退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-02-23 06:30:52 | 韓で遊ぶ


母は受験生

受験生の息子を持つ母がいました。
息子は母親がとやかく言わなくても、いつも夜遅くまで勉強する模範生でした。
ですが、その息子が勉強をする時は、母親も勉強が終わるまで眠い目をこすりながら、息子と一緒に夜を明かしたりしました。息子が眠気に勝てずに眠ってしまうことを心配してのことでした。母はその都度、米をボールに1杯入れてその中から何かを熱心に選んでいました。
「母さん、毎日、米から何を選んでいるの。」
気になった息子は我慢しきれずに聞いたこともありましたが、母親はにっこり笑っているだけでした。
いつの間にか1年が過ぎて試験の日になった時、いつもよりも早く起きた母は受験生の息子を呼びました。そして息子の前で小さなつぼを一つ開けました。
つぼの中にはつやつやと光った米がこんもりと入っていました。
「これは、夜ごとにお前の後ろで選んだ米だよ。ボール1杯の中から一番粒が大きくて形が良くておいしそうなものを選んでおいたのだよ。日によっては2粒しかない日もあり、10粒の日もあった。」
母は米を一粒一粒選びながら、この米のようにしっかりと中身の充実した人間になれと祈りながら選んだと言いました。
「母さん。」
母親は、その米を1粒もこぼさないように丁寧にといでご飯を炊き、試験場に行く息子の朝ごはんを準備してあげたのでした。
コメント
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