第二次世界大戦後、アメリカは強大国となって世界指導を目指しました。しかし外国の自主を軽視するとか、平等ではないとか、すぐ戦争するとか、押しつけ型の世界指導が嫌われ、世界の多極化がおこりました。
世界は国連でまとまるどころか、強大国志向の国が次第に威張るようになりました。先行のアメリカも、指導力の低下が著しいのに相変わらず威張って21世紀に入っても、すぐ戦争する短気を丸出しにし、ますます指導力を弱くしました。
これを見たロシアは、アメリカに代わる世界指導国になるどころか、アメリカをまねて国威国権国益を追求する同類になってしまいました。学問しない国です。今回のロシアのウクライナ戦争はあまりにも露骨な国威国権国益追求なので、アメリカなどは世界指導力回復のチャンスとロシアを批判し叩いています。
多極化が戦争を招いてしまいました。
中国も忍耐すればいいが、台湾は中国の核心的利益と言って国威国権国益を重視し、戦争による台湾統一を目指しています。やはり学ばない国です。
一大同盟をつくらないと世界指導で勝てないと思うアメリカは、従属的な日本を軍事力の大きい同盟国にするべく、言葉巧みに日本を籠絡しています。岸田文雄総理は自主をすっかり忘れ、バイデンアメリカ大統領がニコニコしながら話し合ってくれると有頂天になり、思い上がり、舞い上がっています。国民には独裁的、アメリカにはごますりです。日本が不平等な立場にあること、戦争になることなど考えようともしません。
岸田総理が安倍晋三元総理を偉大と言って国葬に付したのは、彼がアメリカとの関係を深めたことを評価しているからだと思います。アメリカが世界指導力を回復し、従属する日本も世界的立場を上げ、世界に威張れると踏んでいます。
その確率はゼロです。
アメリカの衰退は確実に進んでいます。不信のアメリカ人は個人が武器を持ち、思うようにならないと武器を使います。アメリカがすぐ戦争するのと同じです。自国の無法を反省するどころか国民はまねています。世界指導力を回復できる訳がありません。無法が支配している国です。信用は低い国です。
世界は多極化し、信用できない国が増えたと思います。ロシアのウクライナ戦争を見て、世界はいい方向に向かっていると思う人はいないでしょう。ロシアは悪い、ウクライナはいいとは言えないでしょう。ウクライナは地獄でしょう。誰も戦争を中止する方法を知りません。戦争は拡大しています。世界は苦悩しています。
日本がとるべき態度はアメリカに従属して防衛費増額・増税、反撃能力の保持でしょうか。大赤字の日本政府が、どうやって中国の攻撃を無力化する反撃能力を持てるのでしょうか。ものすごいお金を使って中国を圧倒する反撃能力を持たなければなりません。不可能です。できないことをすれば大損するだけです。
日本はもっと別の方法を考えないと、衰退はとまらず、悪くすれば滅亡でしょう。
今中立と言うと、同盟重視の先進国に袋叩きにされるそうです。自由自主でいられません。だから従属では嵐の海で沈没する船と思いませんか。民生重視で平然と技術開発と生産に注力する図太さを持ってほしいと思います。それしか能がない国ですからと平然と言える国になってほしいものです。戦争肯定派から平和ボケと嘲られても、平然としている不動が真の平安と思います。
鎌倉幕府のとき、すぐ戦争する武士社会に禅宗の寺が栄えました。これは面白いことに幕府が勧進したものです。しかし禅宗の僧が武器をもって戦争に参加したお話は聞いたことがありません。武士社会は消滅したが、禅宗の寺は今も存在しています。戦争派が負け、平和派が勝つことを証明していると思います。