ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

介護に外国人労働者を?

2007-05-09 | 考えたこと
姉達のやっている日本語教室において

先進国とは呼ばれない地域から来た人の方が
勉強熱心だ、と 

姉は評価している。




花の世界は 春から初夏へ 急速に変化している。
今朝の散歩で見つけた、白っぽいシラン。



不安はないのだろうか?と こちらが驚くほど、
日本語がまったくできない状態でやって来る、ということだった。

彼女たちのお給料は 
とにかく、びっくりする程 安いのだと聞いた。

姉が「搾取ではないのか!?」と憤りを覚える程のようだ。

もっとも、ことばの通じない人にできる(頼める)仕事とは
そもそも 給金がいいわけがないのだが。



それが、カタコトでも理解できるようになると、
これまたびっくりするほど、
お給料が上がるのだという。

もちろん それでも充分に安いのだろうが。

当然の事ながら、日本語の理解度がもっと高まると、
もっとお給料がよくなる。

読み書きができると かなりいいらしい。




これが、フツーの(と私が思っている)我が家のシラン。



彼女らは お金が欲しい。

生活がかかっている。

故郷への送金をしたい。

だから 必死で勉強する。



あの人たちは 頑張っている、と思う。

だから 教える側も熱が入る。

日本で 日本の企業のために働く彼らに対する、感謝。

そして 懸命に努力を重ねて働く彼らに対する、尊敬。

そうこうするうちに 
「心の友」といった雰囲気になることも多いらしい。



そうして、
「人として」の格は
何故か お金持ちではない彼女らの方が

遊びで日本にやって来て日本語を勉強する先進国の女性たちよりも
上であるように感じる。

そう 姉は言っていたことがある。

懸命に学ぼうとする彼らからは
与えるものよりも得たものの方が大きいとも言っていた。

おねえちゃん、
あなたのその体験は、つくづく、あたしは羨ましいよ。




この色が好き。同じく、今朝のオダマキ。



ところで、
ご記憶の方も多いと思うが
最近
東京の 区立の特別養護老人ホームで
観光ビザで入国していたフィリピン人女性を働かせていた、
としてニュースになっていた。



その施設の定員は100人。

介護保険法で決められた夜勤の人数は5人。

人手不足で この基準を満たせなくて
都から 早期改善を求められていた。



そこで 
NPO法人から ボランティアの名目で派遣されていた
フィリピン人女性を
夜勤の人数に入れてしまった。

そして 
日本人が勤務したように装って 満額の介護報酬を請求した。

推計、4000万円。

すごい金額!

(2002年4月ごろからの分とは言え。)



一方、
施設側からNPO法人へは 
賛助会費として 一人当たり 月平均18万9千円が支払われた。

そして 
ヘルパーとして働いていたフィリピン人女性には
立て替えていた渡航費やアパート代を差し引いて
6万7千円。

ん?

安くない?

こんなもの?

そう?



施設にも NPO法人にも 言い分はあるだろうが
不正は不正。

でも その中に
「フィリピンの人たちは 優しいし 技術もあるので
 評判が良かった。」
と。

そうなの?

そうなら、もう少し なんとか ならないの?




変わった色が欲しくて手に入れた、我が家のオダマキ。地味!



介護の現場における人手不足は深刻だ。

有効求人倍率は 全職業で1.02、介護関連では1.68。

最近では
せっかく勉強して資格まで取って就職した人が
給料の割りに仕事がキツイ、ということで
離職率が高いと 問題になっている。

1年以内の離職率が20.2%、これは平均より3ポイント近く高い。

人は 生きがいがなければ 生きている意味を感じられないが
生きがいだけでは 生きてはいけないのだ。

肉体的な負担が大きく、緊張も強いられるが、給料が安い。

失敗すれば 人の命にかかわるような場面もあるだろう。



社会保障会議(というのが、あるらしい)の試算では

介護が必要な人は 2014年には 
少なく見積もっても600万人に達するとか。

これは 2004年の約1.5倍。

ならば、介護職員も増やさなくてはならない。

あと、40万人。

かと言って、介護報酬の引き上げは 国民の負担が大きい!

(確かに、それは、あんまし、嬉しくない!。。。)



それならば、というワケで、
外国人労働者の受け入れというのは
現実的な選択肢として急浮上。

いろいろな意見もあるだろうけど、
なんだかんだ言って もう 足りてないんだから。



近いうちに フィリピンから受け入れる介護職員が増えるらしい。

フィリピンで介護士の資格を持つ人が
日本に来て介護施設に就労し 
4年以内に試験に合格して希望すれば
介護福祉士として日本で働き続けることができる。

グッド・アイディア!

けれど これでは ハードルが高くて 人が集まらないよ!



外国人労働者の受け入れは
国内の求人や就職にも大きな影響があるから
ガードも必要なのだろう。

厚生労働省の福祉基盤課は
「介護の分野だけを特例として
 条件を緩和させるわけにはいかない。」と。

それももっともだ。

もっとも、なんだけど。

どうかな?



労働条件がもっと良けりゃ
離職率も下がるし
みんなで介護関係に就職したがるだろうけどね。

日本に来ちゃって、
社会の中に入ってしまってから勉強する人のことも
応援してあげたいよね。


この前 載せ忘れた、ルピナス。もったいないから、載せちゃった(笑)。