米国が再度利上げを決定した。これで政策誘導金利が2.25~2.50%となった。あまりの急激な利上げで景気後退が心配されるとの観測が一部にあるようだがそれだけインフレが米経済を覆っているのだろう。我日本の日銀は静観の構えのようだが内心穏やかではないに違いない。
利上げに踏み切れない要因としていくつかあるだろうが、永年ゼロ金利に慣れ切った企業各社はかなりが銀行からの借入金が積みあがっているのかもしれない。それはいかんとして借入金返済を行っている企業もあるのもまた真実であるが大方はそれなりの借入金でやりくりしているだろう。今、仮に0.75%の利上げをすればどうなるか。金利負担をあまり考慮していなかった中小企業の経営者は改めてこの利上げで目の覚める思いをするだろう。
四半世紀に渡って給料の額に変化がなかった働く労働者にとっても金利負担は苦しい今の家計に更なる負担を強いることになりパニックになるかもしれない。高度経済成長を支えてリタイアした団塊世代は高額の退職金を如何に運用するかを考慮していて利上げを歓迎する方向だが、利上げによる所得格差が広がり社会問題化する心配もあるだろう。日銀及び政府はどうするか。選挙での各政党は街頭演説で消費税引き下げを声高にしているが金利引き上げなどの経済政策は禁句のようで富裕層向けの演説よりも持たざる者への寄り添い言葉でごまかしているのが現状だ。そろそろゼロ金利からの決別の時期に来ていることは間違いないだろう。