われわれの任務は、構造体の解体と新設である。
つまり、われわれがつまずくならその後の各自の任務に多大なる影響を与えるという
言わば、キーポイントとなるポジションになる。
しかも、この狭いスペースの中での、全てを完結しなければならない。
スタートの合図にみんなの顔に緊張が走る。
そして・・・・・・・・・・始まった。
外は雨が降ってるが、我々には寒さを感じる余裕などない。
自分の頭の中で、イメージが動き出した。
そして全てイメージどおりに「任務」が行わなければならない。
だが、現場は生き物である、刻々と状況が変わり、頭の全てのリセット解除のボタンの作動
スピードが速くなる。
工場での作業と違い、現場での任務は、全てにスピードが要求される。
現場では、数字など、ある意味、「無意味」であると言っても言い過ぎではあるまい。
ましてや、短時間での任務となればなおさらである。
研ぎ澄まされた感覚と、経験だけが尺度となり、最善の方向へと進む。
現場では、時には怒号が聞こえて、時には笑い声が聞こえる。
だが、任務遂行に向かって、暗黙の合図が出来て集団をまとめる。
朝の5時近くになると、ほぼ全ての任務の完了の合図に変わる。
そして、いつもの朝にある。
学生やら、旅行者などが始発の電車に乗り込む。
そして、我々も、トラックの荷締めに取り掛かり、全てが終わった安堵感と最後の確認
の緊張感の中で、任務が終わった事を告げられる。
初めて、眠くなり、腹が減ってる事に気付く。
「さあーー風呂でも入って、朝飯でも食うかーーー」。