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仏名会 その2

歴史、思想

1、経典

   現在 仏名会の所依として用いられている経典は、

   『過去荘厳千仏名経』
   『現在賢劫千仏名経』
   『未来星宿劫千仏名経』 各1巻、

   合して 『三千仏名経』3巻で、

   仏名法会の残る各宗派とも
   ほぼ 同教を用いているようである。



   しかし、仏名経典 それ自体は 意外に多く、
   現存のものだけでも 14種17巻 ある。


   
   日本では 天平勝宝6年(754)に
   鑑真和上が『十六巻仏名経』を請来して

   9世紀中には
   宮中仏名会が恒例化されたが、

   『塵添壒囊抄(じんてんあいのうしょう)』によると
   延喜18年(918)に
   『十六巻仏名経』が 現在の『三千仏名経』に改められた
   という。

   十六巻本には 一万三千余仏の名が記されていたというから、
   むしろ これが敬遠されて 三千仏がポピュラーになったのであろうか。

   ただし、
   道場荘厳や式次第には さほどの変化はなかったようだ。





   問題は 十六巻本が現存仏名経の中に無い事だが、

   『開元釈教録』によると
   菩提流支訳『十二巻仏名経』を中心に
   唐代に編集されたものが十六巻本であり、

   井ノ口泰淳博士が 
   敦煌古写経中の本経断片から これを復元し、
   近年 名古屋長福寺(七寺 ななつでら)蔵一切経中で
   『十六巻仏名経』の確認がされた。

    (ただし 七寺の十六巻本 第9巻は
     十二巻本 第9巻の途中からの写経で、
     元の経典とは異質の装丁である。

     また、宮城県新宮寺一切経中にも
     十六巻本発見の報告がある。)



   一度散逸した日本の仏名会の 当初の所依経典十六巻本は、
   ごく最近になって 再び発掘されたのである。






今日は、ここまで!


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仏名会 その1

     仏名会


定義

 一年間に犯した罪を懺悔(さんげ)し、
 穢れ(けがれ)を祓う(はらう)ために、
 年末に 
 過去、現在、未来の仏名を
 五体投地礼(ごたいとうちらい)を行じながら 
 唱える行事。



期日

 年末に日を決めて行われる。

 当初は 12月15~17日の 三日間の夜儀であったが、
 次第に短縮され、
 時間も日中に変更されてきている。





今日は、ここまで!


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