退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-02-19 06:23:08 | 韓で遊ぶ


1本のバラ

ある紳士が花屋の前に車を止めました。
遠い故郷にいる母に花束を送ってくれと注文するつもりでした。紳士は店に入ろうとした時、一人の少女が道端に座って泣いているのを見つけました。
紳士は少女に近づいて尋ねました。
「おや、君はどうしてここで泣いているの。」
少女は泣きながら言いました。
「お母さんにあげるバラの花を1本買いたいのですが、お金が足りなくて。」
紳士は胸が痛みました。
「そうか。」
紳士は少女の手をとって花屋に入って行き、母に送る花束を注文した後に少女にバラの花を1本買ってあげました。
少女の表情は明るく変りました。
店を出ると紳士は少女を家まで送ってあげるといいました。
「本当に送ってくれるの。」
「もちろん。」
「ならば、お母さんのところに連れて行って下さい。あの、、でも、おじさん、お母さんのいるところは少し遠いのよ、、、」
「はは、、これは、君を乗せなければよかったな。」
紳士は少女が案内するとおりに車を運転しました。
しばらく走って市内の大通りを抜け、くねくねした山道に沿って行ったところは、意外にも共同墓地でした。
少女は、できてからいくらもたっていない墓に花を置きました。
一ヶ月前になくなったお母さんのお墓にバラの花を一本ささげようと長い道のりを走ってきたのでした。
紳士はその子を家まで送ってあげた後、花屋に引き返し、母親に送ることにした花を取り消しました。
そして花を一束買って5時間もかかる母の家に走ったのでした。
コメント
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