I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

海の幸

2006年06月26日 | 五島のお話

               三井楽町波砂間産のウニ

私のちょっとした夢(←たくさんありすぎ…)。それは「とれたてのウニを海水で洗って食すこと」。先日その夢が叶っちゃいました

ウニの旬は産卵期の前の5月初旬から8月のお盆まで。ということは、今がまさに旬の時 この日はnaoのご両親とそのお友達が三井楽町の波砂間(はさま)というところへナガレコ(←後で紹介します)を採りに出かけているということで、我々も早速その様子を見に行ってみました。すると「今日は何もおらん」と言いながら、naoのお父さんがバケツに入れて持ってきてくれたのが、この3匹のムラサキウニ。そしてお父さんの思いがけない嬉しいひとことが…!

お父さん:「海水で洗って食ってみれ」

kero-kero:「え?いいんですか??

              

naoのお父さんのお言葉に素直に甘えて、まだ動いている新鮮なウニを石で叩いて割ってみると、中はこんな風になっていました。ちょっとグロテスクですが、私たちが普段食すのは中の黄色い部分。この部分は生殖巣(卵巣や精巣)といって、一つのウニに5つ入っているそうです。

              

naoが食べられる部分を上手に取り出してくれました 海水でちょっと洗って食べてみると、海水の塩味とウニの甘みが調和してとーっても美味でした 最初にこんなトゲトゲの生き物を割って食べてみようと思った人は偉いなぁ。

お父さんが採ったウニは結局3つとも私たちのお腹の中へ。お父さん、ご馳走様でした!一つずつ中身を取り出して食べてみて気付いたことですが、色の濃い物の方が味が甘くて深みがあるような気がしました。同じウニでもよく味わってみると一つ一つ味が違うんですね

              

ウニの他にも海の幸がこんなに!見たことのない貝に興味津々の私は大喜びだったのですが、どうやら今日は不漁だったようです

              
               タカゼ

              
               マミナ

              
               ナガレコ

タカゼはタカセガイ(高瀬貝)とも呼ばれ、一般にはこのような円錐型の貝を「ミナ」と呼んでいるそうです。マミナはタカゼよりも味が良く、少し丸みを帯びた形が特徴です。ナガレコ(流れ子)は一見アワビに似ていますが、なんと味はアワビよりもおいしいそうです 流れ子という名前は「貝なのに流れるように這うことができる」ことからそう呼ばれているようですが、地方によってはトコブシ・フクダメ(福多目)とも呼ばれているそうです。

              
               ミナの帽子をかぶって… 

最後に、ウニのことについてちょっと調べてみたんですが、なんと1940年頃まではウニは昆布の天敵として漁場では嫌われていたそうです。今や高級食材としてお寿司屋さんでは欠かせないネタとなっているウニですが、そんな歴史があったのですね。また、ある研究者によると、生活排水に汚染されている海域ではウニの発生が阻害されるとありました。その方が20年近く研究した結果、石けんではほとんど影響がないのに対し、合成洗剤では程度の差はあるにせよ全て有害であったということです。詳しくはコチラ→『石けん百科』

この波砂間でもナガレコやウニの量がかなり減ったと言います。何が原因かは分かりませんが、自然環境を不自然に変えてしまうのは間違いなく私たち人間だと思います。 合成洗剤のことを含め、私たちが豊かな海を取り戻すためにできることは身近なところにもあるようです