8月12日(土)晴れ。旦那さんと一緒に雲仙に登ってきました~
実は今回の登山はただの登山ではなく、旦那さんが携わっている全国高等学校総合文化祭に関わるイベントの一つで、2年後に長崎県で開催される全国総文祭に向けて雲仙で行われるフィールドワークのガイドを養成するため、山を歩きながら地質学専門の先生と植物学専門の先生が県内の自然科学専門部に所属する生徒達に雲仙の地形や植生についてレクチャーして下さるという、ちょっと特別な登山なのです。なんとそのイベントに私もモグリで参加させてもらえるということで、旦那さんよりもむしろ私の方がワクワクしながら、旦那さんと二人で集合場所である雲仙仁田峠へと車を走らせました。雲仙へ行く途中、山に近づくにつれて私のテンションがどんどん上がっていくのを察したのか、旦那さんから「生徒の前に出ちゃダメだよー」と何度も釘を刺されました。よっぽど楽しそうにしてたんでしょうね~、私(笑)。
地質学の先生は教育センター主任指導主事であり、現在は雲仙岳災害記念館研究員をされている寺井邦久先生。雲仙の地形がどのようにして形成されていったのかを詳しく教えてくださり、約7万年前に野岳カルデラ(*カルデラとは火山活動によって形成された窪地のこと)が形成され、その中に約1~2万年前に妙見カルデラが形成され、さらにその中に4~5千年前に普賢岳や国見岳が形成されたことを知りました。他にも千々石断層のお話、興味深いお話が盛りだくさんでした。実際の地形を目で見ながら説明を受けると、本や図鑑で見るより何倍も説得力がありますよね
妙見岳からはゴルフ場や温泉街やおしどり池を望むことができました。この地形も全て火山活動によって形成されたものだそうです。
雲の下辺りに見えているのが千々石断層。ちょっと見えにくいかな~ちなみに左側の海は橘湾です。
妙見カルデラの崖を下っているところ。ここが一番の難所でした。上りより下りの方が危険なんですよね~
こちらは仁田峠から見た景色。遠くに見える雲の線は、湿度100%の境目なのだそうです標高が100m高くなると気温が0.6度下がるので、下界と比べると標高1080mの仁田峠ではおよそ−6度、標高1333mの妙見岳ではおよそ−8度であることも教えてくださいました。ということは諫早が34度くらいなら、妙見岳の気温は26度くらいということになります。どうりで涼しい訳だ~学生の頃習ったようなこともいろいろ教えてくださったので、ちょっとだけ脳が活性化されたような気分になりました
植物学の先生は諫早市自然保護協会の理事であり、県民の森案内人でもある宮崎正隆先生。現地でお会いするまで気付かなかったのですが、先生はなんと私の父と古くから交友があり(私の母と先生の奥様も!)、うちの旦那さんの同級生のお父さんでもありましたお名前は以前父から聞いたことがあったのですが、まさかこんな形でお会いするとは。これも何かのご縁なのでしょうね先生は時折このように紙とペンを使いながら、植物の名前の由来や雲仙の植生の特徴などをユーモラスに語ってくださいました。お話の中でも印象深かったのは、標高1300mほどになると宮城県の気候とほぼ同じになるということ。確かに今回私たちが登った妙見岳付近では、下界ではほとんど聞くことのできない暑さに弱いミンミンゼミの「ミーンミンミンミン…」という風流な鳴き声をあちらこちらで聞くことができたのです長崎でありながら、植生や生態系からするとここは東北なのですね
では、この時に見つけた雲仙の草花達をご紹介します
キク科ヒヨドリバナ
ユキノシタ科ノリウツギ
ユリ科ホソバシュロソウ
オトギリソウ科オトギリソウ…かな?
キキョウ科ホタルブクロ
バラ科シモツケ
シソ科ウツボグサ(上:花、下:花が枯れた後)
タデ科ハナタデ
セリ科ハナウド
ユキノシタ科ヤマアジサイ
これは分かりませんでした
ユリ科ヤマホトトギス
う~ん、これも分からない。宮崎先生に聞けば良かった
キク科モミジガサ
そうそう!宮崎先生のお話でもう一つ興味深かったのは、雲仙には多種多様のカエデが自生しているということ。
葉っぱの形は違うけど、これらは全部カエデの仲間なのだそうです。その特徴としては葉の付き方が対生(茎の節に二枚の葉が向かい合って付くこと)であるということ。これには今まで気が付きませんでした。寺田先生、宮崎先生、いろいろとレクチャーしていただき、本当にありがとうございました
高校生の皆さん、そして各学校の先生方、大変お疲れ様でした!2013年の総文祭に向けてこれからもっと多忙になってくるとは思いますが、お体にはくれぐれも気をつけて、総文祭の成功を目指して頑張ってくださいねまたこのような機会がありましたら、一声かけていただけるととても嬉しく思います。生徒さん達の前に出るようなことは決していたしませんので~(笑)どうぞよろしくお願いしまーす