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不動堂の秋祭り 続き

このお不動様、もともとは インドの破壊神「シヴァ神」で、
インド古代貴族語のサンスクリット語では「アチャラ」と言います。

その意味は、「動かない事」だそうです。

だから、「不動‐‐‐動かない」なんです。



真理に向かって ブレないって事ですね。



大宇宙の如来である「大日如来」は、
しばしばこの不動明王に姿を変えて
私たちを救ってくれるんだそうです。






お不動様の特徴を いくつか 見てみましょう。



まず、背中に 真っ赤な炎を背負って後背としています。

悪い事をすべて焼き尽くす炎、そして お不動様の熱い心を
表現しています。



次に、右手に剣を持っています。

この剣は、
大日如来の研ぎ澄まされた智恵を表現したもので、
切る事を目的とした刀ではありません。



その次に、左手に 羂索(けんさく)というロープを持っている事。

奈落に落ちなんとする人々を救い上げたり、
煩悩を縛り付けたりするためのロープです。



また、お子さんがいます。

8人いるんですが、
特にセイタカ君とコンガラ君を両脇に従えている事が多いようです。

2人のお子さんは、一生懸命 お父さんのお世話をしています。



また、お不動様は 筋骨隆々に見えて、
実は 赤ちゃん体型をしています。

お腹がプクッとしていたり、なで肩だったり。

これは、お不動様を信仰する人々が、
全ての煩悩を断ち切って 仏の道に精進し始めると、
お不動様は 子供のように素直に、従順に、
私たちに仕えてくれる、私たちを支えてくれる
という事を表しているんだそうです。



そのほか、ヘアスタイル、左右の眼、目の色、
左右の牙、肌の色、台座、等々、

よく観察すると、お不動様には 他のほとけさまにはない、
いろいろ面白い特徴が見えてきます。

探してみて下さい。






吉祥寺には いろんなほとけ様がいらっしゃいますが、

真理・真如・悟りの内容そのものである 本堂の本尊、
阿弥陀如来さまを中心に、

厳父‐‐‐厳しくも頼りになるお父さんである向島不動明王様、

慈母‐‐‐優しいお母さんでもある観音堂の聖観世音菩薩様、

愛児‐‐‐かわいい子供のほとけさまの伊勢島地蔵堂の地蔵菩薩様

の仏教ファミリーが 
お寺と その檀家さん、信者さんをお守りしているんです。






みなさん、どうか どうか いつまでも 息災であられますように。


本日は 有難うございました。






今日は、ここまで!
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不動堂の秋祭り

たいへんご無沙汰いたしました。

さて、11月15日には 向島の不動堂で 
恒例の 秋祭り護摩供がありました。

私は出かけており、弟子に勤めさせていただきました。

その時に 弟子に読ませたメッセージを 収録いたします。






本年の向島不動堂秋祭りも 魔事無く円成の事と拝察、
御同慶に存じ上げます。

このたびの護摩供養も、小衲、天台宗の研究学会のため
お勤めできませんでした。

西泉寺法嗣善貴が代務という事になってしまいました。

申し訳ありませんでした。

何卒お許しください。



さて、向島不動堂の護摩供養は。



2月3日の節分の大祭
これは、立春の前日に 災厄を払うためのご祈祷。

4月4日の春祭り
これは、作物の 種蒔き・植え付け前に、
無事にその年の作物が実るようにという願いを込めたご祈祷。

7月1日の水神祭り
これは、夏の日照りに際し、慈雨を願う雨乞いの祈祷に、
いつの間にか 特に夏休みの子供に目を向けて 
水難事故を防ぐ目的が付加されたご祈祷。

そして、11月15日の秋祭り
七五三に合わせて、
秋の収穫を感謝するご祈祷。

1年に この4回の護摩祈祷が修行されるわけです。

ご承知の通りです。



この祈祷供養、何に願い、祈るのか?

もちろん お不動さまにです。

では、お不動さまは、何?

「ほとけさま」です。

でも、阿弥陀さまや 観音さまなんかとは
ちょっと違う感じがしますよね。

実は、「ほとけさま」には 4つのグループがあって、
それぞれに役割があるんです。







第一のグループは、「仏・如来」のグループ。

釈迦牟尼仏・阿弥陀仏・薬師如来・大日如来 等々が
このグループの「ほとけさま」で、
完全なる悟りを得た 最高の存在です。

格好は、無駄なものを全て取り去って、
信者さんからいただいた ぼろきれを縫い合わせ、
一枚の布、つまり袈裟にして 
それを体に巻きつけているだけです。



第二のグループは、「菩薩」のグループ。

観音菩薩・地蔵菩薩・文殊菩薩 等々の「ほとけさま」で、
如来の補佐をして 私たちを救ってくれます。

格好は、お釈迦さまが インド釈迦国の王子様であった時にまとっていた、
気品に満ちた、優雅な衣装を着けています。



第三のグループは、「天」のグループ。

梵天・帝釈天・毘沙門天・大黒天 等々、
みな 鎧兜・甲冑を身に着けて、如来や菩薩を守る兵士です。

また、吉祥天や弁財天などの女神は、
美しい羽衣を着て 舞い踊り、
如来や菩薩を供養しています。

天のほとけさま達は、元は インドの仏教以外の神々で、
お釈迦さまの説法を聞いて心酔し、帰依したほとけ達なのです。

興福寺の阿修羅天なんかがいい例でしょうね。



そして、第四のグループは、「明王」のグループ。

お不動さまは 正式には「不動明王」と言い、
このグループの筆頭、中心のほとけさまです。

お不動さま以外にも、明王には、
孔雀明王・愛染明王・烏枢沙摩明王(うすさま)明王 等々、
やはりたくさんのほとけさま達が いらっしゃいます。

そのお姿は、上半身裸、筋骨隆々の肉体美、もろ肌脱いで、
如来や菩薩さま達のために 汗水たらして働く 
縁の下の力持ちなんです。

かっこいいんです。






長くなりましたので、次回につづきます。

今日は、ここまで!


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