ソ連崩壊後、ソ連西部の独立した国が次から次へとNATOに加盟し、ロシアがNATOの脅威を感じたことは理解できます。しかしNATOは戦争でこれらの国を吸収したのではありません。これらの国はロシアに脅威を感じてNATOの防衛力に期待して加盟しました。ロシアの外交に問題があったことは明白です。
近年のロシアはエネルギー輸出でNATO加盟国との経済交流を深め、ヨーロッパとの関係は大幅に改善されていました。明らかにNATOの脅威度は下がっていました。
それなのに再びNATOがロシアに警戒し始めたのは、強引なロシアの国土拡大が原因でした。ロシアは、国境の現状に満足し、交流を重視すればまったく問題なかったのにカフカス山脈地方で戦争による国土拡大を行ったり、ウクライナに対しては親ロシア派を利用してやはり国土拡大を実行してきました。
NATOの拡大に我慢がならなかったというロシア人の言い分は事実誤認だと思います。ロシア周辺国の離反が我慢ならなかったのだと思います。しかしロシアがいい国なら周辺国が離反する訳がありません。ロシアが脅威だから周辺国はNATOへ接近したのだと思います。
ソ連時代がよかった、帝政ロシア時代のロシアがよかったとロシアの人々が考えることは、国土の広さ重視で、周辺国の人々のことを考えていません。国は行政区、戦争による国土拡大は犯罪という戦後の国連常識を理解していません。
ロシアの人々が考えるようにアメリカは悪い国だと思います。しかしロシアのウクライナ戦争についてはロシアの悪が問題になっていることを理解してほしいと思います。