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退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-02-07 04:26:13 | 韓で遊ぶ


誠実と言う武器

ある軍事訓練所であったことです。
そこは教官が厳しく過酷な訓練で知られた訓練所でした。
「1、2、1、2、、、1、2、1、2」
訓練は朝早くから夜遅くまで、一つの間違いもなく規則通り日課表にしたがって進められました。ですが、長距離走をするといつも隊列から外れて寂しく走るビリの兵士がいました。
その日もそうでした。
「はぁ、、、はぁ、、」
みんなが一心不乱に動いているのに、その兵士だけは一人遅れてよろよろしていました。
「は、、、はぁ、、、」
だからと言って座り込んで落伍者になることはできません。彼は歯を食いしばって走りました。
「で、、、できるぞ、、はぁ、、、」
そうやってどのぐらい来たでしょうか。目の前に分かれ道が現れました。
どちらか一つを選ばなければならない分かれ道です。
それぞれの道の前には標識が立っていました。
右側の道には兵士が走る道、左側の道は将校が走る道となっていました。
彼はしばし立ち止まって分かれ道を交互に見ました。
「いずれにしても、将校の走る道のほうが短くて楽なんだろうなぁ。」
見ている人もいなし、楽な道を走ろうかと、しばらくためらった彼は、結局、兵士の走る道に入って行きました。軍人としての良心を捨てることができないための決定でした。
ところが意外にも、彼は30分も経たないうちに決勝点に到着し、驚くことに9等を記録しました。
9等はおろか50等以内にも入ったことのない彼は、何かの間違いだと思いました。まさにその時、訓練教官が水を差し出して言いました。
「よくやった。飲みなさい。」
どういうことなのか訳もわからないで面食らっている時に、一人二人と気力が尽きた軍人たちが決勝点に入って来ました。
みんな、将校が走る道を選んだ軍人たちでした。
「やっとわかったか。分かれ道で自分をだまさなかった誠実感が、まさにお前の武器だった。」
誰も見ていないところで、良心を守った彼は、もはや軟弱なビリではなかったのでした。
コメント
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