木下寄席 きおろしよせ

生で落語を聴く会

3/28 談志「らくだ」

2017-03-28 08:48:59 | 2018日記
落語会を始めて今回で二回目だ。小さな事件もあって、嫌な思いをする。
慰めてくれるのも、やはり談志家元だった。
2003年三鷹公演での「らくだ」をDVDで観た。
家元の凄さは古典を単に古典としてなぞらない、古典を進化させる。
その違いに客はため息をつき、面白さに唸るのだ。
こんな場面が入れられていた。雨宿りする屑やの横に、「らくだ」が並んだ。
屑や「この雨、いくらで買いますか」、「らくだ」屑やの頭の横を軽くこついて去った。
この場面で、平坦な「らくだ」像が、むっくと立体になった。
強いられた仕事を終え、酒を飲む屑やが徐々に変化する場面も、丁寧に演る。
屑やの変化は町内を廻る心持の違い。脅されて嫌々行った月番から、最後の漬物やでは明らかに心持が違っている。
「らくだ」の兄貴分への心持の違いが、出ているのだ。同じに回っちゃいけないよ、お弟子さん。
かんかんのう、民衆に広く歌われた。「看々踊」ともいわれ、幕府から禁令が出るほどの、過熱ぶりであったそうだ。
いまや「らくだ」でしかそれを知ることはない。談志家元は歌って見せる。
饒舌になるそうだ。談志家元を語りたくなるそうだ。
聴き終えての満足感がそうさせるのだ。