I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

松尾家滞在記1

2006年06月09日 | いろんなお話

               この時期だけのおご馳走♪

5月29日~6月3日まで野母崎で農業を営む松尾さん宅にお邪魔してきました。何をしに行ってきたかというと、主な目的はびわの収穫のお手伝いです。その他にも破竹の収穫や野菜の種のポット植えなども体験させていただき、kero-keroにとってはとっても楽しく有意義な滞在となりました

              
               ひわ山(←こちらでは「ひわ」といいます)にてびわの収穫中!

長崎県は全国でも有数のびわの産地で、びわ農家では例年五月下旬頃からびわの収穫に追われます。びわは桃のようにとっても実が柔らかく、一日でも収穫が遅れると熟しすぎてしまって実が落ちてしまうため、収穫は短期間に集中して行われます。夫婦2人で農業を営んでいる松尾家では、毎年びわの収穫の時期は連日徹夜で出荷の準備に追われるそうです              

そんなお話をお二人から聞いていた私は、五島に来る前「その時期になったらお手伝いに行きます!」と宣言してこちらへ引っ越してきました。その時の約束通り、今回野母崎へ向かったというわけです。初めての体験に胸が躍ります

              

今年は日照時間が短く、なかなか実が熟さなかったため、例年より一週間ほど遅い収穫となりました。びわを収穫する時はのぞき穴から袋を破り、実の熟し具合を見て袋ごと収穫します。 そっと袋を破り、中から産毛をまとった橙色のびわの実が現れた時、その美しさに私の口から思わず「うわぁ…」とため息がこぼれました。まさに感動の瞬間です 一つの房には実が4つなるように、袋がけの際摘心しておくそうです。3~4つがベストなんですって

              

お父さんが山から収穫してきたびわの袋を外した状態がコレ↑。ここから実を一つずつ切り離し、S・M・Lに仕分けします。私のお仕事は主にこの作業です。

              

びわの実は柔らかいので手で持つ時は頭とお尻を持つようにします。打ち身をするとアザのように黒くなってしまい、出荷できません。とってもデリケートな果物なのです

              

最後に、私が仕分けしたものからお母さんがきれいなものだけを選んで箱詰めします。かさぶたのような傷の付いたものは地元の市場にくずびわとして1キロ300円で販売します。皮に少し傷がついているだけで、味は全く変わらないので、たくさん食べたい人にはとってもオススメです!打ち身したものはすぐに傷んでしまうので、絶対に売りには出しません。それらはおやつとして私たちのお腹の中に収まります

                

農薬を全く使わず、こだわり抜いて作られた松尾家のびわ。ギリギリまで太陽の光にあて、甘みが増すまで収穫を待ったものの、今年は日照不足で去年に比べると糖度が低いそうです。でもそれも自然の中で育ったものだからこそ。人はとうてい自然にはかなわないのです。

              
               ひわ山のクチナシ。お花が満開でした!

自然と共に生きていくということは、自然を支配しようとすることではなく、自然を受け入れ、その恩恵に感謝することから始まるのだと思います。 できるだけ自然に近い状態で作物を育てようと、日々試行錯誤しながら無農薬栽培を続けている松尾夫妻のお話を聞いていると、つくづくそう思います。

              
               ひわ山のレモン。今年はたくさん実がなりそうです! 

「無農薬をブランドにはしたくない。ごく当たり前の農法なのだから。」と松尾のお父さんは言います。無農薬だからといって決して高価ではないし、びわに限らず、松尾家の作物には自然に対する感謝の気持ちがたっくさん詰まっています。野母崎の水仙公園内にあるじげもん市に行くと松尾家のお野菜が並んでいますので、興味のある方は是非是非ご賞味くださいませ!

滞在記はまだまだ続きます