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大切な「誰かのため」が 頑張れる「自分のため」になっている!

平成30年の新春に當たり、謹んで至心に三宝を誦し、
併せて檀信徒の皆様の御清栄を心よりお祈り申し上げます






日本人のおもてなしが、世界中で絶賛されています。

うれしいですね。


 
 この日本の『おもてなしの心』は 
どこからやって来ているのでしょう?

それは、ご先祖さまたちが育んできた、
美しい心・優しい気遣い・清らかな思考・素敵な智恵が、
時空を超えて現代の私たちの心につながってきているからだと思うのです。

そのことを ふだん何気なく口にしている普通の日本語の由来(語源)を尋ねて、
ちょっとだけ考えてみましょう。



『瞳』という言葉は、
だた「目」というより、
なんとなく愛らしい感じがしますね。

瞳の語源は「人見」です。

人を見る身体の器官だから人見なんです。

現代の私たちは、
鏡や写真で 自分の瞳を見る事が出来ますが、
昔の人は 
そうそう瞳孔を観る機会なんてありませんでした。

赤ちゃんや恋人など 愛する人と至近距離で見つめ合う、
そんな時だけ
相手の目の真ん中にある黒い小さな点を 確認できたんです。

その黒い点は、
なんの疑いもてらいもなく まっすぐに自分を見ていてくれている。

相手にとっても同じです。

ご先祖様たちは、
見つめ合う相手と 心が通じ合っている喜び、
そして 安心を感じながら、
黒い点を『瞳』と言ったのでしょう。



『ゆるす』のは むずかしい事です。

相手を許す(赦す)かどうか考えているうちは、
自分の心の傷が癒えてない状態です。

心が落ち着きを取り戻していれば、
許すか許さないかじゃなく、
これからどうして相手と関係していこうかを
考えているはずです。

無理して相手を許そうとすると、
自分の心の傷は どんどん広がっていくばかりです。

『ゆるす』の語源は
「ゆるくする・ゆるやかにする」です。

ギュッと絞っていた心の入り口を 少し緩めて開いてあげる事。

相手の行為の正当性は絶対認めないけど、
相手の真剣な姿にも 考えを巡らせてみる。

相手の過ちを糾弾しても、それを繰り返さないように懸命に考え、
努めている相手の努力を想ってみる。

そんな心の広げ方が
『ゆるす』という事なんです。

そして、
相手から「ゆるしてもらう」という事は、
相手のやさしさに包まれたことなのです。



この他、
『住む』
「心が澄んだ状態で 日々を過ごせる事」、

『謎』
「何ぞ 何ぞ の好奇心」、

『にこにこ』
「心が柔らかい事で、相手を優しく受け入れる事」、

『ついたち』
「月が立つ~つきたち」、

『もみじ(もみぢ)』
「もみづ。秋の紅葉の事ではなくて、
 神さまが 手ずから揉み出してくれた 命の輝き」 等々。 



この他にも 
まだまだたくさん 日本語の由来の面白さは ありますよ。

(参考「日本の言葉の由来を愛おしむ」高橋こうじ著・東邦出版)



日本語の中には、
先人たちの育んできた 温かい優しさや繊細な智恵が、
真摯な信仰心や 
ふと微笑んでしまうユーモアなどと共にあふれていて、
それが おもてなしの考え方にも
つながっているんだと思います。

日本て素敵ですよね。






檀信徒の皆さんが、和やかな一年を過ごせますよう、
心からお祈り申し上げます。

                       山主合掌



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