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仏名会 その11

次神分

 抑(そもそも) 仏名懺悔の庭、滅罪拝経の砌(みぎり) 等

 但第三日目、抑も三箇日 仏名懺悔の庭等



次霊分

 登霞聖霊、大師等聖霊、成等正覚の奉(おん)為に

  釈迦牟尼宝号  丁



次祈願

 天皇陛下宝祚万歳の奉(おん)為に

  薬師宝号  丁


 伽藍安穏、興隆仏法、諸徳大衆、善願円満の為に

  観音宝号  丁


 乃至法界平等利益の為に

  妙法経名  丁

  文殊宝号  丁



次勧請

 敬礼十方三世仏 仏名教主釈迦尊

 一万三千諸善逝 滅罪生善仏名経

 宝達喜王諸聖衆 還念本誓来影向



次香炉を置き経を取りて題を揚ぐ  表紙開否二説

 南無仏説仏名経 南無滅罪生善仏名経

 南無仏説仏名経 南無滅罪生善仏名経
        
                 経置否二節



次如意を取り仏名を申す

 南無帰命頂礼 万三千善逝 還念本誓来影向



次教化

 一日
 一心の誠を凝して 法主三劫の仏をぞ拝み給いける。

 能札所礼性空なれば 感応道交しぬらんこそ 覚えれ。

 二日
 仏名懺悔の筵(えん)を思えば 喜王菩薩の誓いぞたのもしき。

 現在賢劫の仏にそえて 利益人天のためしを留め給いければこそありけれ。
 
 三日
 一心に思いを凝らして 法主三劫の諸仏を招き奉り給えば、
 八難を離れて 速やかに四八妙相を備え給うべきものにぞありける。






今日は、ここまで!




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仏名会 その10

法要次第

1、台門行要抄

   仏名会導師作法



先礼仏頌

  当願衆生 得無碍眼 見一切仏

  唯願如来哀愍我 当今都見大悲身 三業無倦奉仕尊 速出生死帰真際



次三礼対懟  本儀法要、唄・散華・薬師梵音。仏名有り


次表白  

 謹み敬って、三身即一釈迦牟尼如来・十二上願医王薄伽・
 一万三千諸仏善逝・十方三世応正等覚者・滅罪生善仏名妙典・
 八万十二権実聖教・宝達喜王等の諸大菩薩・迦葉阿難等の諸賢聖衆、
 総じては仏眼所照塵数世界海の現不現前の三宝の願海を驚かして
 白して言さく。

    方に今

 当寺恒例の斎会と為して、仏名懺悔の梵筵を展ぶる事あり。

    其の趣旨如何となれば夫れ

 我等無明の眼り一たび起きて、長夜の夢永く結びより以来、
 結業無蔓として冥より冥に入り、
 塵労浩然として迷より迷に還る。

    
 
    加之

 十悪五逆悪として 造らずと云うこと無く、
 謗法闡提罪として犯さずと云うこと莫し。

 悲しいかな、現生後に鎮えに苦悩を受けんこと。

 傷いかな、将来世に永く出離を忘れたること。

 爰に我が大師釈尊、此の倒惑を愍みて、以って滅罪の経文を宣べ、
 其の沈没を哀んで、以って礼仏の方軌を留めたまえり。

 したがって之を修すれば忽ちに衆罪の霜を拂い、
 信じて之を行ずれば自から九品の蓮に託す。

 仏語は誠謗なり。

 誰か帰せざらん。

 但し罪業は重縁より生ず。

 懺悔は須らく重心を用ゆべし。

 山岳を移すに非ずんば 焉んぞ紅海を塡ん。

 宜く事理の一心を専らにして、過現の衆罪を懺すべし。

 嗚呼一息追わざれば千載永く徂く。

 前路遥遠にして資量有ること無し。

 冥使追め来る。

 怖る心何ぞ緩まん。

    仰ぎ願わくは

 一万三千諸仏善逝、互いに哀愍を垂れて此の誠を照見したまえ。

 凡そ厥の貴賤の檀王、結縁の霊寺、
 各々苦域を出て有縁無縁平等に利益せん。





今日は、ここまで!


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仏名会 その9

知恩院の納骨仏名会は、十二月二日~四日 阿弥陀堂で修され、
その年に納骨された亡霊の冥福と 
越年招福を祈る家族連れの参拝でにぎわう。

今は期日に隔てがあるが、
知恩院仏名会は もと二十一日より三日間で、
十九日の一山煤払いと、
二十日 御影堂安置 法然上人像の塵落としである、
御身拭式(おみぬぐいしき)と
一連の行事であった。
 
道場と 祖師と 衆生の身心を清め、
一年の御恩に感謝し、
新年の修正会で 社会の平安と信者の幸福を祈るわけである。



奈良 長谷寺の仏名会は 一月八日~十日で、
信者が裸参りをする裸祭りである。

これは 年越しの祓いである禊の要素を含んでいる事を
意味するという。



この外、現在でも
京都 清水寺(十二月一日~三日)、
大津石山寺(十二月六日~八日)、
東大寺二月堂(十二月十四日)、
金峯山寺蔵王堂(十二月十四日~十六日)、
奈良 矢田寺(十二月九日)
などで 仏名会の法会が行われている。



歳末行事には 懺悔 や 払い に関わるものが多い。

身心を清浄にして 新しい年を迎えようというのである。

煤払い(祓い)、禅宗別時念仏、知恩院御身拭式などと同義の中に
仏名会も位置付けされるであろう。





今日は、ここまで!


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